こんにちは!

今日の千葉は気持ちの良い太陽が見えています。

昨日、一昨日と落ちていたのが嘘の様に気持ち良い!

窓を少し開けているだけで、寒いけども

その寒さがまた良い!

生きているという実感が湧いてきます。

さて今日の更新、1回目は水谷先生のエッセイからの紹介です。

中日新聞に週一位で連載されているのですが、

僕は毎週読ませていただいています。

僕が鬱っぽくなってきたと思える頃の記憶を辿ってみると、

どうしても、言葉の使い方が気になります。

罵倒したりする言葉が多かった様に思います。

そう思っていたときに、これから紹介する先生のエッセイ・・・。

これは、子供達に向けられて発信しているのですが、

大人も読むべきと感じていますので、敢えて転載します。


字には命がある 優しいことば配ろう

2008年11月24日


子どもたち、私は、3歳で父親を失い、それから11歳までの8年間を、

山形の祖父母の元で過ごしました。

12歳の時、横浜の母親が私を呼んでくれ、

それから今まで母と一緒に暮らしています。

私の母は、横浜の小学校の教員でした。熱い人でした。

差別に苦しむ人たちや、貧しさにあえぐ人たちのために、

わが家や私のこともかえりみず、1年中動き回っていました。

私は、中学に入って、母の活動を手伝うことになりました。貧困や差別の中で、

字を書くことを学ぶことができなかったお年寄りたちに毎晩、

字を教える仕事です。識字教室といいました。

坊ちゃん刈りの中学生が、一人前のおじいさん、おばあさんに、

必死に五十音を書くことから教えました。

五十音をおぼえたおじいちゃんやおばあちゃんが、一番はじめに書いたのは、

手紙でした。

遠くに住む息子や娘さんへの手紙を、たどたどしいひらがなでしたため、

恥ずかしそうに私のところに持ってきました。

 「先生、これで読めますか」。

そして、私に封筒の住所を書いてくれるように頼みました。

私が「ひらがなでいいから、自分で書いたら」というと、

 「先生、それはだめだよ。息子が、娘が恥ずかしい思いをする。

 できるだけ立派な字で書いて」。そう答えが返ってきました。

私は、とびっきりのきれいな字で書きました。

その年のちょうど今ごろ、秋でした。漢字を少しずつ教えていたとき、

1人のおばあちゃんが、突然手をあげました。「先生」。

私が「どうしたの」と彼女のそばに行くと、おばあちゃんは、

私の手を握りながら、

 「先生、字ってすごいよ。命が入ってる。この『母』っていう字を書くと、

 亡くなった母の思い出がいっぱい出てくる。『山』っていう字を書くと、

 ふるさとの山が見えてくる。『子』っていう字を書くと、

 戦争でなくしたあの子のことが」。泣きながら話してくれました。私も、泣きました。

子どもたち、私の元には、数え切れないほど、

「死」や「殺」、「悲」や「憎」のことばを並べたメールや手紙が届きます。

そのたびに、私は哀(かな)しくなります。

そして、あのおばあちゃんのことばを思い出します。

「字には、ことばには、命がある」

子どもたち、ことばには、字には、人を幸せにしたり、不幸にする力があります。

だから、私たちは、ことばや字を大切にしなくてはならないのです。

子どもたち、美しい優しいことばに想(おも)いを込めて、まわりにそっと置こう。

子どもたち、美しい優しい字に、想いを託し、そっとまわりに配ろう。