昭和五十六年一月九日
新日本プロレス 新春黄金シリーズ 開幕戦。
セミファイナル
藤波 (8:49 両者リングアウト) ジ・エンフォーサー
メインイベント
猪木・坂口・長州 (2-1) アレン・サモアンズ1号・2号
坂口 (8:34 反則) サモアンズ2号
猪木 (7:43 体固め) アレン
同日
全日本プロレス 新春ジャイアントシリーズ 第七戦
セミファイナル
鶴田 (15;10 回転えび固め) ミッチェル
メインイベント
馬場・桜田・佐藤 (2-1) ブッチャー・ルーイン・マーチン
両軍リングアウト(11:43)
桜田 (4:20 体固め) マーチン
プロレスの人気衰退が叫ばれるようになってから、かなりの年月がたつ。
その理由は、色々あるだろうが、私なりに、見解を述べていきたい。
二つのマッチメークを並べて見たとき、やっぱり、基本は、わかりやすい、ということ。
日本人対外人、突き詰めていけば、猪木対外人、馬場対外人。
つまり、新日本は猪木、全日本は馬場。
観客は、新日本プロレスじゃなく、猪木を見に来ているし、全日本を見に来ているんじゃなくて、馬場を見にきている。
絶対的なエースがいて、その他のレスラーは、それを支える立場に徹していたわけです。
しかし、新日本は、藤波(新日本)と長州(ジャパン)に別れ、全日本は鶴田(全日本)と天龍(SWS)に別れる。
長州は、藤波の背中を追いたくなくて、天龍は、鶴田の先に立ちたくて。
それぞれ、トップとなり、団体を起こす。
絶対的エースが活躍していた時代は、ここまで。
新日本は、闘魂三銃士をプッシュ。
全日本は、四天王プロレスに突入。
90年代あたりから、複数スター制がしかれ、それはもう、めまぐるしく、トップが入れ替わった。
結局、ファンの関心は、「馬場と猪木、どっちが強い?」から、「今、誰が強いの?」に代わり、最終的には、「今、プロレスって、いくつあるの?」にたどり着いた。
今のプロレスは、デビューした手の若手以外、誰がメイン張っても良いし、誰が休憩前勤めても良い。
それくらい、格の差がなくなってる。
なんたって、団体の看板を背負うチャンピオンが、リーグ戦やトーナメントで、ころころ負けるのだ。
なぜ、あのFMWは、成功したのか?
デスマッチだけが、売りではない。
「大仁田」という絶対的なエースを売り出したから、カリスマとして担ぎ上げたからではないだろうか?
新日本なら、棚橋。
ノアなら、杉浦。
選ばれた人材を、周りが全サポートして、団体ごと盛り上げる。
大切なのは、原点回帰。
盛り上がっていたときに、やっていて、今、やっていないことをやり始めれば、昔のような熱が、湧き上がってくる。