元旦の朝、さっさと起きればいいのに核家族の気楽さで寝坊した。
10時には未来を障害者施設から連れ出す約束をしていたのに
大みそかの夜になってから帰省した夏海を隣県まで迎えに行って
その後、親子で別々の格闘技を観戦して。調子が出てきて、
旦那が私を相手に夏海に「ここでこうして、こう決める」と説明しだし、
今度は夏海が私を相手に「ここはこう決めて、ここをこうじゃね?」と受ける。
100㎏周辺の体重の男子が代わる代わる体格の合わない私に技をかけてくる
いったいどんな年越し?
息を切らして年越しそばを作るのは私なんだよっ!?
どうにか食べて、どうにか12時を迎えて、
「あけましておめでとう」という頃には、私はもうクタクタだった。
そして、寝坊しちゃったのですよ。目覚めれば9時。
施設とわが家が15分程度の近距離にあるのは本当にありがたい。
まだ寝ている大男二人に、「私はシャワーを浴びて未来を連れに行くから
あなたたちは10時半を目途に出かけれるようにしといてね」と言って
未来を迎えに行った。
そもそも31日に連れてきたかったのに、年が明けてから連れに行くことを
申し訳なく思っていたので、遅れたくなかったことが今思えばよかった。
未来は施設から連れ出されるとハンバーグを食べれると思っている。
言語未獲得なので、自分の思いを言葉では伝えられないのだけど、
多分、私たちが何を話しているかは分かっている。
ファミレスの前を通過すると、バンバンと床やいすを叩いて訴えてくるのだ。
だから、私たちもせめて一緒にいるときはって、ついハンバーグ食べる計画で
連れ出しにいく。
約束の10時に施設に到着して、一応病院のトイレで未来のオムツを替える。
大きいベッドがあるトイレはあまりないから、ここで一回やっとかないと。
未来を車に乗せて、車いすをたたんで載せる。
少し遠回りをして時間を稼ぎながら帰宅すると、旦那と夏海が準備を済ませて待っていた。
未来を私の軽四から旦那の車に乗せ換える。チャイルドロックしとかないと
未だにドアや窓をイタズラするので命が危険だ。
車いすも忘れずに旦那の車に乗せて、久しぶりに4人が車内にそろった。
キャッ、キャッって未来が喜ぶ。
いつも行くファミレスに4人で向かうと、待つことなく席に案内された。
ハンバーグを食べてご満悦の未来を家族でめでる。
このあとショッピングセンターを散歩して、夕方遅めに施設に送ろうと思っていたのに。。。
私がお金を払っている間に旦那が未来を車に乗せて、夏海は未来の横に乗り込んで
イタズラを防く。車に乗り込むと旦那が言った。
「未来をお風呂に入れてやらん?こいつ、風呂好きだし年末年始は施設も手薄だし、ゆっくり入れんだろ?」
内心、今からお風呂かーと思ったけど、未来風呂好きだし、確かに年末年始は施設が手薄だろう。すでに年末の何日間は入れてないんだろうなって思った。
家の最寄りのスーパーで晩御飯のお買い物を済ませた後、
家に旦那だけをおろして、夏海と未来と私は家の近くの本屋を軽くうろつく。
旦那はその間にお風呂を沸かしていた。
家に着くと、ちょっと疲れて足元がおぼつかない未来を抱っこしてお風呂場へ。
服を脱がせると、オムツが盛大に汚れていたw
旦那は未来とお風呂に入るべくもう裸でお風呂にいる。
「いいからそのまま未来ちょうだい。こっちで洗うわー」
未来が風呂場にいる間に、夏海は車いすを拭く。
車いすと一心同体の未来なので、この時しか車いすを拭くチャンスはない。
私はお風呂が終わったら、の準備。
未来はすっかりお風呂を堪能して、すみずみまで旦那に洗われて出てきた。
立っていることができない未来をバスタオルを敷いた脱衣所に転がす。
全身を拭いて、伸びた丸坊主にドライヤーをあてる。
紙おむつを付けて、服を着せて、飲み物を飲ませると
疲れてしまったのか、バイバイのしぐさをした。
え、帰りたいの?
旦那にも夏海にもバイバイをする。そして床に倒れこんで眠そうにした。
予定よりちょっと早いけど、施設に送ることにした。
私の車に未来を載せて障害者施設に着いたのは4時。
看護師さんに申し伝えをして、眠そうな未来とバイバイまたね。
そして、家に向かう。この角曲がったら家というところで
スマホからすごい警報音が!
え!なになに!?
と思うと同時に、車が揺れる揺れる。えーまだ揺れる?もっと揺れるん!?
うえーまだ揺れてる。やばい。これはやばい。すぐそこ家なんにー
旦那は間違いなく家を飛び出してるな、これは。
そして、絶対に夏海を守っているはずだ。
あっちは大丈夫だし、未来も行政が守ってくれてるだろう。
問題は、私やんか。。。
もう、車ごと揺れすぎて、車酔いになりそうなところで、ひとまず揺れがおさまった。急いで角を曲がると、予想通り旦那が夏海と家の外に出ていた。
「おー、ドア開かんくなったらまずいから、とりま外出たわ」と旦那。
昼寝をしてたっぽい夏海は眼をこすりながら
「くぅちゃん(うちの猫)何に入れて避難する?」と避難モード。
そして、いつもくうちゃんが入りたがる旦那のスポーツバッグにくうちゃんを入れた。
「なんでもかんでもは持って行けんぞ。どうしてもだけにしれよー」
私は夏海の試合が録画してあるSDカード入れだけいつものバッグに入れて
旦那は「まぁ滅多なことはないと思うけどな、こんなに逃げろいうから
山の方面に避難しとこうや」と言って充電器だけ持って車に乗った。
避難の途中は、慌てて飛び出してくる歩行者とか、無理矢理に割り込んでくる車とか
緊急車両もたくさん走ってきて、地震より交通事故がヤバいんじゃないかと思った。
コンビニやガソリンスタンドはどこもすごい込み具合だった。
結果、山方面の公共トイレがある駐車スペースで2時間ほど過ごして帰宅。
買ってきてあった晩御飯の買い物は無駄にならずに済んだ。
未来の施設からは「今、この場所に避難しています。未来君は元気です」
と連絡が入った。
夏海の大学からも安否確認の電話が入った。
病院も学校も、こんな時、本当にしっかりしてんなーと思った。
家も職場も知り合いも、壊滅的な被害がなくてよかったけど。
ここのところ毎日地震の被害が報道されているのを見て、
ただラッキーだっただけなんだなって思う。
未来を施設に帰した後で本当に良かった。
全員無事で、職場も大丈夫でよかった。