みどり色の地球

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泉大津の市立図書館SHEEPLAシープラ

泉大津市では市立図書館と学校図書とのシステム統合され、いつどこにいても同じ本にアクセスでき「まち丸ごと図書館」が実現しています。人口7万人で吉川市と同じくらいですが、来館者数は30万人と、約3倍。その理由が知りたいと思い、視察を受け入れていただきました。


ご対応いただいたのは館長の河瀬裕子さん。河瀬さんはシープラを設置する前に泉大津に引き抜かれて赴任し、これまでの図書館の概念がくつがえるような仕掛けを次々と導入されてきた方です。



驚き①民間企業とのコラボレーション
エスカレーターで図書館にあがると(真ん中あたり)、まず目に飛び込んでくるのは地元産品の販売コーナー。

図書館の一角に「ショップco-on」があり、繊維製品やお菓子が並んでいます。隣接する「ここリソース」は泉大津の産業情報を紹介しています。

   
さらに、シープラでは様々な検索ツールを入れていることも自慢で、商用データベースも充実しています。事業者が調べ物のために図書館を訪れることも日常的。商工会が相談に来た事業者に「まず図書館へ」と案内する程、図書館が地域の知の拠点となっています。

 

それには図書館の働きかけもあります。学校の先生や市職員にも調べ物は図書館に任せ、本来の職務に時間を使うよう伝えているそうです。図書館のリファレンス機能に関し、図書館自らが営業をしているのです。議会図書館の委託も受けています。

驚き②図書館と緑:ネイチャーブレイクの導入
植物は目の疲れをとり、リラックスさせるなど様々な効能があることは周知の事実ですが、館内ではミニ観葉植物を無料で貸し出ししています。利用者は館内で読書する際に横に置いたりしてネイチャーブレイクを享受しています。

 

管理メンテナンスは西日本花き株式会社が行います。図書館全体を見ても緑が多く設置されて、リラックス空間が醸し出されています。写真は「リフレッシュコーナー」で飲食することもできる場になっています。マイボトルでも使える給水機も設置。
   

驚き③図書館は静かでなくていい
「図書館では静かにね」と子どもをたしなめる風景がここでは不要です。
ビジネスサポートエリアにはオープンスペースがあり、そこで企業との連携セミナー、時には体操まで行われます。開放的な空間で、マイクを使っての講義。ぷらりと図書館に立ち寄った方が思いがけない役立つ情報を得ることができます。

 

児童書コーナは「るんるんエリア」と名前がついていて、各コーナーにも愛称がついています。
「のぼるん」靴を脱いでくつろぎスペース。お話会もオープンな場所で開催。
「つくるん」プログラミング教室や工作ワークショップ等が開催。
「たべるん」飲食可能なスペース。
   

こんな図書館だと、子ども達を連れての長居に気が引けることも、若い子が友達と一緒に来ておしゃべりをすることも躊躇する必要がありません。
 

驚き④歴史と産業を学べる空間
エレベーターからの入口には「いずみおおつエリア」があります。
市立図書館の創設の元となった近藤朴斎氏寄贈の和漢書が展示されています(「はじまりウォール」の上のガラスの中)。これは非常に価値のある書物です。
右側に泉大津の歴史。左側に産業についての展示がされています。

   

泉大津は繊維の街。特に毛布をつくる小中企業がたくさんあり、日本の毛布のシェア9割、布団メーカー「西川」においては100%を泉大津の毛布が占めています。ゆるキャラ「おずみん」が羊の理由です。

 おずみん

町中にも羊のモニュメントがたくさん見られました。

展示横のスペース「おりあみゅー」では企画展なども開催されています。

その他
▶館内には会議室が2つ、多目的室が1つあり、会議やセミナーなどの場所として有料で貸し出をしています。
▶ 一般書の棚の上に、信頼のおける検索サイトの紹介をQアールコードを付けて紹介

▶泉大津の沼を模した椅子。池や沼が多かったようです。


▶企業とのコラボ。広告による無料の生理用品の提供「OiTr」との交渉話も感心。

泉大津市の図書館は「本を読む場所」から「まちの知と交流のハブ」へと進化しています。その背景には、市長のリーダーシップ、館長をはじめとする職員の皆さんの熱意、そして市直営なのもやり易さの一つのようです。

 

吉川市の図書館も職員の皆さんの工夫と熱意が随所に感じられます。コーヒーを片手に読書ができるようになったり、様々なブックコーナーや市内情報のキャッチアップ。最近では30周年を記念し、毎日「吉川市のその日の出来事」の紹介が行われています。手間を惜しまない取組みが積み重なり、図書館のエネルギーになっています。


泉大津の事例は、図書館がどこまで進化できるか、そして、まちの可能性をどれだけ広げられるかを示す好例でした。吉川市もまだまだ進化できると、そんなヒントに満ちた視察となりました。

 

図書館の視察後、図書館の資料で見かけた泉穴師神社に行ってみました。

ご夫婦二柱の神を祀っている1350年の歴史を有する由緒ある神社で、泉州の二ノ宮として崇敬を集めてきました。夫婦別々になんて、今風ですね。
穴師の森にはご神木含め、13本のクスノキが神聖な雰囲気を醸しています。また、入り口には繊維の街を象徴した羊のモニュメントがありました。