弘前出身の怪奇ロックバンド、

人間椅子の和嶋慎治さんの自伝「屈折くん」がおもしろすぎて鳥肌がたった。

目が離せなくなって、二宮金次郎みたいに歩きながら読んだ。
こんなワクワクする本って、なかなかないよ。

決して成功物語じゃないし、
かといって、苦労自慢でもない。
でも、なんでこんなにおもしろいんだろ…
 


●だって、タイトルが「屈折くん」だよ

 

 

学生時代のいじめや劣等感が、和嶋さんを読書に没頭させ、ギターを猛練習させ、

和嶋さんを「怪獣」にしていく過程が時系列に書かれているんだけど、

和嶋さん、文章うますぎ。ジタバタしながら読んでしまった。

 


●おもしろいなと思ったところ

 

・イカ天の栄光と挫折

 

地元・弘前から逃げるように上京、

大学を卒業し、新高円寺の風呂なし四畳半のアパート暮らし、

近所の本屋でバイトをしながらバンドをつづける。

ダメもとで出てみたテレビ「イカテン」の影響で、まわりの反応が一変する。
(でも、青森でイカ天は放送されていなかったので、和嶋さん的に親孝行になったのはまた別の番組。それがまたおかしい…!笑)
 

・知られざる2年間の結婚生活

 

和嶋さんが結婚してたなんて知らなかったから、えええーー!?と思ってしまった。


・50歳にしてようやく食えるようになった喜び

 

「鉄筋コンクリートの、古いマンションだった。48にして、

 ようやく一人の力で風呂付きに住めた」えええーー!?

 

・巻末のみうらじゅんさんとの対談

 

苦労した時代を知っているみうらじゅんさんだからこそ話せるいい話だった。。。
同郷の芸人・シソンヌじろうさんとの対談も、

青森への想いが日に日に強くなることがかかれててじわっときた…!
 




↑表紙は和嶋さん、裏にはバンドメンバーの鈴木研一さん(かわいい…)!

 


 


 

↑地元・弘前の思い出スポットの写真も。

 

もっとドロドロした本を想像してたけど、
和嶋さんのまわりへの感謝の気持ちがあふれていて

読んでいて清々しい気分になった。

私が人間椅子のファンだから、青森びいきだから、

ということもあるかもしれないけど

読み終えるまでワクワクしっぱなしだった。

 

むくわれない学生時代を送った人こそ共感できる本だと思う!
 
 

屈折くん 屈折くん
 
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読み終わったあと、表紙をはがしてみてね。
もう、悔しいくらい良い本だから…!