それイケ! Rock and Roll Band | オトナノセカイ Records

それイケ! Rock and Roll Band

バンドGSは、80年代のヘビメタブームで人気のあったバンドのメンバーが集まって出来た、いわゆるスーパーバンドとして華々しくデビューした(再デビューかな?)

GSが所属してた事務所DCは、抱えてるバンドのリハやデモテープ製作時には必ずスタジオTを利用しており、俺もそのTでエンジニアの修行でバイトをしていた

数あるDC所属ミュージシャンの中で、何故かGSのボーカルJが一番親しく付き合ってくれていた

GSは過去の実績とデビューアルバムの成功から、事務所からは、NO.1の扱いを受けていた

GSの成功に味を占めた事務所は金儲けに走り、第二のGSを作ろうと、JJというバンドを作らせた

当然、JJデビューに向かって事務所はJJにかかりっきりになり、丁度、ツアーを終えたGSは、ベースのBが次のアルバムの曲作りをし、他のメンバーは俺のいるスタジオTでリハーサルをはじめた

JJが華々しくデビューを飾ったことに対する焦りやジェラシーもあったと思うが、Jは一向に曲の出来ないBによく苛立っていた

その後、JJが予想以上に売れたために、GSと事務所の関係も少し傾いてしまった

リハにもマネージャーがこれなくなり、ギターのSが遅刻し始め、終いにSは、来ない日も出てきだした

Bはヘビメタ界でも超有名人でJJデビューに対しても全然危機感がなく、相変わらずの曲ばかりつくり、新機軸を打ち出したいJとスタジオで口論になることもあった

それを見てマネージャーは、なまじ昔人気があってチヤホヤされてきただけに、SもBも今のGSの置かれてる立場をわかってないとグチってたが、俺はリハに来ないお前にも責任があるよと心の中で思ってた

これに嫌気をさしたドラムのMは、一生ミュージシャンでは食えないし、バンドも調子悪いし、30歳を機に大阪で実家の電気屋を継ぐからと、辞めていった

そして、ドラムを変えて出したアルバムは当然、中途半端で全く売れなかった

そのため、Jは事務所から月給10万円しかもらえなくなったと嘆いていた

一方のJJは、ベースのOが脱退し、同じ事務所のDというバンドにいたTと一緒に、北海道出身の女の子を連れてきてボーカルにして、新しくPOPなバンドをはじめたために空中分解してしまった

まあもともと、自分達の意思ではじめた訳ではないので当然なのだが

その後、GSは3年位グダグダと続けて、解散

Bは昔いた44Mを再結成したりして細々と食いつないでいる

JとSは何してるんだろうか?

Oはその時作ったJAMというバンドが大当りしてしまって、事務所も変わり、俺なんか会えない程スターになり、今でもKINKI KIDSなんかとテレビでからんだりしてる

Tは何故かDというバンドにいたことはなかったことにしたいみたいだ

結局GSとJJの8人で今でも残ってるのはOただ一人だけ

はあ、ロックンロールなんてのを職業にするのも大変だね!