困った時のジェリコ頼み。
WWEの番組で、少し流れが澱み出すと、ジェリコの出番が、やってきます。

RAWやSDといった番組の枠、そればかりでなく、ベビーやヒールといった枠すら超えているレスラーとして、評価されています。

そんなジェリコの初来日は、意外にもFMW。
カルガリーのハート・ダンジョンで修行し、インディー団体で、実戦をつみ、ランス・ストームとのコンビで、初来日を果たしました。
チーム名の『サドン・インパクト』通りの活躍で、素顔のハヤブサやバトレンジャーと好勝負を繰り広げました。
当時の週刊プロレスでも、後カラーで、取り上げられています。

その後、メキシコに渡り、コラソ・デ・リオン(獅子の心を持つ戦士)のリングネームで、トップ入り。
ウルティモ・ドラゴンのブッキングで、WARに来日。
なぜか、冬木軍入り。
しかし、このヒール経験こそが、将来のジェリコのレスラーとしての方向性を決めた…のではないかと思います。
外道とのコンビで、ジュニアタッグチャンピオンに、また、IJチャンピオンにも君臨。
WARに無くてはならないガイジンとなります。
特筆すべきは、そのプロ意識の高さ。
日本で、活躍するために、読み書きは必須。
簡単な会話やカタカナを読むくらいのレベルになりました(太陽の人に見習って欲しい!)。

その後、ECW、WCWと、団体を渡り歩き、WWEに到達。
『一晩で、ロックとオースチンを倒した男』
『世界初の統一王者』
『世界の王』
など、確固たる地位を築き上げます。

カナダ、メキシコ、日本、アメリカ…。
様々なレスリングを体感しているジェリコは、かつてのフレアーのような、クラシカルなレスリングをベースにすることにより、世界中のどこの誰とでも、プロレスをすることができる、数少ない職人気質のレスラーです。

プロレスで行き詰まった頃に、ツィっと、リングに背を向けて、音楽活動にのめり込む。
それが、あるから、リング上では、ハイクォリティーなレスリングを披露できるのかも…。