エージェントU「以上で解約手続きは完了です。こちらが前払い金からキャッシュバックされる金額になります」
T19「ありがとうございます。我が儘を聞いて下さって、本当に感謝しています」
エージェントU「今は価値観が多様化してますし、20代では結婚を考えもしないって方は数多いです。T19様が30歳を目前に婚活にチャレンジされたこと、良い経験になったと思いますよ」
T19「そう言ってもらえると気が楽です。今年は柄にもなく恋活婚活なんてやってみて･･･何かまぁ、楽しかったですよ」
T19「17万払って恋愛の学校に通ったと考えるべきかな･･･」
スクリーム「17万帰ってきたことを喜びましょ！予算に余裕できたのよ！この機にデストロイヤーのヘッジホッグとかどう？」
T19「自分が欲しいだけだろ」
スクリーム「それは冗談として、もう節約生活する必要無いし、もっと良いもん食べようよ」
T19「ヤマザキのシュガーパンはなぁ、100円未満の菓子パン界隈では味、ボリューム共に文句無しの一品だぞ。次点でフジパンのホイップツイスト」
スクリーム「だから100円未満に拘んなくて良いの！この半年、菓子パンとUFOばっかで見てるこっちがしんどかったよ！」
てことで、格好良く言えば猛烈な敗北感と吹っ切れた清涼感の両方を持った心境、悪く言えば情緒不安定な状態で、こないだ釣りに夢中で行けなかった、鳥羽市最大の観光スポット、『鳥羽水族館』へ行って参りました！
券売機の前に立つと❝大人2800円❞の文字が目に入り「高っっっか･･･」と思わず声が･･･。
大学の頃、１番のウリがオオサンショウウオの某水族館に1550円取られて発狂した私ですが、それどころじゃねぇぞコレ。
まぁ今日の物価高騰で水族館やってくのは大変な苦労だろうし、意を決してチケットを購入。
ジュゴンの居るエリアやサンゴ礁を再現したエリアはきっとロマンチックで見応えあるんでしょうけど、デート中のカップルで溢れ返ってることが容易に想像できて精神衛生上大変好ましくないので、取り敢えずアマゾンの魚が見れるエリアへ。
ドデカい水槽の奥の方に、ただならぬ殺気を醸し出す巨大ナマズが佇んでるのを発見。
他の魚達が優雅に泳ぎ回る中ソイツだけ微動だにせず、何か不気味過ぎて感動して写真撮るも、遠くてちゃんと写らない。
「こっち泳いで来てくんないかな」としばらく水槽の前で待ってましたが、ナマズはピクリともせず。
一方ピラルクは人馴れしてるのか、巨体で目の前を旋回するせいで他の魚が全然見えないけどサービス精神旺盛でした！
続いて日本の川魚を展示してるエリアへ行ってみると、まぁガラッガラ･･･。
鳥羽まで来てわざわざアマゴやモツゴを見たい人は少ないよねぇ。川魚エリアにはお爺さんが２人と、あれ？女の子が居るで？
見た感じ私と同い位の女子が１人、オヤニラミをジッと観察してる。あの子気になるなぁ、日本淡水魚好きなのかなぁ。
しばらくしてその子が歩いて行っちゃって、私もそっと同じ道を歩きました。同じ道を歩いただけでストーカーではありません。
女の子が向かった先は古代魚エリア！アリゲーターガーの水槽を興味深そうに眺めてます。
女子がソロで水族館来て古代魚観察って格好良いなぁ！･･･と、アロワナを見るフリして横目でその子をチラ見する私T19。
心なしかアロワナの顔が呆れているように見える･･･。
やがて女の子は爬虫類エリアへ。私も直ちにそこへ行きましたが、爬虫類を見たかったからでストーカーではありません。
その子が見入ってるのはミシシッピワニ。あぁ、この子、俺と好みドンピシャだわきっと！
うわぁ話してみたいな！「怪魚とかワニとか好きなんですか？」って聞いてみたら案外気さくに答えてくれそうだけど、それができるんなら最初からマッチングアプリや婚活エージェントなんざ頼っとらんのじゃ！
変な生き物の展示エリアへ向かい、グソクムシを見つめる女の子。
以前素揚げにしたグソクムシの亡霊に体を乗っ取られ、気が付くと変な生き物エリアに居た私T19。ストーカーではありません。
虫好きの私でも不気味に感じる、フナムシが巨大化したようなグソクムシを凝視できるとは、あの子ホントに大したもんだ。
何だろう、上手く言葉にできないが･･･運命を感じる･･･マジで玉砕覚悟で１回話し掛けてみようかな･･･。
女の子が歩き出し、私も歩き出す、と、視界の隅にとある標本が入り込みました。
コレは！？本来なら８本脚なのに突然変異で56本脚に超進化したタコ！存在自体は知ってましたが、実物見るのは初めて。
成程、ベースとなる太い脚はちゃんと８本なんだ。８本脚で、指が48本あるような感じ。これだけの本数制御できるもんか？
しばしタコに目を奪われてた私T19、ハッと我に返り周囲を見渡すと、あの女の子の姿はどこにもありません。
しまった見失ったぁ！このタコ野郎に気を取られたばっかりに･･･！
タコの標本に文句言ったってどうしようもなく、その後しばらく館内を歩き回るも、あの子を再び見ることは叶いませんでした。
しかしだな･･･もし勇気を振り絞って「ど、どうも。良い趣味してますね」って声掛けたとして、「私は変わった魚好きなんです。良かったら一緒に見て回りませんか？」なんて都合の良い展開になったとは到底思えん･･･。
「何なんですかあなた。気持ち悪い。警察呼びますよ」って蔑まれるのがオチ。心に傷を負わず済んだ。これで良かったんだよ。
出口に向かって歩くと、通り掛かったエリアでアシカショーやってて、大盛り上がりで楽しそうな家族連れやカップルを目にした私は結局脳を破壊され、這這の体で鳥羽を去りました。
展示内容そのものは2800円の価値有る素晴らしさだけど、独り身の男が行くにはメンタル面での危険が伴う、それが鳥羽水。
しかしあの子、何者だったんだろうなぁ。
後日、私の管理してる鶏舎で設備が故障して、鳥の飼育ケージの上によじ登って修理をすることに。
定時になっても仕上げ切れず、先輩が「一緒に残業しよか？」と声掛けてくれたんですが、「もう１時間半あれば余裕で片付きますよ。先輩は子供さんが待ってるでしょうから、帰ってあげて下さい」とクッソ格好付けて１人残業に入った私T19。
片手にドライバー、ハンマー、プライヤーを持ち、もう片手で資材を持って移動しようとしたその時･･･足を滑らせ、バランス崩し、仰向けの体勢で空中へ放り出されたんです。
･･･取り敢えず落ち着こう。柔道で投げられた時、沢上り地磯下りで滑落した時、冷静に対処して大怪我を免れてきた。
一先ず、両手は持ってる物を離して受け身の準備だ。高さ約2.5メートル。地面はコンクリ。上手くやれば軽い打撲で済むはず。
顎を引いて頭を浮かせ、足も上げ、背中一面で着地する時に、思いっ切り両手で地面を叩く！
･･･その間僅か0.2～0.3秒。受け身のシュミレートは悪くなかったと思います。
しかしながら、落下地点にある鉄の手すりの存在が完全に頭から抜けていたことが運の尽きでした。
