【GAMEOVER】 第五回戦「デスマッチ」

第五回戦 「デスマッチ」
どういう意味だ?
「Q,俺は死んだんだろ?」
「A,頭蓋骨陥没および複雑骨折、内臓破裂により即死でした。
詳細は伏せますが、アナタが今いるのは、死亡一週間前の世界です。
つまりアナタは一週間後に確実に何らかの形で死亡します。
アナタと同じ死亡済みの方同士で殺し合い、
勝者には、寿命の延長が与えられます。」
殺し合う?そんなモン今の法律が許すはずないだろ・・・。
最後の質問をした。
「Q,もしかしてこの時間には、まだ生きていた頃の俺が
もう一人存在するのか?」
「A,その通りです。今は、コンビニ出かけていますが
約3分後に自宅に帰ってきます。
このままでは、この時間のアナタと
鉢合わせすることになりますよ。
もしそうなればタイムパラドックスが生じて
アナタの存在自体が危うい状態になる危険性があります。」
・・・。
コレは誰かのタチノ悪いいたずらだな(笑)
と、しばらくほくそ笑んでいた。
「ガチャ」
玄関から鍵を開ける音がした。

【GAMEOVER】 第四回戦「甦生」

第四回戦 「甦生」
気が付くと、俺は自宅のベットの上にいた。
遊)なんだ・・・夢か。
一安心して起きあがろうとすると、ポケットに違和感があった。
遊)サビた携帯電話・・・。
俺は、夢の続きを見ているのか?
混乱しながら携帯を開いてみると、
俺の顔写真、生年月日、血液型・・・。
その他、俺の個人情報でビッシリ書いてある。
その中に一つ、理解不能な文があった。
「中田遊介: --残りライフ1---」
ナニコレ?
何で俺の個人情報が載ってるんだ?
俺、死んだんだろ?
何で生きてるんだよ。
様々な疑問が頭をよぎった。
メールボックスには、俺宛のメールが届いていた。
メールには
「質問を返信して下さい。アナタの疑問を3つだけ解決します。」
という謎めいた文面がある。
とりあえず質問してみた。
「Q,昨晩の出来事は全て夢だろ?」
即、返信が来た。
「A,全て現実です。」

【GAMEOVER】 第三回戦「黄泉」

第三回戦 「黄泉」
一遍に警官が2~3人屋上に上ってきた。
逃げられない。
警)そこを動くな。
警察達が近づいてくる。
背に腹は、代えられない。
遊)近づくな。飛び降りてほしいか?
と、鉄柵にまたがった。
警)まっ・・まて!!
この調子なら、逃げるのは簡単だな。
その瞬間、一人の警官が俺を取り押さえようと
飛びかかってきた。
警)$&△#。
その警官は、耳元で何かを囁くと
俺を屋上から突き飛ばした。
俺は鉄柵を超えて、屋上から真っ逆さまに落ちていった。
「俺の命は、あと一秒にも満たないのかぁ・・・。」
そう思うと不思議と「死」は怖いモノでは無かった。
「ガッシャーン!!」
俺の体は駐車していたパトカーの上に叩きつけられた。
今日、俺は死んだ。

【GAMEOVER】 第二回戦「濡れ衣」

第二回戦 「濡れ衣」
死体の足下には、血液の付いた拳銃が落ちていた。
遊)コレ殺人か?やべ・・・被害者に捕まれて、手形がくっきりだ・・・。
面倒なことになる前に、この場を立ち去ろうをしたときはもう遅かった。
警)オイ!何をしている!!
チャリのおまわりがこっちを睨んでいる。
遊)ヤッベェ!
反射的に逃げようとした。
捕まえれば問答無用で調書だ。
俺は不登校の上に成績もヤバいため
コレが学校にばれたら、一発で退学だろう。
逃げるしかない。
遊)逃げ込むなら学校しかない。入り組んでるし、
俺はここで二年以上生活しているんだ。
初めて校内に入るポリ公に比べれば、絶対に有利に立てるだろう。
俺は全速力で、学校へ走った。
校門をよじ登り、やっと校庭に入れた。
警察を振り切れたかと、振り返ってみると
なぜか、三人に増えている。
「うひょおお!!」更に全身全霊で逃げ回っていると
いつの間にか、屋上に立っていた。
振り向いてみると警察はいなくなっていた。
「逃げ切った・・・」
と、沈黙に浸っていると時
校舎手前の職員用駐車場にパトーカーが止まっているのが見えた。
警)いたぞ!!
見つかってしまった。

【GAMEOVER】 第一回戦「前兆」

第一回戦「前兆」
「人生はGAMEだ。」
俺は中田遊介、今年高校3年になった。
現在は親元を離れ、アパートで一人暮らしをしている。
学校ではあまりしゃべらない。
というか、俺はここ半年学校に通っていない
「不登校」というヤツだ。
今日も深夜、コンビニで立ち読みをしてから
人通りの少ない道を一人寂しく帰った。
家の近くの十字路が目の前にさしかかった瞬間のことだった。
「バァン!!」
鈍い「音」がオレの鼓膜を響かせた。
急いで「音」の鳴った方向に
十字路を曲がると、何か横たわる塊が目に入った。
腹部から流血している中年男性だ。
「どうせ酔っ払って電柱にでも激突したんだろう。」と思い
その男性に声をかけてみた。
遊)ダイジョブですかー?
男)・・・。
男性は、苦しそうにオレの胸倉をつかみ、
何か恨みでもあるかのような視線でオレをにらんだ瞬間、
息をしなくなった。
まさかと思い、男の胸部に耳を押し当ててみると心音が無い。
遊)死んでる・・・。
