マードックがすきだぁあああ!


さて、戯言はこれくらいにして。


前回、ジャーマン・スープレックスで、信じられない位のリアクションをいただいたので、調子に乗って第二弾、今回は、ブレーンバスターです。


日本マットで初披露したのは、キラー・カール・コックスで、元祖火の玉小僧、吉村道明を完全KOしたのが、最初だそうです。


このブレーンバスターを分類してみると、次のように分けられるんじゃないかな、と、思います。


1 ただのブレーンバスター

2 元祖ブレーンバスター

3 高速ブレーンバスター

4 長滞空ブレーンバスター


1 ただのブレーンバスター

このブログをご覧になっている皆様ですから、ブレーンバスターが、どんな技かは、お分かりですよね?

今評判の『タイガーマスク』では、Wアーム・スープレックスを、ブレーンバスターと紹介してますが、別物ですし、ジョニー・バレンタインの頭部へのエルボー・スタンプが、ブレーンバスターとよばれていたってのも無しです。

相手を逆さに持ち上げて、そのまま、後方に倒れこむことにより、相手の背中や腰辺りにダメージを与える技で、昭和50年代には、猪木とジェット・シンとの抗争で頻繁に使われ、名勝負を生み出したのが、印象的です。

最近では、扱いは、ボディスラムやファイヤーマンズ・キャリーと同じような扱いで、フィニッシュどころか、前半のつなぎ技に格落ちしてしまいました。


2 元祖ブレーンバスター

では、元祖ブレーンバスターとは、どんな技なのでしょうか?

先述のコックス、マードック、それから、ミスター・プロレスこと、ハーリー・レイスの得意技です。

技の入り方は、同じなのですが、相手をさかさまに持ち上げた後、一緒に倒れるのではなく、まず、自分が、先に、しりもちをつくような形で腰を落とし、そのまま、相手の『脳天』をマットに、『垂直(ここが重要」)』にたたきつける、いわば、二階からのパイルドライバーのような形になるわけです。

たたきつける瞬間、しっかりと頭を抱え込み、かつ、タイツを握るほうの手は、ひきつける。

こうすることで、相手の全体重は、首一点に集中し、一発でピンフォールを奪える大技になるのです。

橋本真也の使う垂直落下式DDTも、入り方は違いますが、結果は同じこと。

橋本のここ一番の決め技でした。

レイスは、自身のブレーンバスターに、誇りを持っていて、バーティカル・スープレックスと呼び、ブレーンバスターとは、一線を引いていました。

私が、コックスのブレーンバスターを見たのは、馬場&鶴田の持つインタータッグに挑戦した試合で、あの長身の鶴田を持ち上げ、ストーーーン!と、垂直におとし、一発で鶴田からピンフォールを奪ったのを、今でも思い出します。

マードックの試合で、忘れられないのは、スペースローン・ウルフ時代の610こと、武藤とのシングルマッチです。

武藤にやらせるだけやらせて、スペース・ローリング・エルボーに行こうとした瞬間、カウンターのエルボーで逆転。

アピール付のブレーンバスター!

あの時は、カメラの角度が良かったのか、武藤の頭が、マットにめり込む瞬間が、明確にわかり、思わず、目を背けたことが、忘れられません。


3 高速ブレーンバスター

ご存知、ダイナマイト・キッドの得意技で、後に、クリス・ベノワに受け継がれる必殺技です。

馬用のステロイドを使っていたというキッドのパワーが、生み出した高速ブレーンバスターは、プロレスの歴史を変えた技のひとつです。

それまでの技は、「タメ」を作ることで、攻防を魅せる要素があったのですが、このブレーンバスターが、世に出始めると、「有無を言わさず」、「受身が取れない」技がはやり始めました。

系統は違いますが、ウォリアーズのリフトアップ・スラムや投げっぱなしジャーマンの走りになったと思います。

やはり、印象深いのは、全日の最強タッグで、ランド・オブ・ジャイアンツの片割れ、スカイウォーカー・ナイトロン(2m)相手に、高速ブレーンバスターを仕掛け、見事に投げきった瞬間です!

その映像を持っている人がいたら、ください。

キッドには、ダイビング・ヘッドバットというフィニッシュ・ホールドがあったので、ブレーンバスターで、試合を決めるということはありませんでした。


4 長滞空ブレーンバスター

リック・フレアーの全盛期、持ち上げたら、持ち上げっぱなし、頭に血が上り(下がり?)、朦朧としてきたあたりに、落下します。

フレアーのブレーンバスターは、相手により、垂直に近かったり、腰から落としたり、うまく、投げられるように、調節できるところが強みです。

その変形が、ブロディの使うたたきつけるタイプのブレーンバスターですね。


パイルドライバーが、パワー・ボム、パワー・ボム・ホイップに、バックドロップが、ジャーマン、投げっぱなしジャーマンに形を変えたように、ブレーンバスターも、ジャックハマーだったり、スタイナー・スクリュー・ドライバーだったり、その時代に合わせて、一撃必殺であり続けようとしています。


ジャイアント馬場いわく、「プロレスの技なんて、最終的に、どうやって相手の頭をたたきつけるかで決まる」そうで、まさに、ブレーンバスターは、それに適した必殺技だと思うのです。

単なるつなぎ技にしておくには、惜しいような気がしませんか?