ボールペンが嫌いでした。
でも、仕事ではボールペンを使わなければならず、仕方なく使っていました。
掛けなくなる事があるし、消せないし、水性ペンの方がサラサラかけるし、なんでこんなペンが世の中に沢山あるのかが分かりませんでした。耐光性など劣化しずらく、公文書などにも用いられるために、世の中にはたくさんのボールペンがあるという事なのですが、学生の頃は、シャープペンシルかその頃はやりだしたゲルインクペンか水性ペンを使っていました。
そして、自分だけではなく、クライアントさんにも使ってもらうのに地味なものや書きづらいものは嫌だなと思っていました。
そんな時、ふと手にしたボールペンがこれ。
今では正式な名前が分かりませんが、bicのクリックボールペン1.0㎜でした。普段使っていたものより太字でぬるぬるとした書き味。すごく書く事が楽しくなるようなペンで、ボールペン嫌いからボールペン好きになるきっかけとなりました。今思えば、海外ではよく使われる中字が良かったのだとも思います。太くなるとインクがぬるぬるとした滑らかな書き味で心地が良いんですよね。
雑貨屋さんで入手したこのペン。当時他では見かける事が無くて、ペンコというアメリカの会社なんだなと思い込んでいました。ですが、これは福岡の雑貨のお店「ハイタイド」さんが、アメリカに昔からある文房具メーカーという体で作った架空の会社で、ハイタイドさんのオリジナルブランド。それをビックのクリックボールペンに名入れしてあるものだと分かったのはずいぶん経ってからでした。
それがいまから10年ほど前のお話。
ビックのクリックボールペンだと分かり、文房具屋さんに行けば手に入るかと思ったのですが、その頃このペンはあまり流通していませんでした。なので、ハイタイドさんのペンコのボールペンを十数本買っては使い倒し、インクの切れた軸だけがたまっていくことに。
そのうち、替え芯が見つかったら良いかなと思っていたところ、このペン自体が廃盤になり、モデルチェンジ。現在でも流通しているクリックゴールドというシリーズになりました。ですが、このクリックゴールド、細字の0.7㎜しか出ていなかったのと、シルバーだった金属部分がゴールドになり少し敬遠していました。
そして、ようやく先日クリックゴールドの替え芯を発見したので、まあ0.7㎜でもいいかと交換しようとすると、入らない…。旧型のクリックボールペンとクリックゴールドでは芯の互換性がありませんでした。それが分かって落胆した僕は、10年とってあった昔の軸10本余りを捨ててしまいました…。今思えば、何とか自分で改造してあげればよかったと思うのですが、あまりにショックであのデザインの良い、旧型をすべて廃棄してしまいました。
そして、この間クリックゴールドを購入。最近は0.7㎜ばかりを使うようになったので、クリックゴールドを試してみようという気になりました。書いてみるととてもいい感じで、もっと前から使っていれば良かったと思うくらい。一本だけ家にとってあった旧型と並べてみると、長さもディティールも結構違っていました。デザインは旧型が良いんですが、新型の方が出来は良いかな。でも日本製のボールペンと比べると、まったく雑な出来なので、クリップ周辺のゆがみが少ないものを選ぶようにしてください。そして、クリップ根元のプラの割れはデフォルトなので気にしないように。
ビック純正で、一本150円。ちょっとお高いかとも思いますが、日本製のボールペンより筆記距離がかなり長いので、かえってお得です。そして、もっと安くてクリックじゃないのが良い方は、昔からあるビックオレンジを使ってみてください。オレンジ色の鉛筆型のボールペンです。生産国がフランスから中国、そして、チュニジアと変わり、書き味も変わってきたと言われていますが、それでもとても素晴らしいボールペンだと思います。油性ボールペンではこれが一番好きかもしれません。できれば1.0㎜を使ってみて下さい。ダイソーでも二本で100円で売っています。
そして、ハイタイドさんのペンコバージョンも入手。僕と同様、旧型ではペンコってメーカーアメリカにあるの?と問い合わせた方も多かったのかメイドインメキシコとビック製であると書かれるようになりました。それでもやっぱりこのデザインはかっこいいなぁ。
仕事は変われど、このペンはこれからも使っていきたいなと思います。
是非、お使いになってみてください。
安いボールペンの方が、その世界にグッと引き付けるものがあると思います。
ボールペン嫌いが好きになるんですから。
本国フランスではこのクリックゴールドが売ってないので、日本でまとめてフランスの方が買っていくなんて話もどこかのブログで読ませていただきました。
おしゃれで書き味も抜群のクリックゴールド、そしてビックのボールペンをお試しください。