何もいいません。
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こころとからだ どちらも大切な君自身
私が、2カ月前からかかわっている18歳の少女がいます。中学校の時、いじめに遭い、中学校2年生の時から、学校に通うことができなくなりました。そして、引きこもりに。彼女の生きている証しは、深夜のインターネットで見知らぬ仲間たちとの会話だけでした。
そして、彼女は17歳の時に、リストカットを覚えました。彼女は、ネットで知り合ったリストカットの少女を助けようとしました。「あなたが切るのなら、私も切る」。彼女は、自分の腕をかみそりで切りました。そして、リストカットがやめられなくなりました。そして母親に見つかり、泣かれました。彼女は、リストカットをやめようとしましたが、自分の力ではどうにもならず、私に相談してきました。
その彼女から、昨夜遅く電話がありました。「先生、死にたい。リストカットしたい。いい、リストカットして」。私は、何も答えませんでした。「先生、切るよ。いい」。彼女は何度も繰り返しました。
私は「先生が止めても、きっと君は切るよね。先生に止める力はありません。ただ、1つだけお願いがあります。まず、冷蔵庫に行ってごらん。そして、冷蔵庫の中にきっとチューブに入ったわさびやからしがあるから、それを全部お皿の上に出して、持っておいで」。彼女は、わさびを持ってきました。そして、「先生、言った通りにしたから切るよ」こう言って、手首を切りました。
私は、すぐさま「もうひとつお願い。わさびをたっぷりその傷に塗ってごらん。いいね」と言いました。「うん」という彼女の返事のあと、「ぎゃー」という悲鳴と、「先生、私を殺す気なの」という叫びが、受話器から聞こえてきました。私は、彼女に言いました。「リストカットしたいのは、死にたいと思うのは、君のこころの叫び。今の痛みは、君のからだの叫び。どちらも大切な君なんだよ。すぐに救急車を」
子どもたち、なぜ自ら死ぬことを自殺というのか知っていますか。それは、自らのからだを、自らのこころで殺しているからです。子どもたち、君たちは、こころだけで生きているのではありません。からだとともに生きています。今、夜眠らないで、からだにつらい負担をかけたり、大切な君自身であるからだを、自ら滅ぼしてしまう子どもたちが増えてきています。哀(かな)しいです。
子どもたち、君たちのからだはいつも君たちのために戦っています。細菌がはいれば、熱を出し、それを滅ぼそうとする。悪いところがあれば、痛みで君たちに伝える。君たちのからだは、いつも君たちを生かそうとしています。子どもたち、君たちは、自分のからだを大切にしていますか。