以前にも紹介したと思います。



十二国記。



主に16,7歳の少女が主人公になっています。



一見、何でも無いような少女が



実はある国の女王になる存在だった。



そして、その国に連れて行かれ、



様々な困難に立ち向かいながら成長していく・・・。



簡単に言うとそんな物語です。



で、



「風の万里 黎明の空」という話では、



女王となってからの話になります。



生き方や、考え方。



思いやりとは?



そんな事を考えさせられる内容です。



僕が今日紹介したいのは、主人公が国王となり、



初勅(初めての自分の方針)の言葉です。



少し長くなりますが、読んでください。



「他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ



安心出来ない者のことなど私は知らない。



それよりも、人に頭を下げるたび、壊れていく者の方が問題だ。



真実、相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときには



自然と頭が下がるものだ。



礼とは心の中にあるものを表すためのもので



形によって心を量る為のものではないだろう。



礼の名のもとに他者に礼拝を押し付けることは、



他者の頭の上に足を載せて、地になすりつける行為にかんじる。



他者に対しては礼を持って接する。



そんなものは当たり前の事だし、



するもしないも本人の品性の問題で、



それ以上の事ではないだろう。



人は誰の奴隷でもない。



そんなことの為に生まれるのではない。



他者に虐げられても屈する事のない心、



災厄に襲われても挫ける事の無い心、



不正があれば糺すことを恐れず、



けだものに媚びず、



己という領土を治める



唯一無二の君主になってもらいたい。



その為にまず、他者の前で毅然と首をあげるべきだ。」



これは、自分が治める国に不正があり、それを憂いての言葉です。



作り話ですから、さすがに16,7の少女が言える言葉では有りません。



でも、何かを感じませんか?



僕は、自分の人生を振り返ってしまいました。



文学とは、時に自分を見直したりするのに非常に役立ちます。



この「十二国記」は神の箱庭的なお話ですが、



非常に良い作品です。



高校生以上ならきっと読めるでしょう。



また、



以前TVにて放送していましたので、レンタルもあると思います。



このGWにぜひ、御覧になって欲しい作品です。



                           by  風に訊け !