みどり色の地球

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吉川市の図書館・図書室

図書館は私にとって特別な場所です。最近では読まねばならない本がたくさんあって、好きな本を読むという時間はあまりないのが残念です。最近の吉川市立図書館は多様なブックコーナーや企画イベントが充実しています。最近もモンゴルの絵本作家さんの素敵な企画が開催されていました。

こうした中で公立図書館と学校図書室の在り方についても大きな転換期を迎えています。
吉川市では令和7年度から第4次吉川市子ども読書活動推進計画がスタートしています。
2025年度は吉川中学校で図書管理システムが導入され、2026年度は美南小学校と中曽根小学校の学校図書室のICT化が進みます。しかし、吉川市の現状は各校ごとの独立したシステム留まっています。

先駆的な図書館
今は図書館と学校図書室をクラウドで統合し、地域全体を一つの図書館として機能させている自治体もあります。2013年に北海道の恵庭市が先駆的にスタートして、道内ではかなり進んでいます。最近では令和3年に泉大津市が同様のクラウド型図書館システムを導入しています。

泉大津市図書館「シープラ」
泉大津市は吉川市と人口規模、学校規模が同じくらいなので非常に参考になります。
公共図書館「シープラ」と 市内11校の小中学校を、データベース、貸し出しシステム、運用フローまで完全統合してます。公共図書館をハブに、市内すべての学校図書室をネットワーク化しました。
この図書館になって、令和3年の時点で年間20万にほどだった来館者が、今では30万人を超えています。これは吉川市の図書来館者数の3倍以上です。

このような統合システムの意義は、「便利さ」を超えたところにあります。地域全体で蔵書を共有することで資源の最適化が図られ、情報リテラシー教育の充実や、生涯にわたる読書習慣の形成にもつながります。つまり、図書館と学校図書室の連携は、子どもたちの学びを支える基盤そのものを強化する取り組みといえます。

吉川市のシステム化
吉川市では現在のところ各校単独のシステム化がようやく始まったところです。しかも、将来的にも統合化を見越してはいないということです。図書検索の分散や不連携は、子どもたちにとって必要な本にたどり着きにくい状況を生みます。特に図書館の活用に不慣れな子どもにとっては、こうした手間が学びへの意欲を削ぐ要因にもなりかねません。ワンストップで情報にアクセスできる環境は、学習機会を広げるうえで不可欠です。

教育委員会にとっての司書とは

図書室運営における「司書」の役割についての教育委員会の認識に課題を感じました。本来、司書教諭がカリキュラムを担い、司書が現場で子どもたちの学びに寄り添うという役割分担が求められます。特に司書は、資料探しを支援するレファレンス機能を通じて、子どもたちの主体的な学びを支える重要な存在です。しかし現状では複数校を兼務する体制や勤務条件の制約により、その機能が十分に発揮されているとは言い難いです。
今回、一般質問をしていて教育委員会における「司書」の認識が甘いと感じました。司書教諭と司書の役割の違いについて「司書教諭は国で配置が決められている。12クラス以上の学校には設置が義務付けされているが、旭・三輪野江小学校にも設置している」「司書は努力義務だ」と【配置のルール】が述べられました。確かに教育委員会としてはそういう視点に目が行くのかもしれません。

監督とコーチ
本来、司書教諭は図書館をどう利用するかというカリキュラムの策定などが求められ、司書はそのカリキュラムに基づいて管理運営をしていきます。その様を監督とコーチに例えられたりします。
司書は図書の管理だけでなく、そもそものレファレンス機能による子ども達の教育への寄り添いが大切だと思うのです。子ども達の主体的な学び・アクティブラーニングへの支援体制の強化に大いに役立てる存在です。私ももっと小さい時に司書さんが資料探しを手伝ってくれることを知っていたら、どんなに良かったかと思います。子ども達の知力が相当アップすると思います。
しかし、そうした役割に関して教育委員会からは答弁が出てこなく、そこで話が進まなくなるとは思いませんでした。

司書が常駐しないことの課題
学校図書室では、先生から図書の依頼があることもあり、それは余裕をもって一週間前とか決まっているそうですが、毎日勤務していないことで、その依頼を図書館に伝えるのが遅くなったり、スケジュール的に厳しくなることもあるようです。さらに、学校司書さんがどこにいるかわからないので、連絡とりづらいこともあるといいます。
一人一校だとそういうことも回避できます。そして、何よりも、先ほど述べたように、調べ学習などのアクティブラーニングの支援をいつでもできるといった大きなメリットがあり、子ども達の「知」の向上に大いに役立ちます。

一人で中学校区をみる
一人で中学校1校、小学校2校みるというのはALTと同じ状況です。ALTは英語の授業がメインで、授業外の仕事が、授業の準備くらいなのに対して、司書は生徒の学習支援に真剣に取り組んだのだとしたら、図書の貸出・返却・整理・選書・本の修理など、膨大な業務はできっこありません。
リファレンス機能が充分発揮できるような、カリキュラムが作られるべきだし、もし、生徒の学習伴走に重きを置いたならば、一人一校への考え方は自ずと湧いて出てくるはずです。

財政的な課題なのか
一人司書を増やすと、会計年度職員なので日数や時間で左右されますが、年間数百万円位かかるそうです。司書を増やせないなら、余計に司書の負担を軽減する学校図書室のシステム化の必要性はさらに高まる、各校早急な導入を検討いただきたいと思いました。

システムを統合するとしたら
現在使用しているのが図書館の指定管理者TRCのシステムで、司書さんの評価も高く、安価で良いようです。価格はイニシャルコストが10数万円、ランニングコストは1校当り年間10万円以下。もし横連携するシステムを入れると5倍かかってしまう。まずはこのシステムを全校に導入し、今後進化するので将来的には選択肢も出てくると思うという答弁でした。
システムの値段が想像より安価だったことに驚きました。

答弁を踏まえて考える
理想は「一校に一人の司書」を配置し、学習と連動した支援体制を整えることです。しかし人員確保には大きなコストが伴うため、現実的な対応としては、まず図書室業務の効率化を図るICT化、そして図書館とのシステム統合が重要となります。統合にもコストがかかりますが、司書を一名増やすことと比べると導入の壁は低いです。また、長期的にも教育効果の向上や運用の効率化といった面で大きなメリットが期待できます。

まとめ
公共図書館も学校図書館も見つめる先に子どもたちがいます。子ども達の教育の機会、読書機会の創出に両方からのアプローチが大切です。学校図書室と市立図書館のシステム連携にはこんなに夢が詰まっているし、学校だけのシステムではすぐに限界が来ると思います。システムの統合型は教育効果が大きく、長期的にコストメリットもあります。今から導入するなら統合前提です。せめて、未来を見据え、段階的にでも統合化をめざすべきだと考えます。