日曜日、雲が動く
ダンナである。
昨日、日曜日のフーフの雑記。
11:00、ヨメの弟の同級生である松が、
この前入籍したばかりのヨメを連れて見舞いに来てくれる。
そもそも、なんで弟の同級生が、それも紹介がてらヨメを連れて
友人の姉の入院する川崎の病院に来ているのか、
普通に考えたら実におかしなことなのだが、
それを普通に実現させてしまうのが、ご存知のようにヨメの魔力である。
楽しく話して、2人を見送った後、ちょっと話す。
やはり、昨日のメンタルを引きずっていて、顔色は悪い。
いわき行きの決定は、みんなの願いであって、
表面的には喜ばしいことのように見えるが、ヨメにとっては、
「いわきへ戻る ⇒ 化学療法の断念 ⇒ 死が近いのか?」という
現実まったなし感を突きつけられることになり、だからこそ
ここ数日のスピリチュアルペインだと思っている。
嬉しいような、でもそれは絶望的なような、
スッキリしたような、ただまだジタバタと抗いたいような、
ジレンマ、そしてアンビバレンツ。
希望と現実が、はちあわせして、さてどうするか。
うんうんとヨメの不安を聞いていたが、やはりちょっと心配になる。
ローなのは別にいいが、ダウナーはちょっとマズい。
心と身体はくっついている。
ダウナーな心は身体に作用して、
体調までダウナーに引きずりこんでしまう可能性がある。
何か、新しい希望はないかしらん?
初春の頃の「GWになったら、いわきに帰ろう」みたいな、
支えになるような何かがほしいような気がした。
一度家に帰って、ぺ~をフロに入れる。
ぺ~はいろんなところがかわいいが、
何がすごいって、本当に目がきれいだ。
黒目は真っ黒で、白目は真っ白。
大人になると、どうしても白目も黒目も瞳もすべて濁ってしまう。
赤ん坊は、目が「新品」って感じがして、ついつい見入ってしまう。
新品は気持ちいいもんだ。
そして、
日曜の明るい時間のフロは、何にも増してシアワセな気分を運んでくる。
そのままばったりと横になる。
ぺ~は寝てしまうが、私は眠れないので
ヨメの本棚からマンガを取り出してめくってみる。
くらもちふさこ「天然コケッコー」。
ひさびさに読んだが珠玉。
そして登場人物の年齢が、私よりずっとぺ~に近いことに気付き
ちょっとした衝撃を受ける。
ずいぶん遠くへ来たもんだ。
ネットで調べ物をする。
そういえば、先生が何度も「ハイケッショウが、ハイケッショウが~」と
言っていて、私の中では「肺血漿? え、肺もなんか悪いんか?」と
ひそかに心配していたのだが、
ハイケッショウとは「敗血症」のことで、感染症と同義らしい。
ややこしいな。
ハイケッショウって聞いて、すぐに敗血症と変換できる人、
どれくらいいるんだろ?
まあ、ほっとしたっちゃほっとした。
やっとうとうとした頃、ヨメから電話が入る。
食いたいものが見つかったから、買ってきてほしい、と。
マクドナルドのチーズバーガーと、ポテトと、チキンナゲット。
まあ、病人が喰うようなものじゃないが、
哀しいかな、結局それが私たちのソウルフードというものなのだろう。
ちょっと声が元気になっている。
夜にまた雨が降るといっていたから、
傘を持って歩いて病院に向かう。
病院までの小川沿いのいつもの道、
暑くなってきてから、なんだかやけにワイルドで、洋種っぽい
どっかで見たことあるような花の茎がぐいぐいと勢力を伸ばしていて、
道を覆わんばかりに育っている。
見たことある花のはずなのに、その名前がわからなくて、イラッとする。
ヨメならわかるだろうか?
その花の名前を教えてほしいと思う。
その花は、ちょうど今頃、ピンク、赤紫、薄桃みたいなバリエーションで
ぽつぽつと花を咲かせ、それが夏の湿気に滲むタイダイみたいに見えて、
ちょっと夕暮れにはいい感じなんだけど。
あ、ポテト食ってる……
あ、チキンナゲット食ってる……
チーズバーガーも食ってる………………どこまで喰うねん!?
意外なことに、ヨメはばくばくと
チーズバーガーまるまる1個食ってしまった。
ああ、この感じは前も知ってるわと思い出す。
たしか前の入院の時も、全然食えない日が続いたくせに、
一度食い始めたらばくばくばくばく喰うものだから、
オイオイドナイヤネンと脱力&閉口したものだった。
あの頃に近いか。
食べると身体が元気になる ⇒ 身体が元気になると心が前向きになる
⇒そうするともっと身体がエネルギーをほしがって腹がすいてくる
まあ、ちゃんと消化して便としてでるまでが、遠足ですよ。
教訓。
悪いときに、ヘタにジタバタ動かない。
雲は晴れる。
季節は変わる。
雨はやむ。
一喜一憂しない。
きっとまた雨は降るが、きっとまた晴れもくる。
月曜午後、ヨメから送られてきたメールに付いてる
ビックリマークがやけに多くないかおい!
などと思う今日の容態はどうやら悪くなさそうだ。