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 さてようやくここからは特集記事になります。今日の特集は「NK細胞とがん免疫療法」にスポットを当ててみました。要するに私の興味と勉強のためでした。申し訳ありませんが、お付き合いください。

 まずはこのニュースから。


NK細胞の新培養法開発 共同通信 8/2
 
http://www.47news.jp/feature/medical/2011/08/post-562.html
 バイオベンチャー「テラ 」(東京都千代田区)は九州大と共同で、免疫細胞の一種「ナチュラルキラー細胞」(NK細胞)のがん攻撃能力を高める培養方法を開発、特許出願したと発表した。
 この方法を使うと、がん細胞などを殺傷するNK細胞中の酵素の活性を約4~10倍に高めた上に、NK細胞の数を数百倍に増やすことができる。これまで報告されている方法よりもがん細胞殺傷効果が数倍高いという。

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記事に掲載されている「テラ」というベンチャー企業、興味をひきましたので、同社のHPからニュースリリースを拾ってみました。ちなみにこの企業とは何の縁も所縁もありませんので念のため。


2011年7月4日 九州大学と共同でナチュラルキラー(NK)細胞に関する特許を出願
~高いがん細胞殺傷能力を有するNK細胞の増幅技術~

 
http://www.tella.jp/release/2011/article_20110704_316.html
 テラ株式会社(以下「当社」)は、この度、高いがん細胞殺傷能力を有するナチュラルキラー細胞(以下「NK細胞」)を増幅する新技術に関する特許を、国立大学法人九州大学(以下「九州大学」)と共同で出願いたしました。
 本技術に基づくNK細胞を用いた免疫細胞療法は、その高い殺傷能力から、高い抗腫瘍効果が期待され、効果的ながんの治療法となる可能性があります。
 NK細胞は、高い殺傷能力(細胞傷害活性)を持つ細胞で、ウイルス感染細胞やがん化した細胞を攻撃し、病気を未然に防ぐはたらきをしています。
 一方で、NK細胞はがんの免疫細胞療法に適した免疫細胞であると期待されてきましたが、これまで行われてきた研究では、効率の良いNK細胞の増幅及び活性化は技術的に困難でした。これまで論文報告されてきた増幅技術は、増幅後のNK細胞の細胞傷害活性が十分でないため、従来欧米を中心に実施されてきた臨床研究における抗腫瘍効果は低く、世界中の研究者がこの課題の克服に取り組んでいるのが現状です。
 今回、当社が九州大学と共同で出願した新技術は、非常に高い細胞傷害活性(増幅前の約10倍)を有するNK細胞を、簡便かつ約90%を越える高純度で数百倍に増幅することを可能としています。
 本技術を用いることで、NK細胞の細胞傷害活性を飛躍的に高めることにより、少ない投与回数かつ少ない細胞数で高い抗腫瘍効果が得られると考えられ、NK細胞を用いた効果的な免疫細胞療法の開発へとつながる可能性があります。
 加えて、6月28日付でお知らせした、NK細胞の大量増幅技術(特許出願中)と本技術を組み合わせることにより、これまでのNK細胞の培養における課題であった、細胞傷害活性、純度及び量の全ての点において、臨床的効果を得るために必要十分な水準にまで改善され、より効果的な免疫細胞療法の開発につながることが期待されます。

⇒ 続きはこちら
 

2011年8月2日 テラ株式会社の樹状細胞ワクチン療法の臨床成績、米国膵臓学会誌「Pancreas」にて発表 
~進行膵がんに対する抗がん剤を併用した樹状細胞ワクチン療法~

 
http://www.tella.jp/release/2011/article_20110802_324.html
 この度、テラ株式会社(以下「当社」)が提供する樹状細胞ワクチン療法※1について、進行膵がんに対する抗がん剤を併用した同療法に関する臨床成績および免疫学的解析結果についての論文が、米国膵臓学会(American Pancreatic Association)の学会誌「Pancreas(パンクレアス)」電子版(Pancreas. 2011 Jul 22.)に掲載されました。
 膵がんは難治性がんの一つで、極めて予後不良な疾患です。膵がんにおいては、多くは発見後1年以内に死亡し、発生数と死亡数がほぼ同等となっているのが現状です。進行膵がんにおいては、局所進行例では放射線化学療法が、また遠隔転移例では塩酸ゲムシタビン※2またはS-1※3による抗がん剤治療が、標準治療として位置付けられています。しかしながら、進行膵がんに対するこれらの既存の標準治療には限界があるといわれており、樹状細胞ワクチン療法は、この限界を打破する新しい治療法として期待されています。
 今回の研究では、化学療法等による治療歴のある切除不能進行膵がんを対象として、塩酸ゲムシタビンまたはS-1を併用した、WT1ペプチド※4等のがん抗原ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法について、その安全性と有効性を確認することを目的として、当社の契約医療機関であるセレンクリニック東京(東京都港区)における49例を解析した結果を報告しています。
 この49例のうち、2例では腫瘍が完全寛解・著効(CR)、5例で部分寛解・有効(PR)、10例で不変(SD)という結果が確認されました。また、化学療法と樹状細胞ワクチン療法の併用に加え、さらに活性化リンパ球療法※5を使用して治療を行った場合に、良好な治療効果がみられることも明らかとなりました。
⇒ 続きはこちら
 
【※1】樹状細胞ワクチン療法
 本来、血液中に数少ない樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの特徴を持つ物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる新しいがん免疫療法をいいます。「がんワクチン療法」のひとつであり、患者自身の細胞を用いてがん細胞だけを狙うため、副作用はほとんどないと言われています。
【※2】塩酸ゲムシタビン
 ジェムザール(R)(商品名)。膵がん、胆道がん等に対する治療薬として保険適用されている抗がん剤です。作用機序としては、DNA合成を直接的及び間接的に阻害することで、細胞死を誘発します。また、近年では免疫力を上げる作用についても報告されています。
【※3】S-1
 ティーエスワン(R)(商品名)。膵がん、胃がん等に対する治療薬として保険適用されている抗がん剤です。作用機序としては、DNA合成を直接的及び間接的に阻害することで、細胞死を誘発します。
【※4】WT1ペプチド
 WT1ペプチドとは、がん抗原(がんの特徴)と呼ばれる物質の一つです。大阪大学の杉山治夫教授等によって、ほぼ全てのがん(血液がんも含む)に存在するがん抗原であることが突き止められました。この物質を用いることによって、幅広いがん種に対応することができ、より多くのがん患者に対して樹状細胞ワクチン療法を提供することが可能となりました。
【※5】活性化リンパ球療法
 体内の異物を攻撃する役割を持つリンパ球を血液から採取し、体外でサイトカインを加えて培養することにより、リンパ球を活性化・増殖させた後、患者の体内に戻す療法。体全体の免疫力を高めることで、がんの攻撃を図る治療法です。体全体の免疫力を高める点で有用な療法である一方、がん細胞を狙って攻撃することはできないため、腫瘍に対する攻撃は非効率になると言われています。
【※6】先進医療
 最新医療技術の中で、安全性と有効性が確認され、将来的な保険適応を検討されるものとして厚生労働省が承認し、保険診療との併用が認められた医療技術です。先進医療に係る治療費用は全額自己負担となりますが、それ以外の診察、検査、投薬、入院等の費用については公的医療保険が適用され、いわゆる「混合診療」が認められます。


 ここでNK(ナチュラルキラー)細胞について触れておきます。よくご存知の方は長々とごめんなさい。まずは簡単にNK細胞について私の知識レベルのお話から入ります。

 NK細胞は白血球の一種ですが、末梢血の白血球は大きく分けて、単球、リンパ球、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)の三種類があります。これらはギムザ染色での染色のされ方により分類されます。

 単球は感染に対して免疫開始に重要であり、自走(アメーバ様運動)出来ます。細菌などの異物を細胞内に取り込み、細胞内の酵素を使って消化します。また単球は血管外の組織などに遊走し、組織固有のマクロファージ(大食細胞)に分化します。ですから広義的には単球は血管内に存在するマクロファージとも言えます。

 リンパ球には、NK細胞、B細胞、T細胞などがあります。T細胞はさらにヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、キラーT細胞に分類されます。

 好中球は細菌や真菌などの感染が発生すると遊走し、それら異物を貪食します。細菌感染症などで有意に増加します。好酸球はアレルギー反応との関係が深く、好塩基球は免疫機構に関与しているとされていますが、未だ明確な存在意義は不明です。

 また白血球が最も得意分野とする「免疫」について簡単に触れておきます。

 「免疫」は大きく分けて「細胞性免疫」と「体液性免疫」の二種類あります。

 「細胞性免疫」はいわゆる貪食や消化などにより異物を破壊するものであり、まずは単球(マクロファージ)や好中球がつかさどります。しかしウィルスなどの小さな異物や腫瘍細胞などに対しては主としてリンパ球、特にNK細胞やキラーT細胞が働きかけをします。

 「体液性免疫」は抗体(免疫グロブリン)を作ってあらゆる異物を攻撃しますが、「細胞性免疫」で得た情報をサプレッサーT細胞がB細胞やヘルパーT細胞などに伝達を行い、抗体を産生します。

 ですから「免疫」とは分かりやすく言うと、異物を認識し(自己非自己の認識)、その異物に対して特異的な攻撃(抗体)を行うシステムのことです。

 NK細胞は、腫瘍細胞やウィルス感染細胞などを傷害し死滅させるリンパ球であり、殺傷力が高く、常に体内をパトロールし、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を見つけると、単独で直接殺すものです。白血球全体の15%~20%位の割合と言われています。

 以下、NK細胞についてサイトより引用しておきます。


ナチュラルキラー細胞
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%83%BC%E7%B4%B0%E8%83%9E
 ナチュラルキラー細胞(-さいぼう、NK細胞)は、自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の1種であり、特に腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要である。細胞を殺すのにT細胞とは異なり事前に感作させておく必要がないということから、生まれつき(natural)の細胞傷害性細胞(killer cell)という意味で名付けられた。形態的特徴から大形顆粒リンパ球と呼ばれることもある。
【特性】
 NK細胞は、T細胞受容体(TCR)、T細胞普遍的マーカーであるCD3、膜免疫グロブリンであるB細胞受容体を発現していない大型の顆粒性リンパ球であり、通常ヒトではCD16(FcγRIII)とCD56、マウスではNK1.1/NK1.2という表面マーカーを発現している。
 NK細胞は定常状態でも活性化した細胞傷害性リンパ球に特徴的な形態(大きなサイズ、小胞体に富む細胞質、顆粒など)をしており、新たなタンパク質合成や再構成をほとんどせずに、そのままで細胞傷害性を示す。したがって迅速に応答できる。


ナチュラルキラー細胞(NK細胞) とは?
 
http://www.kenbijin.com/zyouhou/natural-killer.html
【ナチュラルキラー細胞(NK細胞)とは何でしょう?】
 実は、ナチュラルキラー細胞に関してはまだまだ研究途上です。その理由は、ナチュラルキラー細胞それ自体の発見が、1975年と、比較的新しいからでしょう。
 実際、私たちの体の中の「リンパ球」の70~80%は「T細胞」、5~10%が「B細胞」であることは判っていましたが、残りの15~20%の免疫細胞は長い間不明のままでした。この残りの15~20%にあたる細胞が、「ナチュラルキラー細胞」だったのです。ナチュラルキラー細胞は、1975年に米国のハーバーマン、日本の仙道富士郎教授(山形大学医学部教授:免疫学)等によって同時に報告され、その存在を知ることとなりました。
 ナチュラルキラー細胞は、NK/T細胞系列の進化において最初に生まれたリンパ球で、形態学的特徴により、大型顆粒リンパ球とも呼ばれます。
 ナチュラルキラー細胞は、すでに健康成人の末梢血中にある一定数存在し、T細胞やB細胞が抗原で刺激されてはじめて働くのとは異なり、常に体内を独自でパトロールしながら、がん細胞や、ウイルス感染細胞などを殺す頼もしい「殺し屋」です。
 つまり、ナチュラルキラー細胞は、体内を常に独自でパトロールしながら、がん細胞やウイルス感染細胞などを発見すると、たとえ攻撃指令がなくても独自に戦闘態勢に入り、強大なパワーで敵(抗原・異常細胞)を殺してしまうという性質を持っています。特に、抗腫瘍効果には抜群の威力を発揮します。
【ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の役割と働き】
 ①ナチュラルキラー細胞は文字通り生まれついての殺し屋。殺傷力が高く、常に体内を独自でパトロールし、ガン細胞やインフルエンザなど、ウイルス感染細胞や細菌を見つけると、単独で直接殺してしまう。
 ②ナチュラルキラー細胞が欠乏すると、ガン、後天性・先天性免疫不全症状、慢性疾患、感染症、自己免疫疾患、遺伝子疾患、行為障害などの疾病に罹りやすい。
 ③ナチュラルキラー細胞の活動があまり活発でない若者はガンに罹り易い傾向があり、加齢と共にナチュラルキラー細胞は減退、病原体を攻撃する機能も衰える。
 ④ストレスに継続的にさらされると、ナチュラルキラー細胞の活動が停滞しガンなどの進行が加速され、他の免疫機能に影響をおよぼす。
【ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性は加齢と共に減退する】
 ナチュラルキラー細胞は年齢によってその数が変化します。生まれたときは数が少なく、加齢にともなって増加します。20~30才の健康な人の場合、末梢血中のリンパ球に占めるナチュラルキラー細胞の割合は約10~15%くらいでが、50~60才になると、比率は約20%程度に上昇します。
 しかし、ナチュラルキラー細胞の活性(破壊能力)は、逆に、加齢とともに低下していきます。ナチュラルキラー細胞の活性化は、15歳前後をピークに加齢と共に減少傾向にあります。
 健康な人の体内では、毎日100万個ほどのガン細胞が生まれていますが、ナチュラルキラー細胞など免疫機構が正常に働いていればすぐに摘み取られ、即ガンになることはありませんが、加齢と共にその危険度は高まります。高齢になるほどガン発生率、生活習慣病の罹患率が高くなるのは、ナチュラルキラー細胞の活性化の衰えに関連しています。
【ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性を高めるためには】
 ①喫煙をひかえる
 ②適度の飲酒を心がける
 ③質の良い睡眠をとる
 ④ムリのない適度な運動(歩く)をする
 ⑤笑う
 ⑥充分な休養などでストレスをためない
 ⑦体温を下げない
 ⑧薬・抗生物質を乱用しない
 ⑨バランスの良い食事を心がける
 ⑩ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性を高める健康補助食品を利用する


 以下はかなり専門的内容が掲載されていますので、ご興味のある方だけどうぞ。


NK細胞
 
http://hobab.fc2web.com/sub4-NK_cells.htm


 最後にここからは免疫細胞療法につきご紹介します。

 免疫細胞療法として分かりやすく掲載されていたのは以下となります。他にもあるかもしれませんが、洩れていたらごめんなさい。


1. LAK療法
 
http://www.cell-medicine.com/about/immunotherapy_3.html
 インターロイキン2(IL-2)が発見されてから、これが直接リンパ球を活性化できること、その活性化リンパ球はがん細胞を殺すことが見出され、がんを殺せる免疫細胞を体外の人工的な環境下で培養して急速に増殖させ、それを体内に戻してがん治療を行うという養子免疫療法(最近は免疫細胞療法ということが多い)が開発されました。
 この治療法を開発したのは、米国国立がん研究所のスティーブン・ローゼンバーグのグループです。彼らは、培養して増やしたリンパ球全体を体内に戻すという活性化リンパ球療法(LAK療法)を発表しましたが、がん細胞を殺す能力が小さく、残念ながら大きな臨床効果が見られませんでした(ローゼンバーグ自身が失敗だったという論文を出しています)。
 後日、IL-2はがんを攻撃しないタイプのリンパ球も増殖させ、さらに、攻撃型リンパ球の邪魔をするリンパ球までも一緒に増殖させてしまうことが判明しています。


2. 細胞傷害性Tリンパ球(CTL)
 
http://www.cell-medicine.com/about/immunotherapy_4.html
 では、がんをよく殺すリンパ球を増殖させるためにはどうすればよいでしょうか。まずそのためには、リンパ球にがんの特徴を教える必要があります。攻撃目標となるがん細胞がこれだと教えて、そのがん細胞だけを殺すリンパ球が増えるように誘導するのです。
 このようながん特異的なリンパ球を増やすためには、まずリンパ球がどのようにしてがん細胞を認識しているのかを理解する必要があります。
 ヒトの正常細胞の表面には、主要組織適合性抗原(MHC:Major Histocompatibility Complex)という真ん中に大きな溝があるお皿のような分子が出ています。MHC分子には、細胞内外のタンパクから切り出された様々なペプチドが結合していて、細胞の外側に向かって表示されています。がん細胞も一般にはMHC分子を持っていて、このMHC分子を介して、自分の目印を出しています(実際には、がん細胞の中にはMHC分子を発現しなくなったものも出てきます。これが免疫逃避機構の一つだと考えられています)。
 免疫細胞のうちがんを殺せるリンパ球には、主に細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte, CTL)と、ナチュラルキラー細胞(natural killer cells, NK)があります。正常細胞になく、がん細胞だけにある「がん抗原」を目印にしてリンパ球を刺激すると、このうち、がんだけを殺す特異的なCTLが増えるようになります。特異的なCTLを増やし体内に投与するとがん治療効果も見られるため、現在でもいかにしてうまく増やすかという研究が世界中でなされています。ただし、体外で行うCTLの誘導培養は作業が煩雑な上、成功率も決して高いものではなく、実用的ではありません。臨床応用するにはまだまだ多くの課題が残されています。

3. ナチュラルキラー (NK)細胞
 
http://www.cell-medicine.com/about/immunotherapy_5.html
 がんを殺せる免疫細胞のうち、CTLは殺そうとする相手方のMHC-class I分子とその上に載った抗原ペプチドを同時に認識して、相手を殺しますが、NK細胞は逆にMHC分子を発現していない細胞を殺します。
 NK細胞の表面には、NK細胞の活性化を阻害する受容体分子(KIR)が発現しています。KIRには、MHC分子が結合できます。MHC分子を発現している細胞はNK細胞に殺されないようにシグナルを送るのです。
 正常細胞は自己であることを示すため、MHC分子を常時発現しています。NK細胞はMHC分子を発現している細胞は殺さず、MHCタンパクを発現しなくなった“ヘンな細胞”が現れれば、それを好んで殺すような仕掛けを持っているのです。
 この性質をがん治療に応用しようというのが、NK細胞療法です。しかし、これまでの経験から、 NK細胞による固形がんの治療はかなり難しいことがわかっています。

4. 樹状細胞(DC) / 樹状細胞ワクチン(がんワクチン療法)
 
http://www.cell-medicine.com/about/immunotherapy_6.html
 1990年代後半になって、組織器官を作っている主な細胞群の間に潜り込んでいる細胞で、手足をあちこちに伸ばした形をしている細胞が、免疫反応で抗原をリンパ球に提示する能力が非常に大きい重要な細胞だということがわかってきました。この細胞を体外に取り出し培養すると、シャーレの表面に張り付き、まるで木の枝が細かく張り出したような形の偽足を出します。そこで、樹状細胞(Dendritic cells)と呼ばれるようになりました。この強力な抗原呈示細胞に、がん抗原を添加し細胞表面のMHC分子に載せておくと、末梢血リンパ球から容易に CTLを誘導できることがわかりました。
 ベルギーのテリー・ブーンのグループでは、メラノーマのがん抗原ペプチドを載せた樹状細胞を(Int. J. Cancer, 63: 883-885, 1995)、F・ネッスルらはがん細胞溶解液を載せた樹状細胞を(Nature Med., 4: 328-332, 1998)、皮膚がん患者に注射し有望な治療成績が出たと発表しています。
 樹状細胞は、骨髄細胞からでも、末梢血からでも容易に培養できます。ただし、培養中ではほとんど増えません。そのため調製には大量の血液細胞の採取が必要となります。
 体外では、未熟な樹状細胞をサイトカインによって強制的に分化させ、抗原提示能力が非常に強い成熟細胞にすることができます。それに体外で様々ながん抗原を載せたり、樹状細胞に直接がん抗原遺伝子を導入したり、樹状細胞とがん細胞を融合させて大量のがん抗原を融合樹状細胞に発現させる方法が開発されてきました。これらはまとめて「樹状細胞ワクチン」といわれています。
 抗原を負荷された樹状細胞は皮下注射するだけでリンパ節に移動し体内のリンパ球を活性化させることができます。しかし最近、樹状細胞にも種類があって、もっぱらがんを殺すリンパ球を活性化するタイプと、逆にがんを殺すリンパ球の邪魔をするリンパ球を活性化するタイプがあることが判ってきました。一概に樹状細胞ワクチンを投与すればがん治療ができるというものではないのです。


高度活性化NK細胞療法
 
http://www.gan-joho.com/nk-immunity/
 高度活性化NK細胞療法とは、がん治療(癌治療)によって弱ってしまった自分のNK細胞を抽出(採血)し、それを専門の培養機器で培養・活性化させたものを再び体内へ戻すことにより、癌(がん)細胞を殺傷していく免疫療法です。攻撃能力に優れ、癌(がん)細胞に対しての殺傷性が高いNK細胞を利用したこの療法はがん(癌)に対して非常に効果も高く、QOLの維持という点でも非常に優秀ながん治療(癌治療)法といえます。高度活性化NK細胞療法には次のような特徴が挙げられます。
 ①癌(がん)細胞に対しての殺傷能力が非常に高い
 ②自分の免疫を使用して行う療法なので副作用が少ない
 ③抗原抗体反応※が無いのでどんな癌(がん)細胞にも攻撃が出来る  
 ※抗原抗体反応・・・一度認識した相手を攻撃することが出来るが、逆に認識の無い相手には攻撃ができない。