僕の卓には眼鏡のマニアックそうな店員と熊のような若い男が座った。
開き席の山を自動で前に出す装置に驚かされたのを鮮明に覚えてる。
この店のルールは勝ちにくく、大負けしにくい印象だった。
確か箱下清算が無かった筈だ。
序盤に負けていた僕は、初トップが雀の涙程しか無かった時に途方も無い戦いであることを感じた。
一体どれほどの勢いでトップを取り続ければ前の店の負け分と合わせてプラスの向こう岸へとたどり着くことが出来るのか…。
プラスの岸は遥か遠くもう霞んでしまっている。
そうだ、小倉はどうだ。
隣の卓で打つ小倉の表情はやはり冴えなかった…。
僕が頑張るしかない。
だが、気持ちでなんとかなるほど甘く無く、鳴かず飛ばずの展開は続いていた。
徐々に負けだけが続いていく。
いよいよ夜も明け、特ダネなんかが始まる時間になり、熊男が降参し、僕の卓は終了してしまった。
結局眼鏡店員の一人勝ちである。
もはや疲労もピークだ…。
眠い…。
勝つまでやると言いたい所だったが、一生かかっても勝てない気がしてならなかったので僕は大人しく終わり、やっていた半荘で小倉も終わった。
結局僕は負け、相棒の小倉も同じ程負けた。
嫌というほど苦渋を味わい、金を疲労に替え僕達の冒険は終了した。