昨日降った大雨のせいで、足元はぬかるみ、時折吹く風が冷たく頬を刺す。
事件の手がかりである稀覯本を求め、険しい山の中腹にそびえ立つ大きな屋敷の前までたどり着いた。
その古びた屋敷は高い塀に囲まれ、正面の玄関へと続く道は頑丈な格子の門で固く閉ざされている。
日は暮れ始め、辺りは徐々に暗くなってきた。
屋敷の窓から光は漏れておらず、一見したところ人の気配は感じられない。
さぁ、あなたはどうしますか?
大きな声で、誰かいないか呼びかけてみる?
塀をよじ登って侵入してみる?
思い切り体当たりして門をこじ開けてみる?
それとも……?
皆さん、『TRPG』ってご存知ですか?
全く知らないという方でも、D&Dやクトゥルフ神話なら聞いたことがありませんか?
RPGとはRolePlaying Game(ロールプレイングゲーム)の頭文字を取ったもの。
役割(ロール)を演じる(プレイング)遊び(ゲーム)。
あのドラゴンクエストやファイナルファンタジーに代表される、自分が主人公になって物語を体験するゲームのことです。
じゃ、TRPGのTは?
TはTabletalk(テーブルトーク)
テーブルを囲んでするお喋りのことです。
つまりTRPGとは、みんなでテーブルを囲んで、お喋りしながらRPGを遊ぼう!というゲームのことなんです。

お喋りしながらってどういうこと?って思いますよね。
ゲームの進行役であり、ルールを管理するゲームマスター(以下GM)と呼ばれる役割の人と、ゲームの中でキャラクターを演じる数人のプレイヤーとで会話によって進めていくゲームです。
「じゃ、そのGMっていうのを倒せばいいんだね!」
いえいえ違います(汗)
GMはゲームを進めるためのシナリオを描き、情景を描写し、ルールを管理する。
プレイヤーは、その世界で自由に生きる。
そしてGMとプレイヤーが、みんなで協力して物語を紡ぎあげていく遊びなんです。
必要な物は、鉛筆とサイコロ。
ルールブックと想像力。

ルールブックは写真のように大判のものや、コンパクトな文庫サイズのものなど、様々な世界観、様々なルールが販売されている。
これはその中のひとつ、剣と魔法の世界を舞台にした『ソードワールドRPG』
GMはシナリオを作り、その世界でプレイヤーを遊ばせるのが醍醐味。
展開を考え、登場人物を演じ、ストーリーを結末へと導いていく。
ダンジョンでの危険な冒険や王女の悲恋、魔術師の陰謀を阻止するストーリーも、全てはGMの想像力次第。
脱線していくプレイヤーたちを導くのもGMの腕の見せどころ(笑)
プレイヤーは架空の世界に生きるキャラクターとして考え、発言し、行動する。
GMが描写した怪しい屋敷にどうやって忍び込むか考えたり、依頼人と報酬の交渉をしたり。
戦闘ひとつとっても、戦うのか、待ち伏せするのか、罠に掛けるのか。
話の分かる相手だったら賄賂を渡せば切り抜けられるかもしれません。

プレイヤーは、ゲームを遊ぶ前に自分が演じるキャラクターを作る。
プレイ後に冒険の経験値で成長させ、次回その続きを遊ぶキャンペーンと呼ばれる遊び方もある。
プレイヤーが自由に行動できると言っても全てが思い通りにいく訳ではなく、運命は小さなサイコロに委ねられています。
難しい行動の成否を判定するサイコロ。
時には難しい行動を華麗に成功させることができたり、出た目が悪いと簡単に命を落としてしまうことも。
あなたが作ったキャラクターの得意分野を活かして、仲間と協力しながら難題に立ち向かっていきます。

TRPGではサイコロを『ダイス』と呼ぶことも多い。
ルールによって、判定によって、使うダイスの種類も違う。
元々TRPGを1人でも遊べるようにと考え出されたのがコンピューターRPG。
オーソドックスな剣と魔法のファンタジーや、ホラーにSF、学園物に時代劇にウエスタン。
コンピューターRPGと同じように、TRPGにも様々な世界と様々なルールがあるんです。
架空の世界で自由に生きる。
もちろん悪いことをすれば警察に追われ、ギャングと敵対すれば暗殺者を差向けられ、強敵に策もなく切りかかれば返り討ちに合う。
想像力の数だけ物語がある。
会話の数だけ選択肢がある。
なんだかワクワクしてきませんか?
さて、皆さんなら冒頭の大きな屋敷を前にして、どう行動しますか?

GMは予め、その日遊ぶためのシナリオを用意しておく。
自作するのもGMの醍醐味だし、市販のシナリオ集も多数販売されている。プレイヤーは絶対に見ちゃダメ!
遊ぶ準備が整ったら、あとは一緒に遊ぶ仲間を見つけるだけ。
友達を誘ってみてもいいし、近所にTRPGを遊んでいるゲームサークルがあるかもしれません。
会話で遊ぶゲームなので、オンラインのチャット機能を利用して、遠くに住んでいる仲間と遊ぶこともできちゃう。
皆さんが、冒険を共にする素敵な仲間に出会えますように。

プレイの様子を演劇の台本のように書き起こした『リプレイ』も販売されている。
実際に遊んでいる雰囲気が掴め、読み物としても楽しめる。
ちなみに、ブログの中で写真に使用した物は中古で買い集めたものなので全て絶版です(;∀;)
現在はルールを刷新した『ソードワールドRPG 2.5』が発売中。