■総論と各論の総論として。


・まず、私は予備試験の最終合格はしていません(論文の不合格待ちw)。ですから、私が書く勉強内容は、予備試験あるいは司法試験に最終合格する人の勉強内容ではなく、ただの予備短答合格者の勉強内容にすぎません。はい、完全な自己満なんです。


・そして、私は気分屋です。この記事で書く内容と、過去に書いた内容及び未来に書くであろう内容と矛盾した内容も含まれている恐れがあります。しかし、嘘は無いです。知覚・記憶・表現の各過程の誤りをチェックしたいのでしたら、反対尋問をよろしくお願いします。


・伊藤塾の合格者の多くは、「基本的には塾で配布されるテキストを繰り返しやってました」、とか、「基礎マスターの知識で合格の8割は足ります」、とか言います。それを聞いて私は、基本的にはってことはそれ以外もやってたってことだよな?8割ってことは残りの2割はどうすんの?って不思議に思っていました。ですから、少なくとも10ページくらいは読んだ基本書については勉強内容として記載することにしました。ただ、勉強の合間に休憩として読んでいた程度なんで、内容にていては覚えていない方が圧倒的に多く、短答対策として効果があったかどうか問われれば、主観的にはほぼゼロだと答えます。もっとも、深層心理にどうたらこうたらで、実は気付かないうちに、というのはあるかもしれませんが。


・予備短答に関する現時点の僕の考えとしては、基礎マス+論マス+過去問(新司法試験の短答。旧はいらない。)で、100%合格すると考えています。短答マスターはいりません。判例百選もいりません(憲法もいらん)。判例なんて基礎マステキストに嫌っていうほど乗っていますので、それで対応可能。


・私は、1回目の予備試験ではマークミスにより、まさかの一般教養0点、マークミスが無くても一桁得点という爆笑ものの馬鹿です。そこから2回目の一般教養は30点オーバーというミラクルを起こしたので、一般教養の考え方にはそこそこ自信あります。


・また、1回目では、一般教養が受験者平均点を取れれば短答に合格していたと思います(去年の成績表が無くなってしまった)ので、少なくとも法律学習の短答に関しての部分は信用して大丈夫だと思います。



■総論として。


・僕は、基本的に新司法試験の短答の過去問は全ての科目でなるべく多くの問題を解くようにしてました。正確には、基本的には肢別で代用し、気が向いたら辰巳の過去問を解いていました。上3法は短答の対策なしでも合格点取れると言う人がいるかもしれませんが、旧司択一合格者であれば取れて当然とも思えますし、そもそも6割が合格ラインなんで運よくラインに乗るという事も充分考えられますので、楽なアドバイスには耳を傾けず、上三法に関しても過去問を解くくらいの対策は取るべきです。


・まだ積み上がってる過去問は10年分弱ですから、来年の予備試験を受験する人でも間に合います。


目的なく解いていっても効果はあります。過去問ドンピシャは無くとも、似たような問題は腐るほど出てますので、目的無くダラダラと解いていたとしても、勝手に身体が、「こういう問題形式は解きやすいから先に解いておこう、この分野の問題は一見難しそうだが実は肩透かしで簡単だから解こう」、とか考えてくれます。もちろん目的持って解くほうが力になるのは確実ですが、とりあえず解くだけでも効果があるんだから、とりあえずは解くべきです。


・僕は一度自分が正解した肢も解きました。その方が、自分は何割くらい忘れるのか、何割くらいは覚えているのか、期間としては何週間くらいなら記憶がキープ出来ているのか、あるいは何週間たつと始めましての知識になってしまうのか、感覚的に学べるからです。


・あと条文は死ぬほど引くべきです。分かってても引くべきです。何が何でも引くべきです。引けば引くほど法律が楽しくなります。今思うと僕は、六法を机の真ん中手前に置き、テキストを六法の奥(机の奥)に置いて勉強しているときが多かったです。それくらい六法は使いまくってました。





■憲法


おそらく全ての人が一番最初に勉強する科目。

僕は、基礎マスの講義をストリーミングでダラダラと長時間聞いていた。聞くのは時間かかるんで、今から勉強を始めるなら、講義で触れる部分を何度も繰り返し読み込んでいくと思います。

ただこの時点では勉強の初期の初期なんで、推薦で大学行った人とか、受験勉強から長い年月がたった人にとっては、ある程度の非効率性は仕方ないですね。

憲法は、ブコフで買った昔の肢別を解いていましたが、平成16年とかのだったんで、古すぎてあんまり意味が無かったような気がします。

講義をたくさん(人権は6~8回くらい、総論と統治は4~5回くらい)繰り返し聞く&肢別をダラダラ3~4週して、1回目の予備で7~8割の得点でした。



1回目以降、、憲法は勉強してもあんまり跳ね返らない科目だという噂をメッサ聞いていたので、憲法のヤル気が下がり、また、他科目の面白さから憲法の勉強時間はガクっと減り、ほぼ無勉状態になる。肢別もほとんど解いていないと思う。

それでも、図書館で勉強しているときは、休憩時間に芦部憲法や四人組や浦部や古希記念などの論文をパラパラと読んでいました。効果があったかは不明。厚い基本書を読んでいると、なぜか得意になった気がしてしまう魔力があるのには驚いた。魔力で問題を解ける人は、多分いない。

そして2回目の試験では4~5割の得点へ大幅ダウン。やはり普通の勉強をしとけば良かったと後悔する。



■民法


一番苦手な科目。基礎マスを1~3回くらい聞いて量が莫大過ぎて死亡し、短答マスターを2~3回聞いても分からず、LECの3倍速インプット講座を3~4回くらい聞き、伊藤塾のテキストの量が莫大すぎることに気付き、安心する。

伊藤塾のテキストは全ての科目で分量が多すぎるが、民法では量が多すぎのすぎなんで、そもそも1週するまでに挫折してしまう。

テキストすら理解が出来ないので肢別はやらず、1回目の予備短答までは、短答マスターと3倍速インプット講座をひたすら聞いていた。3倍速はオススメ。

短答マスターと3倍速のおかげ&問題が非常に簡単だったことで、第1回予備試験では9割の得点。



第1回目以降は、論文マスターを3~4回聞き、やはり分からず、捨てることを決意。果敢な決意をするも、図書館での勉強の休憩には、内田とか大村をパラパラと読んでいた。読んだという事実は覚えているんだが、内容に関しては覚えていない。

第2回予備試験では5割程度の得点。無難な勉強をしていれば良かったと後悔。ただ、勉強量クソだったので、個人的にギリ抑えた感じであり、失敗とは言えない。1回目は運が良かっただけだ。




■刑法


勉強の初期は基礎マスの講義を何度も(3~5回くらい)繰り返し聞いていた。だが全く意味が無いだろうと思う。なんとか惹起説とか、厳格なんちゃら説とか、ハッキリ言っていらないんじゃね?

ただこの時期は勉強には熱が入っていたので、講義を聞き該当箇所の肢別を解くという王道の勉強を取った。刑法の肢別は役に立たないという声もあったけど、俺は役に立った。テキストの内容が試験には役に立たないので、相対的に肢別が役に立ったのだ。○○は有価証券である。○か×か、みたいな絶対出なそうな肢はシカト。

こんな感じの勉強で第1回目では7~8割の得点。



それ以後は、論文マスターを3~4回聞く。論文マスターの方が短答に役に立つと思う。なぜなら、短答の論文化が一番顕著なのは刑法だから。論マスを繰り返すことで、短答の合格点は取れる。満点を狙いたいなら学説を、って感じかと。○○と解した場合、□□となる、系の問題は、時間をかければ解けるんだろうけど、あらかじめメジャーな学説を勉強してないと本番の緊張では解けるか微妙。俺は、費用対効果の関係で学説問題は現場勝負(=捨てる)って考えてました。旧司法試験経験者は学説問題も確実に解けるから(旧の択一の問題との親近性から)満点を取れる可能性が高い。

この時期は多分肢別はやっていない。基本書は木村光江をパラパラと。山口を読む方がカッコいいと思っていたのだが、内容が意味不明すぎて読めなかった。

それで2回目8~9割の得点。



■商法


第1回目までの勉強は余りにもヌルすぎるため省略。


第2回目の試験までに、論マスをたくさん(3~5回くらい)聞く。リーガルベーシックテキストは根性ない人にはダメ。厚すぎだし細かすぎ。短答でもメインは論マステキスト(問題研究)でOK。

当たり前すぎて言うのもアレですが、条文は必ず毎回引くこと。条文を何度も何度も読んでいると、会社法の条文は、刑訴や民訴と比べ、遥かに綺麗に並んでいるのに気付き、少し感心する。

目的条文を目次から探す練習も、面白かったから頻繁にやってた。

例えば、株主総会での株主の議決権の代理行使に関する条文を探すことを考える。そして六法の目次を見ながら、まず、株主総会なんだから、第4章・機関のなかの第1節・株主総会及び種類株主総会のなかの第1款・株主総会(295条)らへんにありそうだな~、って考え、295条にジャンプする、そしてパラパラパラと条文の見出しを見ながら読み進め、310条!発見!って感じでw 意外と面白いし、会社法の条文体系の綺麗さが分かる。

短答知識として問われているものは難しいものが多く、捨てようと思っていたので、短答用としてはこれと言った勉強はせず。肢別もやってないと思う。

商法総則商行為手形小切手は基本的にはシカトで、気が向いたときに条文を素読。

図書館では神田をパラパラと。

2回目は7~8割の得点。


■民訴


第1回までの勉強はヌルすぎるため省略。


2回目の試験までに、基礎マス&論マスを繰り返し聞く(各々5回くらい)。民訴の原田先生の講義は神です。

講義は神なのだが、リーガルベーシックテキストの記載にちょくちょく怪しい部分がある。複雑訴訟の部分の記載は全体的に怪しく感じる。怪しいというだけで、誤っているという事ではないんだろうけど、明らかに理解がしにくい造りになっている。というかそもそも複雑訴訟についての記述量が少なすぎだと思う。複雑訴訟は短答で頻出なんで、過去問(肢別)を使ってシッカリと対策すべき。当たり前だが条文は引きまくりましょう

民訴に関してのみ、配布される論証パターンが役に立ちました。反対説から厚く論じている論証もあったり(たいがいはCランクとなっていますが)するので、その論証を読むことで、自説が浮き上がり、また、議論の実益も何となくですが分かってきます。

図書館では高橋・眞・藤田とかをパラパラ読む。

肢別は2~3回解いたが、要件事実が絡んで有る問題は難しいから飛ばした。

具体的な書面が、今どこにあるって、どこ(誰)に出し、最終的にはどこ(誰)に届けたいのか、という視点(岡崎先生が言っていた)と、誰が、誰に対して、何を聞くのか(言うのか)、という視点(誰が言ってたか忘れた)は意外と役に立った。基本的には書面を持ってる人が主役であり、言いたい人(発言したい人)が主役である。主役が手続きのアプローチをするのが原則である。

裁判長の権限なのか裁判官の権限なのか裁判所の権限なのか、訴状が却下されるのか訴えが却下されるのか等の知識は、まぎらわしいけど確実に出ます。屁理屈でもいいので、なぜそのような規定になっているのかを考える(訴訟経済を図る要性と、手続保障が与えられているという許容性からのアプローチ)と、少しは記憶しやすくなります。

こんな感じで2回目は8~9割の得点。



■刑訴


第1回目まではほぼ無勉。


基礎マス&論マスを繰り返す(各々3回くらい)。リーガルベーシックテキストは量が多い。伝聞は全てAランクという悲しい指摘もあったが、講義が楽しく(山本有司)、得意になった。

図書館では白鳥・安冨・池前とかをパラパラ読む。塾のテキストの公訴事実の同一性の分野がどうしても納得がいかず、図書館で大御所先生を始め色んな論文なり文献を漁って読んだ。公訴事実の同一性の説明は刑罰関心同一説が妥当だと感じました。が、これらは完全な趣味であり、短答の勉強にはなりません。

楽しい科目であったので自分の記憶と相性がよく、肢別は1~2回だけ解いただけ。

刑訴も、裁判官なのか裁判所なのか裁判長なのか、当事者の同意が必要なのか意見を聞くだけでいいのか、被告人の権利なのか弁護人自身の権利なのか、まぎらわしい知識が一杯ありますが、これらは、憲法30条代の条文と照らし合わせて屁理屈を付ければ、少しは記憶しやすくなります。

こんな感じの勉強で2回目は9割強の得点。1回目の短答は、伊藤塾のカリキュラムの都合上、基礎マスの講義の消化がほぼゼロでの試験日突入だったので、実質1年ジャストの勉強期間でしたが、ガッツリ稼げて嬉しかったw



■行政


リーガルベーシックテキストは情報が古く、論マステキストは量が少なく、正直伊藤塾(30期)のテキストでは合格レベルにはキツイかも。いちおう、基礎マス4回くらい聞き、論マスは2~3回くらい聞いた

肢別は2~3回解くが、個人的には全ての科目で一番大変だった。テキストの知識レベルとのギャップ(つまり過去問のレベルが高い)があるように感じた。行審や情報3法は基本的には軽ーくやった。国賠や代執行はそこそこシッカリやった。だが当たり前だが行訴行手が中心。

図書館では原田・藤田らへんの大御所をパラパラと。本屋でサクハシを立ち読む。

これでなぜか2回目は5割程度の得点。もっと取れたはずなのに失敗した。

そもそも行政法は難易度が高く、しかも民法と配点が同じなので、もっと力を入れるべきだったと後悔。



■一般教養


ここが鬼門。

だが俺は分かった。

一般教養を出題する考査委員(調べれば出てきます)の研究分野をグーグルで調べると良い

当たり前かも知れないが、問題は各々の研究分野からほぼ全て出る。

そうするとインドとか英米文学とか遺伝とか火山とか、なんとなく出そうな分野を「体感」できる。

出そうな分野を「知っている」のと、「体感できる」のでは大きな差が出る。

勉強しているときのアドレナリンが違う。

ネットだと簡単にサーフィンが出来るので、その教授の研究分野を「へ~」って思いながら見ていれば、結構知識が付く。


そして、LECの紫色(青?)の一般教養の問題集はオススメ(というかこれくらいしか問題集が発売されてない)。この問題集の中から、出そうだと体感した問題を解く、数にして10問くらいかな。

伊藤塾の講座は正直あんまし意味が・・・面白い講義ではあったが、それは俺が高校での勉強がスカスカだったからであり、そこそこ真面目に勉強していた人にとっては特に面白味もない模様。

ともかく、あんまり時間をかけて勉強すべきではないのは確か(LEC永野先生は稼ぎ所だから勉強すべきだという趣旨の事を言っていた)なので、力を入れるべきではない。俺は伊藤塾の講義を2~3回くらい聞き、LECの問題集の中からチョイスした問題を1回解いて、あとはネットサーフィンをしてた。


あとは問題の選択眼は大切。

理系の問題では論理的な前提や公式が問題文に記されていたりすることもあり、意外と絞れる

そして、なんとなく知っている分野の文系のとある問題で3択に絞れ、全く知らない分野だが問題文に書かれている前提知識等から2択まで絞れた問題がある場合、後者を選択してマークすべき。当たる確立が33%から50%にあがる。これはデカイ。

何となく知ってるのは知らないと同義であるし、論理的に成り立たない肢は正解肢になりえないのだから、自分の分析力を信じるべき。




■まとめ


全体的に、


基礎マスを繰り返す→結構点が取れるようになる→基礎マスに飽きる→基本書読む→出来ると勘違いをする→点数が下がる


という規則性が薄っすらと見えますね。


学問としてどうこうより点数が取れるかどうかが試験では重要だと思うので、やっぱテキストと過去問という王道パターンをひたすらやるのが良いと感じた


偉そうな学術系の書籍や論文をパラパラ見て悦に浸ってるより、つまらなくても普通にテキストを読み込み、つまらなくても過去問を解く、それで充分短答は合格できるんだろうと思います。


僕の予備2回目は憲法と民法がクソ低かったですが、伊藤塾のテキストを中心に使用しサブ的に肢別を使用して勉強してた第1回目の憲民と同じくらい点数を取れていれば、第2回目では合計で200点(これなら十分上位合格)近くいくので、伊藤塾で教わる勉強を素直に取っていれば、短答に合格するのは比較的容易なのかもしれません。


新しい基本書や論文なんかを読むと、「へーこういうことだったのかー。はーそんな考えがあるのかー。」と感じたりして、あたかも実力がアップしたかのように思えてきます。だから楽しく感じられ、辞められなくなる。


基本書をある程度理解しながら読んでるんだ、確かに実力はアップするだろう。しかし実力がアップしても、得点力がアップするかどうか別問題である。


得点力をアップさせたいなら、学問研究ではなく受験勉強をすべきである。




■なんか久しぶりの長編になってしまった。


話すと長くなる、嫌われる年の歳のとり方をしたもんだ。


書き終えて感じたが、僕は論文用の勉強と短答用の勉強は特には分けていない


論マスの講義を聞くことは短答にも役に立ち、逆に肢別を解くことは論文にも役に立つ。


まあ、とりあえず以上である。