鬼鉄対談
ぎん鉄(以下 鉄)と、言うわけで、ノアですよ。
八甲田鬼丸(以下 鬼) 毎日のように、ノアの歴史を追いかけてるわけだけど、何でいきなりノア?
鉄 やっぱり、生観戦したのが大きいですね。人数、少なくなったら、なんか面白くなってきましたよ?と。
鬼 残されたものの必死さが見えてきた?
鉄 うーーん、やっぱり、KENTA、丸藤は、ものすごく頑張ってますよね。あと、実は、一番頑張っていたのが、外人勢。エリック兄弟、TMDK、エディ・エドワーズ、スペル・クレイジー、ペサディーヤ、そして、ザック・セイバー!
鬼 セイバーはよかったな。スティーブ・ライトか、ミレ・ツルノか、昔ながらのキャッチをしっかり見せてくれた。アレは、財産だな。
鉄 それ以来、日テレG+の録画、引っ張り出して、毎日観るようになりましたよ。
鬼 俺も、2000年から2003年辺りのビデオ、引っ張り出して、見てるけど…。全日四天王が作り上げたスタイルが、どんどんエスカレートしてくるんだよな。観ていて、ドキッ!とする場面が多すぎる。
鉄 より高く、より頭から、垂直落下は当たり前、雪崩式、断崖式と、タフマンレースに拍車がかかっていくんですよね。そうなると、だんだん、サブミッションが試合から消えてくるわけで。
鬼 とにかく、忙しいよな。大雑把に言えば、打撃、投げしかないから、試合にためがない。あとは、2.9の弊害だな。
鉄 この間、仲間内で集まって、プロレス見ながらご飯食べたんですよ。で、『ハンセン対小橋』を観ていたんですね。40代3人に、60代1人、30代2人だったんですが、90年代前半年頃のハンセンって、四天王の壁じゃないですか?小橋もまだ、連続ギロチンとかソバットとか使っていた頃ですよ。
鬼 小橋のシングルが注目されていた辺りな。ゴディ、スパイビー辺りに勝って、さぁ、ハンセン!な辺りか。
鉄 そうそう。で、試合も18分くらいまで、小橋が粘って、粘って、さぁっ!って時に、ものすごい勢いのラリアット一発で、フォールされちゃうんですよ。で、60代は、『うぉっ!すげーー!』40代は、『さすが本家』『一撃必殺だね』とか言ってると、30代は、『え、終わり?』って、目をぱちくりさせてるんですよ。
鬼 あーーーー(苦笑)。
鉄 ノアなら、カウント2.9で、小橋の大反撃になるわけでしょ?だから、あっけなく映るわけですよ、彼らには。でも、そのラリアットに行く前段階で、もう、フィニッシュに行く布石は打ってるわけですよ。そこは、ぜんぜん観てないわけ。だから、彼らには、唐突に試合が終わったように見えるんですよ。
鬼 まぁ、ハンセンだからな。俺もさ、08年3月の三沢対森嶋のGHC戦観てさ、もう、なんか泣きそうになったよ。
鉄 鬼の目にも涙?
鬼 そうそう。同じ試合をさ、立て続けに三回見たのな、繰り返して。
鉄 暇ですねw
鬼 いや、一回見たときに、すごい違和感を感じたわけ。俺の知ってる三沢って、こうだっけ?って。で、二回目に観たとき、もう、三沢の体が、ぼろぼろになってるのに、気付いたのよ。
鉄 たとえば?
鬼 もうね、森嶋を持ち上げる体力がないのよ。タイガー・ドライバーで持ち上げれない。で、どうするかと言ったら、雪崩式エメラルド・フロウジョン、断崖式エメラルド・フロウジョンで、無理やり、高いところから叩きつけるしかないのさ。
鉄 持ち上げて落とすというより、高いところから落とすしかない、と。
鬼 そうそう。もう、この時点で、三沢をメインでタイトル戦させてること自体が、無謀なわけ。でも、本来、エースになるはずの小橋が入院してる。小橋以降のチャンピオンが、力皇、田上、秋山、丸藤と来て、また三沢に戻ってる。三沢が、メイン張るしか、客呼べないのか?とか、変に気を使いながら、画面見てるわけ。それで、もう一回、その試合を見直したのよ。メモ帳片手に。
鉄 何でです?
鬼 この22分くらいの試合で、三沢が打ったエルボーが51発。あとは、試合序盤のフライング・ボディプレス、断崖式、雪崩式エメフロ位しか技ないわけ。
鉄 数えたの?
鬼 数えた!で、森嶋、この試合でラリアット15発。バックドロップ5発。パワーボム4発。
鉄 ラリアット15発?
鬼 でな、サブミッションがスリーパー二回だけ。あとは、不毛な打撃戦と投げっぱなし、エルボーとラリアットで、試合が進むわけよ。もうね、応援じゃなくて、悲しみね。早く決めてやれよ、森嶋!受身どうこうじゃないよ、ああなると。
鉄 あーー、この辺りのノア見てたから、トラウマになったんですよね。
鬼 第一試合からエルボー。第一試合からムーンサルトなノアだよ。
鉄 あと、前座の6人タッグですね。
鬼 外人はね、昔からいい選手来てるんだよ。
鉄 ROH、MLWの選手は、いいですよね。
鬼 やっぱり、レイスが教えてる選手は、基礎が違う。だから、日本人対外人の試合って、結構面白い試合多かった。でも、日本人同士の試合で、打撃のオンパレードが始まった途端、萎える。
鉄 杉浦のタイトルに秋山が挑戦したときは、食い入るように観てましたもんね。
鬼 杉浦、いいなぁ。でも、ああいう試合に対応できる選手いないから、どうしても、持ち味が殺されちゃうんだよなぁ。
鉄 KENTA、丸藤じゃ駄目?
鬼 いやいや、そんなことはない。でも、やっぱり、2人とも、対ヘビー級対策で、GAME OVERとパーフェクト・フェースロック、使い始めたでしょ?
鉄 打撃と空中殺法だけじゃ、限界がありますもんね。
鬼 だから、結局、最後には、そこにたどり着いちゃうんだよね。
鉄 そうそう、森嶋と言えば、WILDⅡの頃の森嶋…。
鬼 いやぁ、アレはなぁ。若い頃の橋本みたいだもんな。まだ、体も引き締まってて。
鉄 動き、いいんですよね。あのまま、行ってたら…。
鬼 さすが、ビンス・マクマホンに一刀両断に切り捨てられただけのことはあるw
鉄 なんと言いますか、『練習してる?』って、聞きたくなりますもんね。
鬼 『ピンク・ゴーディ』とか、やってる場合じゃねーーだろ!吉江モンと一緒になって、太ってどうするんだよって!
鉄 以前、秋山が雑誌に『Jrがヘビーのベルト巻いてるのは、いかがなものか?』みたいな話を載せたら、丸藤が、『それは、ヘビーの選手が情けないからだ』とか反論してたけど、それが、丸藤の本音でしょうね。
鬼 出て行った人には、言われたくないよ、と。
鉄 あぁ、お互い胸が痛いw
鬼 ズキズキw
鉄 結局、グローバル・リーグ戦も、永田さんに持っていかれたし。ヘビーが、だらしないといわれても仕方ないですよね。
鬼 まぁ、色々と大人の事情があるんだろうけどさ。そういう意味で、応援したくなるんだよな。
鉄 12月7日、田上さんも引退ということで、とうとう、四天王プロレスも終焉を迎えるわけですね。
鬼 会場行って、気がついたけど、やっぱり、わかりやすいのが一番だよな。あの入場ゲートと煽りVTRは、初めて足を運んでくれたお客様には、ありがたい気配りだね。同じビジョン使うにしても、W-1とはな、自主規制しとくかw
鉄 やっぱり、三沢の後継者が育っていなかったことが、不幸を呼んだんですよね。
鬼 森嶋戦の他に、サモア・ジョー戦とか、見たけど、もう、気の毒だとしか言いようがないよ。
鉄 なんだかんだで、まだ、半分しか見てませんからね(ノアのDVDは、200枚近くある)。
鬼 ブリスコ兄弟、マイケル・モデスト、ドノヴァン・モーガン、いい選手、いたのになぁ。
鉄 ブライアン・ダニエルソンとかね。
鬼 もう少し、所属の人数増えたら、盛り返すんじゃないかな?それまで、見続けるよ。
鉄 そうですね。G-SPIRITSの29号でも、読み返して、当時を懐かしみますよ。
鬼 と、いうことで、今日はお開き。