今朝も冷え込んでいましたね。通勤風景もコートを着込んだ方が多くなってきましたし、色調も黒っぽくなってきました。本日は検査当直のため、久し振りにゆったりと記事を作成しています。
今朝のニュースで先日の尖閣ビデオの投稿が神戸市内の漫画喫茶から行われたとか。個人の特定はかなり困難な状況のようですが。今回ビデオ公開については政府側があまりにも慎重な態度・・・というよりもどっちつかずの対応(隣国に気を遣いすぎ?国民の要望は?)を行っていたため、業を煮やしたどなたかが投稿という形で配信したのでしょうね。私自身がとやかく言う立場でないのは良く分かっていますが、強い日本となりたいのか、冒険を好まず平和主義で行きたいのか、とにかく中途半端です。TPPにしろ、ノーベル授賞式にしろ、最低限、諸外国から馬鹿にされない、日本国民を馬鹿にしない対応をしてもらいたいものです。
社説:尖閣ビデオ 非公開の理由は薄れた 毎日新聞 11/9
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101109k0000m070110000c.html
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影した映像がインターネット上に流出した問題で、検察当局と警視庁が捜査に乗り出した。海上保安庁が「内部調査では限界がある」として、容疑者不詳のまま国家公務員法(守秘義務)違反と不正アクセス禁止法違反の容疑で告発したのを受けたものだ。
流出映像には中国漁船が網を引き揚げるまでの違法操業行為や2隻の海保巡視船にぶつかるシーンなどが映っている。石垣海上保安部が編集して那覇地検に提出したものと同一とされており、職員が関与した可能性もある。
職員が意図的に流出させたのだとしたら影響は深刻だ。漏えいの疑いがあり、海保自身が内部調査の限界を認めている以上、「調査」を「捜査」に切り替えたのは当然である。最高検は福岡高検を主体とした捜査チームを発足させ、警視庁は検察当局と連携するという。徹底した捜査をしてほしい。
仙谷由人官房長官は8日の衆院予算委員会で、秘密保全のための法制検討の必要性を強調した。将来の法制整備の必要性を否定はしない。だが、菅直人首相が陳謝したように、政府がまず取り組むべきは情報管理体制の再構築と、動画投稿サイトを利用した新しい手口の情報流出に対する有効な対応策を早急に考えることだ。罰則強化だけに傾斜するのは問題がある。
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【産経抄】11月10日
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101110/chn1011100238000-n1.htm
報道はやはり本当だった。AP通信や小紙は、来月10日にオスロで開かれるノーベル平和賞授賞式に、中国が日本や欧米各国に大使を出席させないよう要請したと過日、報じた。民主活動家である劉暁波氏への授賞に反対してのいやがらせである。
▼まさか、中国のような大国が、他国の大使が式典に出る、出ないといった細かいことにまで口出ししないだろうと半信半疑だったが、あさはかだった。きのうの衆院予算委員会で前原誠司外相があっさり認めた。
▼授賞式は、ノルウェー国王夫妻が出席して開催され、同国駐在の各国大使も招待される。「犯罪者への平和賞授与は中国への内政干渉だ」と怒っている割には、他国への礼節もわきまえず、平気で内政干渉するところはさすが一党独裁国家だけのことはある。
▼さすがでないのは、わが前原外相と菅直人首相だ。野党議員から「出席するのか、しないのか」と問われても外相は「適切に判断する」と答えただけ。首相に至っては、むにゃむにゃと何をいってるのかわからなかった。
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今朝の報道各紙、TPPが花盛り。来年6月をめどに参加を判断するという閣議決定ですが、火急に議論、検討を行わないと日本の第一次産業は崩壊することに繋がります。消費者にとっては一時的な恩恵が得られるかもしれませんが、しっかりとした第一次産業の構造改革を行わないと、荒れ果てた農地が各地で広がってしまうことを危惧します。日本農業の抱える問題点や歴史など、かなり分かりやすく記載されているコラムをご紹介しておきます。ご興味のある方はどうぞ。
報道機関は強い日本がお好みのようですが、将来的なビジョンがあるのかどうなのか、はなはだ疑問です。良いものを後世に伝えたいものですね。
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0176.html
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/12.html
TPP:基本方針を閣議決定 参加判断「来年6月ごろ」 毎日新聞社説 11/9
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101109k0000e010046000c.html
政府は9日の閣議で、「包括的経済連携に関する基本方針」を決定した。原則すべての品目を自由化する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、「関係国との協議を開始する」と明記する一方で、国内農業への影響を懸念する与党内の慎重派に配慮し、TPP参加の判断は先送りした。菅直人首相は13、14日に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、基本方針を踏まえ、TPPへの対応を表明する。【小山由宇】
TPPに関し、基本方針では「情報収集を進めながら対応していくことが必要であり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」と記した。
同時に国内農業に配慮、農業振興や食料自給率向上策を講じる「農業構造改革推進本部」を設置し、来年6月に農業改革の基本方針を決定することも盛り込んだ。仙谷由人官房長官は9日の会見で、判断の時期は農業改革の基本方針をまとめる来年6月前後になるとの見通しを示した。
基本方針は2国間の経済連携協定(EPA)推進もうたっている。ペルー及び豪州との交渉妥結、日韓交渉の再開を記し、「取り組みを加速化する」などとした。
9日の閣議で、菅首相は「農業再生を念頭に置きながら国を開く、重大な基本方針だ。『平成の開国』で必ずプラスになる」と強調。さらに、「農業構造改革推進本部長(議長)として抜本的改革を進める」とTPPの前提となる農業改革に意欲を示し、来年度の農業関係予算充実のため、玄葉光一郎国家戦略担当相や鹿野道彦農相らによる4閣僚会合を開催することを指示した。
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TPP:協議開始、閣議決定 農業強化、展望なく 菅首相「平成の開国」 毎日新聞社説 11/10
http://mainichi.jp/select/biz/news/20101110ddm002020088000c.html
政府は9日の閣議で「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」について「関係国との協議を開始する」との基本方針を決めた。TPP交渉中のオーストラリアなど9カ国の実務者会合にこの方針を報告、同時に関税撤廃の影響を受ける国内農業の強化策に取り組む方針を示し「平成の開国」(菅直人首相)に動き出した。しかし、財政が逼迫(ひっぱく)する中、関税100%撤廃が原則のTPP交渉の最大のハードルの国内農業強化策をどこまで進められるか、見通しは立っていない。TPPを主導する米国は来年11月までにTPPの枠組みを固めたい考えで、今回先送りした参加の判断も含め、日本に残された時間は少ない。
「農業の成長産業化という攻めの政策が必要だ」。菅首相の右腕としてTPP協議を推進する玄葉光一郎国家戦略担当相は「協議開始」の閣議決定を受けた後の会見でこう強調し、TPP交渉参加の前提となる国内農業の強化に意欲を見せた。
閣議決定は党内の慎重派などに配慮しTPPへの「参加」を明記せず、国内農業の振興などの対策に取り組む「農業構造改革推進本部」を設置することを表明。農業対策を取りまとめた上で、来年6月にTPP交渉への参加の是非を決定するスケジュールを描いた。
農業の競争力強化の検討を先行させ、TPPによる国内農家への打撃を懸念する政府・与党内反対派を抑えた形だ。しかし、国内農業の強化策は一筋縄ではいきそうにない。米国などからは早くも日本に牛肉などの関税撤廃を求める声が上がっている上、日本がこれまでの通商交渉で「聖域」としてきたコメも例外扱いが認められない可能性が高い。「TPPではコメの部分開放に踏み切った93年の旧GATTウルグアイ・ラウンド合意をしのぐ農業対策が必要」(経済官庁幹部)。有効な青写真をわずか1年足らずで描けるかは分からない。
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余録:TPPの岐路 毎日新聞コラム 11/10
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
「創意工夫の精神に満ちた民族。豊富な資源と商業をはぐくむ能力。こうした日本人の能力、エネルギー、企業家精神を鑑みると、内に閉じこもる方針を改めさえすれば、世界の国々と広範囲にわたって交易のメリットを享受できるはずだ(一部略)」▲これは黒船来航の1年前に英経済誌に載った論文の一部だ。そこでは「日本は極東のイギリスになる可能性が高い」と述べられた。この文を引いた歴史家C・マックファーレンの著作(邦訳「日本 1852」草思社)はペリーの日本遠征の基礎資料になったという
▲だがペリー来航から明治新政府が改めて開国を決定するまでには16年間にわたる幕末・維新の動乱を経験せねばならなかった。さて、では菅直人首相がいう「平成の開国」が実現するまでにはどんな歳月を要するのだろう
▲原則全品目の関税を撤廃する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をめぐり、政府は参加の判断を来年6月まで先延ばしする方針を閣議決定した。その間、TPPで壊滅するともいわれる国内農業の構造改革にめどをつける一方、関係国との協議も開始するという国内外両にらみの調整を進めることになる
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TPPへの参加表明を腰砕けにするな 日本経済新聞社説 11/7
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E5E4E4E0EAEBE2E2E7E3E3E0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する意思を、明確に示せなかったのは残念だ。政府が6日夜にまとめた経済連携協定(EPA)の基本方針は、与党内の反対論に配慮した結果、TPP交渉参加についてあいまいな表現にとどまった。腰が定まらないと見なされれば、日本は門前払いにされかねない。
TPPへの日本の姿勢を表明する舞台となるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、1週間後に迫った。菅直人首相は民主党内に残る反対論をはねのけて「交渉参加」の意思をはっきり示すべきだ。
政府の基本方針は、TPPについて、まず「情報収集を進めながら対応していく必要がある」と指摘し、その上で「関係国との協議を開始する」としている。
悠長なことを言っている場合ではない。国内景気は回復にめどが立たず、尖閣諸島や北方領土をめぐる外交情勢は危機的だ。米国との連携を強くし、アジアの経済の活力を取り込む政策の実行は一刻を争う。
米国は来年秋の交渉決着を目指しており、早く交渉に参加しなければ日本の主張を協定内容に反映できない。今回の政府の基本方針の文面では、日本が何を目指しているのか世界には伝わらないだろう。
TPPへの対応は、文書の表現上の「交渉」と「協議」の違いなど小手先の細工で乗り切れる問題ではない。アジア太平洋地域に新しい貿易秩序を築く共同作業に、加わるかどうかの大きな政治判断である。
反対派には、コメを関税撤廃の例外として交渉から外す期待があるようだ。だが、現在9カ国の交渉国はすべての貿易品目を交渉の机に乗せることを参加の条件としている。
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【主張】TPP「協議開始」 玉虫色では相手にされぬ 産経新聞社説 11/8
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/101108/erp1011080313001-n1.htm
強い国造りのチャンスをみすみす逃すのか。政府が決定した貿易自由化の基本方針は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への「交渉参加」を削除し、参加判断を先送りした。農業への打撃を心配する政府・与党内の反発で迷走したあげく、玉虫色の表現になった。極めて遺憾だ。
TPPは米国が事実上主導し、関税を原則撤廃する高いレベルの自由貿易圏をめざしている。いま参加する決断を下さなければ、メンバー国から相手にされず、門前払いされる恐れもある。
国内では経済の長期低迷、外交では尖閣諸島や北方領土問題など喫緊の課題が山積している。TPP参加は成長戦略になり、日米同盟深化にもつながる。曖昧(あいまい)な姿勢を取っている暇はないはずだ。菅直人首相は強い指導力を発揮し、交渉参加を明示すべきだ。
政府が6日夜、最終決定した基本方針は、TPPについて「情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」との表現にとどまった。当初原案は「交渉参加を目指し協議を開始する」と明記する方針だった。明白な後退だ。
そもそもこんな文言で協議入りできると考えるのが甘いのではないか。参加を前提としない「情報収集」なら中国と同じである。
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さて良いものを後世に残したいといった話題はここまで。ここからは前世を振り返るというか、日本人のルーツを遺伝子レベルで解析という話題のご提供です。mtDNA、すなわちミトコンドリアDNA(ミトコンドリア内にあるDNA)のことですが、一般の方々には非常になじみの薄いものではないでしょうか?記事よりも少々詳しめに引用しておきます。
ミトコンドリアDNA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2DNA
【概要】
ミトコンドリアDNA は、ミトコンドリアの持つたんぱく質などに関する情報が主に含まれており、ミトコンドリアが分裂する際に複製が行われる。ミトコンドリアに必要な情報の一部は核DNAに含まれており、ミトコンドリアは細胞の外で単体では存在できない。また逆に細胞が必要とするエネルギーを酸素から作り出せるのはミトコンドリアの働きによっており、細胞それ自体もミトコンドリアなしには生存できない。これらのことはミトコンドリアが細胞内共生由来であるという仮説の傍証となっている。
一般にミトコンドリア病と呼ばれるミトコンドリアの異常によって起こる疾病も、ミトコンドリアDNAの異常に起因するものと、核DNAの異常に起因するものとがある。 ミトコンドリアDNAの遺伝子多型は、肥満しやすさの個体差に関係していると考えられている。 さらに、近年ではミトコンドリアDNAにおける変異が、がんの転移能に影響を与えているという報告もある。(Hayashi et al, 2008)
【特徴】
ミトコンドリアDNAは一般的にGC含量が低く(20-40%)、基本単位が数十kb程度であり、電子伝達系に関わるタンパク質、リボソームRNAやtRNAなど数十種類の遺伝子を持っている。しかしDNA分子の大きさや形状、コードされている遺伝子の数や種類などは、生物によって大きく異なる。
遺伝子地図などではミトコンドリアDNAが環状に表現されることが多い。しかし物理的に環状のミトコンドリアDNAを持つ生物は、高等動物やキネトプラスト類などごく一部に限られる。多くの生物ではDNA分子が、環状の基本構造からトイレットペーパーを引き出すかのように連続的に複製され、その結果ミトコンドリアDNAの大部分は基本単位が何度も繰り返す線状反復構造になっている。また少数派ではあるが、常に線状のミトコンドリアを持つ生物も存在している。
分子人類学:遺伝子レベルで迫る「新・人類学」 日本人のルーツ推定可能に 毎日新聞 11/9
http://mainichi.jp/select/science/news/20101109ddm016040008000c.html
日本人はどこから来たのか。この疑問に、遺伝子から迫る「分子人類学」が注目されている。細胞の小器官・ミトコンドリアのDNAを詳しく調べることにより、その人のルーツが推定できるのだ。この手法は、日本人の起源を知る研究に加えて、遺伝的特徴と寿命や体質との関係についても、さまざまな材料を提供してくれるという。【斎藤広子】
ヒトの遺伝情報は、父親と母親から受け継がれ、細胞の核の中にあるDNAに格納されている。これとは別に、ミトコンドリアにもDNA(mtDNA)があり、母親からだけ受け継いだ情報が詰まっている。
mtDNAには、一部の配列で塩基が置き換わるなどの個人差がある。同じ個人差を持った集団は特定の地域に分布するなどの特徴があり、その数は世界で100以上、日本では約20にのぼる。こうしたグループを「ハプログループ」と呼ぶ。国立科学博物館の篠田謙一・人類史研究グループ長(分子人類学)は「主要分布地域から、特定のハプログループがどこで誕生し、どのように広がったか、また配列の特徴から、いつごろ誕生したのかを探ることもできる」という。出土品や人骨の特徴から探ってきた考古学的な人類学とは異なり、遺伝子レベルで迫る新しい人類学だ。
■突然変異で分類
人類は20万年前にアフリカで誕生し、世界に広がったとされる。この間、mtDNAも突然変異を重ねてきた。ある女性のmtDNAに突然変異が起きると、その子どもは父親にかかわらず突然変異を受け継ぐ。その子孫の女性のmtDNAに突然変異が起き、受け継がれることによって、新しいハプログループが生まれる。裏返せば、同じハプログループに属している人は、究極的には同じ母親にたどり着くというわけだ。
篠田さんらの調査では、沖縄県民の4人に1人が「M7a」というハプログループに属す。それ以外の日本人(M7aは全体の約7%)に比べ目立って多い。さらに調べると、M7aのルーツは「約2万5000年前、琉球列島を中心とした地域」と推定できる。
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次はHIVについての話題。HIVは非常に変異する能力を強いウィルスとして有名ですが、AIDS発症を抑える薬物治療に関してはかなりの成果が得られ、近未来的に人類と共存できるウィルスではないかと思われます。HIVの薬物治療については以下引用のものがありますが、この薬物治療とは全く異なる機序で増殖抑制できるのでは?とかなり期待の持てる内容ですね。関連資料を以下に引用します。
エイズの薬物治療 日本薬学会
http://www.pharm.or.jp/hotnews/archives/2001/04/post_89.html
抗HIV薬の分類
1. ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
(NRTI; Nucleoside Analogue Reverse Transcriptase Inhibitor)抗HIV薬の中で最初に登場し、HIVが増殖する際、 RNAをひな型としてDNAを合成するときに必要な逆転写酵素を阻害する。現在日本ではジドブジン(ZDV=AZT)、 ジダノシン(ddI)、 ザルシタビン(ddC) 、サニルブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、ジドブジン・ ラミブジン製剤(AZT+3TC)、アバカビル(ABC)の7剤が承認されている。
2. 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
(NNRTI; Non-nucleoside Analogue Reverse Transcriptase Inhibitor)日本ではネビラピン(NVP)、 エファビレンツ(EFV)、 デラビルジン(DLV)の3剤が承認されている。
3. プロテアーゼ阻害薬
(PI; Protease Inhibitor)HIV増殖の最終段階で産生した複合蛋白(ポリプロテイン) をプロテアーゼによって特定の長さに切り分け、 ウイルスは成熟する。この複合蛋白の切断を阻害するのがPIである。 この系統の薬は、肝代謝酵素シトクロムP-450 3Aにおける相互作用の問題などがある。 現在日本では、 サキナビル(SQV)、リトナビル(RTV)、インジナビル(IDV)、ネルフィナビル(NFV)、アンプレナビル(APV) の5剤が承認されている。
Vif
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E5%85%8D%E7%96%AB%E4%B8%8 D%E5%85%A8%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
vif(Virion Infectivity Factor)は細胞質に存在し、ウイルス粒子が感染性を持つようになる因子であると考えられていた。しかしvif変異体の研究では、宿主細胞によって機能がまちまちであり、機能がはっきりしていなかった。近年の研究により、ウイルスRNAから複製されたDNAのマイナス鎖中で、シチジン残基をウラシルに変換し、レトロウイルスゲノムを破壊する細胞内因子APOBEC3Gの抑制に関与する事が判明した。詳細な機構は完全に解明されていないが、Vifが細胞自身のユビキチン-蛋白質リガーゼのいくつかと複合体を形成し、それによってAPOBEC3Gを蛋白質分解酵素の標的にし、APOBEC3Gを破壊する事で、HIV-1のゲノムがダメージを受ける事を回避させていると考えられている。
HIV増殖の仕組みを解明 エイズ新薬開発に期待 共同通信 11/9
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110801000649.html
エイズウイルス(HIV)の増殖を促進するタンパク質の働きを、京都大の高折晃史教授(血液・ウイルス学)とエイズ予防財団の泉泰輔研究員らのチームが突き止め、9日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
患者の体内でウイルスの増殖を抑えることにつなげられれば、エイズの新たな治療薬開発に役立つ可能性があるという。
HIVがヒトの細胞に感染すると、HIVがつくる「Vif」というタンパク質が活発に働き、細胞の分裂や成長を止める特定の遺伝子を、細胞の中心部にある核へ移動させる。
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さてメインニュースの前にインフルエンザの関連ニュースをお届けします。既に皆さんもご存じのように、昨年は新型インフルエンザ感染症に2000万人以上も感染したと言われておりますが、今年はなりを潜めているようで、A香港型が感染の主流(新型の二倍)となっています。これまではAソ連型が主流だったと思いますが、久し振りのA香港型流行となります。ということは、特に免疫力が低下している方や若年者、お年寄りなどは要注意ということになりますので、くれぐれもお気を付け下さい。何度も申し上げてきていることですが、感染拡大防止からもスタンダードプリコーション励行が一番大切です。
H3N2亜型 http://ja.wikipedia.org/wiki/H3N2%E4%BA%9C%E5%9E%8B
H3N2亜型(Influenza A virus subtype H3N2)は、A型インフルエンザウイルスの亜型の一つであり、H3N2、A (H3N2)とも表記される。 香港かぜを引き起こした亜型であり、A香港型あるいは香港型とも呼ばれる。
主にヒト、およびブタに感染し、ヒトとブタの間でも相互に感染する。H3N2は、他の亜型との間で遺伝子再集合によって抗原シフトを起こすことがある。
インフルエンザ、流行開始の兆し 北海道と沖縄で 朝日新聞 11/8
http://www.asahi.com/health/news/TKY201011070288.html
インフルエンザの流行開始の兆しが、北海道と沖縄県で見られることが国立感染症研究所の調査でわかった。ウイルスの型は、新型の豚インフルエンザがほとんどだった昨季と異なり、今季は今のところA香港型が多いという。
感染研が5日まとめたデータでは、最新の1週間(10月25日~31日)にインフルエンザ症状で医療機関を受診した人は、定点1医療機関あたり0.15と少ないが、都道府県別でみると、北海道1.06、沖縄県1.02で、流行開始の目安となる1を超えた。北海道は、浦河保健所管内が注意報レベルに達し、苫小牧保健所管内なども流行に入っている。
感染研の感染症情報センターの安井良則・主任研究官によると、寒さが厳しくなる北海道や東北地方は他の地域より流行入りが早く、11月、12月は要注意という。
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エジプトの鳥インフル変異か 人に感染しやすく 共同通信 11/7
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110701000295.html
鳥から人に感染し死者も出ている鳥インフルエンザウイルス(H5N1)のうちエジプトで鶏などから採取されたウイルスは、人に感染しやすいように変異しているとの研究結果を、大阪大微生物病研究所の渡辺洋平特任研究員らとエジプト・アレクサンドリア大の研究グループが7日までにまとめた。
渡辺さんは「エジプトではH5N1ウイルスの人への感染が多くなっており、その原因の可能性がある。人に感染が容易に広がるとはまだ考えられないが、注意深くウイルスを監視する必要がある」と話している。徳島市で開催中の日本ウイルス学会で8日発表する。
鳥のインフルエンザウイルスが感染する相手は通常、ウイルス表面にあるタンパク質が結合できる「鳥型の受容体」を持つ細胞に限られる。人の上部気道には人型の受容体はあるが鳥型の受容体がないため、鳥のウイルスは人に感染しにくい。
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インフルワクチン、副作用で死亡疑い…80代女性 読売新聞 11/9
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=33003
厚生労働省は8日、インフルエンザワクチンの副作用が疑われる今季初の死亡例の報告があったと発表した。
心臓病や気管支ぜんそくを治療中の山形県内の80歳代女性が、接種後に抗生物質を服用し、アレルギー性のショックを起こして死亡した。女性は10年前から毎年ワクチンを接種し、同種の抗生物質もときどき服用していたが、ショックを起こしたのは初めてという。
今季のワクチンは新型と季節性のA香港型、B型の3種混合で、すでに約2500万人分を出荷。これまでの副作用報告は162人で、このうち重い副作用は今回を含め20人出ている。
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さて本日のメインニュースに移ります。
私自身、この数年ほどは寝込むほどの風邪をひいたことがありませんし、病院勤めなもので、薬局で市販品を購入することは全くと言って良いほどありません。元々虚弱体質でしたが(--;、病院勤めをしているうちに病気に対しても人に対しても、色々なものに対して抵抗力が身についたのではないかと思います。ま、そんな話はともかく、私の場合、風邪薬と言えばPL顆粒で、必ず眠気を誘うものだと思いこんでいましたが、そんなこともないのですね。いやぁ、色々とあるものです。いやぁ、勉強になりました。
以上、神戸市営地下鉄車中からお送りしました。本日は京阪電車が列車故障のため、かなり遅れてしまいました。病院にはギリギリ何とか間に合うでしょうね。・・・間に合いました・・・![[手(チョキ)]](https://blog.so-net.ne.jp/_images_e/87.gif)
【毎日新聞社医療ナビ 2010/11/07】
風邪薬の選び方 市販品は1000億円市場。「症状別」「大人専用」など…
http://mainichi.jp/select/science/news/20101107ddm013100024000c.html
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◇常備用には総合感冒薬
◇引き始めの服用、効果的 成分少ない薬に利点も
「眠くならない」「1日2回」「のどの痛みに」--。東京都千代田区のドラッグストア「セイジョー神田神保町店」の風邪薬コーナーには数え切れないほどの商品が並び、さまざまな宣伝文句が目を引く。大崎達弘店長は「年配の方は飲み慣れた製品を選び、若い世代は薬剤師などに症状を訴え、相談する人が多い」と話す。
市販の風邪薬市場は1000億円規模で、一つのブランド名から何種類もの製品が出ていることも珍しくない。症状や生活状況に合わせて選ぶことが大切だ。
風邪は医学的には「風邪症候群」と呼ばれ、鼻やのど、気管支などに急性の炎症が起こる病気だ。8~9割はウイルス感染が原因で、鼻風邪を起こすライノウイルス、のどの痛みを伴うアデノウイルスなどがある。たいてい1週間ぐらいで自然に治るが、肺炎や熱性けいれんを引き起こすこともあり、油断はできない。
風邪薬は原因ウイルスに働くのではなく、さまざまな症状を和らげるものだ。熱や痛みには解熱鎮痛成分のアセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリンが代表的。くしゃみ、鼻水や鼻づまりに有効なのは、花粉症の治療にも使われる抗ヒスタミン成分。せきやたんにはジヒドロコデインリン酸塩やメチルエフェドリンなどの成分が使われる。
第一三共ヘルスケア経営企画部の森上智行さんによると、総合感冒薬と呼ばれるものにはこうした成分がまんべんなく含まれ、のどの痛みやせきなど11の症状に効果がある。「幅広い症状に対応し、家庭の常備薬に向いている」という。
最近はこうした常備薬タイプだけでなく、特定の症状への効果を強調する「症状別」や「大人専用」(15歳以上)の市販薬も増えている。今秋はライオンが風邪薬市場に参入、特に熱やのどの痛みへの効果を訴える大人用製品を発売した。
ただし、症状別でも、幅広い症状に対応できるように配合されている薬が多い。のど、鼻、発熱の三つの症状別タイプを先駆けて発売した武田薬品工業は「鼻水から始まってのどが痛くなる場合もあるため、症状別タイプにもいろいろな成分が必要」(広報担当)と説明する。つまりこうした症状別タイプもある意味では総合感冒薬だが、特定の症状により一層効果を示すのだという。
改正薬事法で、風邪薬の多くは副作用などで注意を要する「第2類医薬品」に分類されている。例えば、睡眠改善薬の成分としても使われる抗ヒスタミンは眠気を起こすことがあり、「高齢者では尿が出にくくなったり、口が渇くなどの副作用が表れやすい」と大正製薬セルフメディケーション開発研究所の木島春子・主任研究員。同社ではドライバーや高齢者の使いやすさを考慮し、抗ヒスタミン成分を配合しない製品も販売している。
眠くなると困る人には、葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬もある。ただし「葛根湯は体の防御機能を高めて症状を改善させるため、風邪の引き始めに飲むことが大切」(森上さん)という。
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ご来訪有難うございます
朝晩はかなり冷え込むようになってきました
寒暖の差が激しく風邪をひきやすい時期です。くれぐれもご自愛くださいませ
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今朝のニュースで先日の尖閣ビデオの投稿が神戸市内の漫画喫茶から行われたとか。個人の特定はかなり困難な状況のようですが。今回ビデオ公開については政府側があまりにも慎重な態度・・・というよりもどっちつかずの対応(隣国に気を遣いすぎ?国民の要望は?)を行っていたため、業を煮やしたどなたかが投稿という形で配信したのでしょうね。私自身がとやかく言う立場でないのは良く分かっていますが、強い日本となりたいのか、冒険を好まず平和主義で行きたいのか、とにかく中途半端です。TPPにしろ、ノーベル授賞式にしろ、最低限、諸外国から馬鹿にされない、日本国民を馬鹿にしない対応をしてもらいたいものです。
社説:尖閣ビデオ 非公開の理由は薄れた 毎日新聞 11/9
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101109k0000m070110000c.html
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影した映像がインターネット上に流出した問題で、検察当局と警視庁が捜査に乗り出した。海上保安庁が「内部調査では限界がある」として、容疑者不詳のまま国家公務員法(守秘義務)違反と不正アクセス禁止法違反の容疑で告発したのを受けたものだ。
流出映像には中国漁船が網を引き揚げるまでの違法操業行為や2隻の海保巡視船にぶつかるシーンなどが映っている。石垣海上保安部が編集して那覇地検に提出したものと同一とされており、職員が関与した可能性もある。
職員が意図的に流出させたのだとしたら影響は深刻だ。漏えいの疑いがあり、海保自身が内部調査の限界を認めている以上、「調査」を「捜査」に切り替えたのは当然である。最高検は福岡高検を主体とした捜査チームを発足させ、警視庁は検察当局と連携するという。徹底した捜査をしてほしい。
仙谷由人官房長官は8日の衆院予算委員会で、秘密保全のための法制検討の必要性を強調した。将来の法制整備の必要性を否定はしない。だが、菅直人首相が陳謝したように、政府がまず取り組むべきは情報管理体制の再構築と、動画投稿サイトを利用した新しい手口の情報流出に対する有効な対応策を早急に考えることだ。罰則強化だけに傾斜するのは問題がある。
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【産経抄】11月10日
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101110/chn1011100238000-n1.htm
報道はやはり本当だった。AP通信や小紙は、来月10日にオスロで開かれるノーベル平和賞授賞式に、中国が日本や欧米各国に大使を出席させないよう要請したと過日、報じた。民主活動家である劉暁波氏への授賞に反対してのいやがらせである。
▼まさか、中国のような大国が、他国の大使が式典に出る、出ないといった細かいことにまで口出ししないだろうと半信半疑だったが、あさはかだった。きのうの衆院予算委員会で前原誠司外相があっさり認めた。
▼授賞式は、ノルウェー国王夫妻が出席して開催され、同国駐在の各国大使も招待される。「犯罪者への平和賞授与は中国への内政干渉だ」と怒っている割には、他国への礼節もわきまえず、平気で内政干渉するところはさすが一党独裁国家だけのことはある。
▼さすがでないのは、わが前原外相と菅直人首相だ。野党議員から「出席するのか、しないのか」と問われても外相は「適切に判断する」と答えただけ。首相に至っては、むにゃむにゃと何をいってるのかわからなかった。
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今朝の報道各紙、TPPが花盛り。来年6月をめどに参加を判断するという閣議決定ですが、火急に議論、検討を行わないと日本の第一次産業は崩壊することに繋がります。消費者にとっては一時的な恩恵が得られるかもしれませんが、しっかりとした第一次産業の構造改革を行わないと、荒れ果てた農地が各地で広がってしまうことを危惧します。日本農業の抱える問題点や歴史など、かなり分かりやすく記載されているコラムをご紹介しておきます。ご興味のある方はどうぞ。
報道機関は強い日本がお好みのようですが、将来的なビジョンがあるのかどうなのか、はなはだ疑問です。良いものを後世に伝えたいものですね。
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0176.html
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/12.html
TPP:基本方針を閣議決定 参加判断「来年6月ごろ」 毎日新聞社説 11/9
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101109k0000e010046000c.html
政府は9日の閣議で、「包括的経済連携に関する基本方針」を決定した。原則すべての品目を自由化する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、「関係国との協議を開始する」と明記する一方で、国内農業への影響を懸念する与党内の慎重派に配慮し、TPP参加の判断は先送りした。菅直人首相は13、14日に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、基本方針を踏まえ、TPPへの対応を表明する。【小山由宇】
TPPに関し、基本方針では「情報収集を進めながら対応していくことが必要であり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」と記した。
同時に国内農業に配慮、農業振興や食料自給率向上策を講じる「農業構造改革推進本部」を設置し、来年6月に農業改革の基本方針を決定することも盛り込んだ。仙谷由人官房長官は9日の会見で、判断の時期は農業改革の基本方針をまとめる来年6月前後になるとの見通しを示した。
基本方針は2国間の経済連携協定(EPA)推進もうたっている。ペルー及び豪州との交渉妥結、日韓交渉の再開を記し、「取り組みを加速化する」などとした。
9日の閣議で、菅首相は「農業再生を念頭に置きながら国を開く、重大な基本方針だ。『平成の開国』で必ずプラスになる」と強調。さらに、「農業構造改革推進本部長(議長)として抜本的改革を進める」とTPPの前提となる農業改革に意欲を示し、来年度の農業関係予算充実のため、玄葉光一郎国家戦略担当相や鹿野道彦農相らによる4閣僚会合を開催することを指示した。
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TPP:協議開始、閣議決定 農業強化、展望なく 菅首相「平成の開国」 毎日新聞社説 11/10
http://mainichi.jp/select/biz/news/20101110ddm002020088000c.html
政府は9日の閣議で「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」について「関係国との協議を開始する」との基本方針を決めた。TPP交渉中のオーストラリアなど9カ国の実務者会合にこの方針を報告、同時に関税撤廃の影響を受ける国内農業の強化策に取り組む方針を示し「平成の開国」(菅直人首相)に動き出した。しかし、財政が逼迫(ひっぱく)する中、関税100%撤廃が原則のTPP交渉の最大のハードルの国内農業強化策をどこまで進められるか、見通しは立っていない。TPPを主導する米国は来年11月までにTPPの枠組みを固めたい考えで、今回先送りした参加の判断も含め、日本に残された時間は少ない。
「農業の成長産業化という攻めの政策が必要だ」。菅首相の右腕としてTPP協議を推進する玄葉光一郎国家戦略担当相は「協議開始」の閣議決定を受けた後の会見でこう強調し、TPP交渉参加の前提となる国内農業の強化に意欲を見せた。
閣議決定は党内の慎重派などに配慮しTPPへの「参加」を明記せず、国内農業の振興などの対策に取り組む「農業構造改革推進本部」を設置することを表明。農業対策を取りまとめた上で、来年6月にTPP交渉への参加の是非を決定するスケジュールを描いた。
農業の競争力強化の検討を先行させ、TPPによる国内農家への打撃を懸念する政府・与党内反対派を抑えた形だ。しかし、国内農業の強化策は一筋縄ではいきそうにない。米国などからは早くも日本に牛肉などの関税撤廃を求める声が上がっている上、日本がこれまでの通商交渉で「聖域」としてきたコメも例外扱いが認められない可能性が高い。「TPPではコメの部分開放に踏み切った93年の旧GATTウルグアイ・ラウンド合意をしのぐ農業対策が必要」(経済官庁幹部)。有効な青写真をわずか1年足らずで描けるかは分からない。
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余録:TPPの岐路 毎日新聞コラム 11/10
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
「創意工夫の精神に満ちた民族。豊富な資源と商業をはぐくむ能力。こうした日本人の能力、エネルギー、企業家精神を鑑みると、内に閉じこもる方針を改めさえすれば、世界の国々と広範囲にわたって交易のメリットを享受できるはずだ(一部略)」▲これは黒船来航の1年前に英経済誌に載った論文の一部だ。そこでは「日本は極東のイギリスになる可能性が高い」と述べられた。この文を引いた歴史家C・マックファーレンの著作(邦訳「日本 1852」草思社)はペリーの日本遠征の基礎資料になったという
▲だがペリー来航から明治新政府が改めて開国を決定するまでには16年間にわたる幕末・維新の動乱を経験せねばならなかった。さて、では菅直人首相がいう「平成の開国」が実現するまでにはどんな歳月を要するのだろう
▲原則全品目の関税を撤廃する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をめぐり、政府は参加の判断を来年6月まで先延ばしする方針を閣議決定した。その間、TPPで壊滅するともいわれる国内農業の構造改革にめどをつける一方、関係国との協議も開始するという国内外両にらみの調整を進めることになる
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TPPへの参加表明を腰砕けにするな 日本経済新聞社説 11/7
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E5E4E4E0EAEBE2E2E7E3E3E0E2E3E28297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する意思を、明確に示せなかったのは残念だ。政府が6日夜にまとめた経済連携協定(EPA)の基本方針は、与党内の反対論に配慮した結果、TPP交渉参加についてあいまいな表現にとどまった。腰が定まらないと見なされれば、日本は門前払いにされかねない。
TPPへの日本の姿勢を表明する舞台となるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、1週間後に迫った。菅直人首相は民主党内に残る反対論をはねのけて「交渉参加」の意思をはっきり示すべきだ。
政府の基本方針は、TPPについて、まず「情報収集を進めながら対応していく必要がある」と指摘し、その上で「関係国との協議を開始する」としている。
悠長なことを言っている場合ではない。国内景気は回復にめどが立たず、尖閣諸島や北方領土をめぐる外交情勢は危機的だ。米国との連携を強くし、アジアの経済の活力を取り込む政策の実行は一刻を争う。
米国は来年秋の交渉決着を目指しており、早く交渉に参加しなければ日本の主張を協定内容に反映できない。今回の政府の基本方針の文面では、日本が何を目指しているのか世界には伝わらないだろう。
TPPへの対応は、文書の表現上の「交渉」と「協議」の違いなど小手先の細工で乗り切れる問題ではない。アジア太平洋地域に新しい貿易秩序を築く共同作業に、加わるかどうかの大きな政治判断である。
反対派には、コメを関税撤廃の例外として交渉から外す期待があるようだ。だが、現在9カ国の交渉国はすべての貿易品目を交渉の机に乗せることを参加の条件としている。
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【主張】TPP「協議開始」 玉虫色では相手にされぬ 産経新聞社説 11/8
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/101108/erp1011080313001-n1.htm
強い国造りのチャンスをみすみす逃すのか。政府が決定した貿易自由化の基本方針は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への「交渉参加」を削除し、参加判断を先送りした。農業への打撃を心配する政府・与党内の反発で迷走したあげく、玉虫色の表現になった。極めて遺憾だ。
TPPは米国が事実上主導し、関税を原則撤廃する高いレベルの自由貿易圏をめざしている。いま参加する決断を下さなければ、メンバー国から相手にされず、門前払いされる恐れもある。
国内では経済の長期低迷、外交では尖閣諸島や北方領土問題など喫緊の課題が山積している。TPP参加は成長戦略になり、日米同盟深化にもつながる。曖昧(あいまい)な姿勢を取っている暇はないはずだ。菅直人首相は強い指導力を発揮し、交渉参加を明示すべきだ。
政府が6日夜、最終決定した基本方針は、TPPについて「情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」との表現にとどまった。当初原案は「交渉参加を目指し協議を開始する」と明記する方針だった。明白な後退だ。
そもそもこんな文言で協議入りできると考えるのが甘いのではないか。参加を前提としない「情報収集」なら中国と同じである。
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さて良いものを後世に残したいといった話題はここまで。ここからは前世を振り返るというか、日本人のルーツを遺伝子レベルで解析という話題のご提供です。mtDNA、すなわちミトコンドリアDNA(ミトコンドリア内にあるDNA)のことですが、一般の方々には非常になじみの薄いものではないでしょうか?記事よりも少々詳しめに引用しておきます。
ミトコンドリアDNA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2DNA
【概要】
ミトコンドリアDNA は、ミトコンドリアの持つたんぱく質などに関する情報が主に含まれており、ミトコンドリアが分裂する際に複製が行われる。ミトコンドリアに必要な情報の一部は核DNAに含まれており、ミトコンドリアは細胞の外で単体では存在できない。また逆に細胞が必要とするエネルギーを酸素から作り出せるのはミトコンドリアの働きによっており、細胞それ自体もミトコンドリアなしには生存できない。これらのことはミトコンドリアが細胞内共生由来であるという仮説の傍証となっている。
一般にミトコンドリア病と呼ばれるミトコンドリアの異常によって起こる疾病も、ミトコンドリアDNAの異常に起因するものと、核DNAの異常に起因するものとがある。 ミトコンドリアDNAの遺伝子多型は、肥満しやすさの個体差に関係していると考えられている。 さらに、近年ではミトコンドリアDNAにおける変異が、がんの転移能に影響を与えているという報告もある。(Hayashi et al, 2008)
【特徴】
ミトコンドリアDNAは一般的にGC含量が低く(20-40%)、基本単位が数十kb程度であり、電子伝達系に関わるタンパク質、リボソームRNAやtRNAなど数十種類の遺伝子を持っている。しかしDNA分子の大きさや形状、コードされている遺伝子の数や種類などは、生物によって大きく異なる。
遺伝子地図などではミトコンドリアDNAが環状に表現されることが多い。しかし物理的に環状のミトコンドリアDNAを持つ生物は、高等動物やキネトプラスト類などごく一部に限られる。多くの生物ではDNA分子が、環状の基本構造からトイレットペーパーを引き出すかのように連続的に複製され、その結果ミトコンドリアDNAの大部分は基本単位が何度も繰り返す線状反復構造になっている。また少数派ではあるが、常に線状のミトコンドリアを持つ生物も存在している。
分子人類学:遺伝子レベルで迫る「新・人類学」 日本人のルーツ推定可能に 毎日新聞 11/9
http://mainichi.jp/select/science/news/20101109ddm016040008000c.html
日本人はどこから来たのか。この疑問に、遺伝子から迫る「分子人類学」が注目されている。細胞の小器官・ミトコンドリアのDNAを詳しく調べることにより、その人のルーツが推定できるのだ。この手法は、日本人の起源を知る研究に加えて、遺伝的特徴と寿命や体質との関係についても、さまざまな材料を提供してくれるという。【斎藤広子】
ヒトの遺伝情報は、父親と母親から受け継がれ、細胞の核の中にあるDNAに格納されている。これとは別に、ミトコンドリアにもDNA(mtDNA)があり、母親からだけ受け継いだ情報が詰まっている。
mtDNAには、一部の配列で塩基が置き換わるなどの個人差がある。同じ個人差を持った集団は特定の地域に分布するなどの特徴があり、その数は世界で100以上、日本では約20にのぼる。こうしたグループを「ハプログループ」と呼ぶ。国立科学博物館の篠田謙一・人類史研究グループ長(分子人類学)は「主要分布地域から、特定のハプログループがどこで誕生し、どのように広がったか、また配列の特徴から、いつごろ誕生したのかを探ることもできる」という。出土品や人骨の特徴から探ってきた考古学的な人類学とは異なり、遺伝子レベルで迫る新しい人類学だ。
■突然変異で分類
人類は20万年前にアフリカで誕生し、世界に広がったとされる。この間、mtDNAも突然変異を重ねてきた。ある女性のmtDNAに突然変異が起きると、その子どもは父親にかかわらず突然変異を受け継ぐ。その子孫の女性のmtDNAに突然変異が起き、受け継がれることによって、新しいハプログループが生まれる。裏返せば、同じハプログループに属している人は、究極的には同じ母親にたどり着くというわけだ。
篠田さんらの調査では、沖縄県民の4人に1人が「M7a」というハプログループに属す。それ以外の日本人(M7aは全体の約7%)に比べ目立って多い。さらに調べると、M7aのルーツは「約2万5000年前、琉球列島を中心とした地域」と推定できる。
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次はHIVについての話題。HIVは非常に変異する能力を強いウィルスとして有名ですが、AIDS発症を抑える薬物治療に関してはかなりの成果が得られ、近未来的に人類と共存できるウィルスではないかと思われます。HIVの薬物治療については以下引用のものがありますが、この薬物治療とは全く異なる機序で増殖抑制できるのでは?とかなり期待の持てる内容ですね。関連資料を以下に引用します。
エイズの薬物治療 日本薬学会
http://www.pharm.or.jp/hotnews/archives/2001/04/post_89.html
抗HIV薬の分類
1. ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
(NRTI; Nucleoside Analogue Reverse Transcriptase Inhibitor)抗HIV薬の中で最初に登場し、HIVが増殖する際、 RNAをひな型としてDNAを合成するときに必要な逆転写酵素を阻害する。現在日本ではジドブジン(ZDV=AZT)、 ジダノシン(ddI)、 ザルシタビン(ddC) 、サニルブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、ジドブジン・ ラミブジン製剤(AZT+3TC)、アバカビル(ABC)の7剤が承認されている。
2. 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
(NNRTI; Non-nucleoside Analogue Reverse Transcriptase Inhibitor)日本ではネビラピン(NVP)、 エファビレンツ(EFV)、 デラビルジン(DLV)の3剤が承認されている。
3. プロテアーゼ阻害薬
(PI; Protease Inhibitor)HIV増殖の最終段階で産生した複合蛋白(ポリプロテイン) をプロテアーゼによって特定の長さに切り分け、 ウイルスは成熟する。この複合蛋白の切断を阻害するのがPIである。 この系統の薬は、肝代謝酵素シトクロムP-450 3Aにおける相互作用の問題などがある。 現在日本では、 サキナビル(SQV)、リトナビル(RTV)、インジナビル(IDV)、ネルフィナビル(NFV)、アンプレナビル(APV) の5剤が承認されている。
Vif
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E5%85%8D%E7%96%AB%E4%B8%8 D%E5%85%A8%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
vif(Virion Infectivity Factor)は細胞質に存在し、ウイルス粒子が感染性を持つようになる因子であると考えられていた。しかしvif変異体の研究では、宿主細胞によって機能がまちまちであり、機能がはっきりしていなかった。近年の研究により、ウイルスRNAから複製されたDNAのマイナス鎖中で、シチジン残基をウラシルに変換し、レトロウイルスゲノムを破壊する細胞内因子APOBEC3Gの抑制に関与する事が判明した。詳細な機構は完全に解明されていないが、Vifが細胞自身のユビキチン-蛋白質リガーゼのいくつかと複合体を形成し、それによってAPOBEC3Gを蛋白質分解酵素の標的にし、APOBEC3Gを破壊する事で、HIV-1のゲノムがダメージを受ける事を回避させていると考えられている。
HIV増殖の仕組みを解明 エイズ新薬開発に期待 共同通信 11/9
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110801000649.html
エイズウイルス(HIV)の増殖を促進するタンパク質の働きを、京都大の高折晃史教授(血液・ウイルス学)とエイズ予防財団の泉泰輔研究員らのチームが突き止め、9日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
患者の体内でウイルスの増殖を抑えることにつなげられれば、エイズの新たな治療薬開発に役立つ可能性があるという。
HIVがヒトの細胞に感染すると、HIVがつくる「Vif」というタンパク質が活発に働き、細胞の分裂や成長を止める特定の遺伝子を、細胞の中心部にある核へ移動させる。
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さてメインニュースの前にインフルエンザの関連ニュースをお届けします。既に皆さんもご存じのように、昨年は新型インフルエンザ感染症に2000万人以上も感染したと言われておりますが、今年はなりを潜めているようで、A香港型が感染の主流(新型の二倍)となっています。これまではAソ連型が主流だったと思いますが、久し振りのA香港型流行となります。ということは、特に免疫力が低下している方や若年者、お年寄りなどは要注意ということになりますので、くれぐれもお気を付け下さい。何度も申し上げてきていることですが、感染拡大防止からもスタンダードプリコーション励行が一番大切です。
H3N2亜型 http://ja.wikipedia.org/wiki/H3N2%E4%BA%9C%E5%9E%8B
H3N2亜型(Influenza A virus subtype H3N2)は、A型インフルエンザウイルスの亜型の一つであり、H3N2、A (H3N2)とも表記される。 香港かぜを引き起こした亜型であり、A香港型あるいは香港型とも呼ばれる。
主にヒト、およびブタに感染し、ヒトとブタの間でも相互に感染する。H3N2は、他の亜型との間で遺伝子再集合によって抗原シフトを起こすことがある。
インフルエンザ、流行開始の兆し 北海道と沖縄で 朝日新聞 11/8
http://www.asahi.com/health/news/TKY201011070288.html
インフルエンザの流行開始の兆しが、北海道と沖縄県で見られることが国立感染症研究所の調査でわかった。ウイルスの型は、新型の豚インフルエンザがほとんどだった昨季と異なり、今季は今のところA香港型が多いという。
感染研が5日まとめたデータでは、最新の1週間(10月25日~31日)にインフルエンザ症状で医療機関を受診した人は、定点1医療機関あたり0.15と少ないが、都道府県別でみると、北海道1.06、沖縄県1.02で、流行開始の目安となる1を超えた。北海道は、浦河保健所管内が注意報レベルに達し、苫小牧保健所管内なども流行に入っている。
感染研の感染症情報センターの安井良則・主任研究官によると、寒さが厳しくなる北海道や東北地方は他の地域より流行入りが早く、11月、12月は要注意という。
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エジプトの鳥インフル変異か 人に感染しやすく 共同通信 11/7
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110701000295.html
鳥から人に感染し死者も出ている鳥インフルエンザウイルス(H5N1)のうちエジプトで鶏などから採取されたウイルスは、人に感染しやすいように変異しているとの研究結果を、大阪大微生物病研究所の渡辺洋平特任研究員らとエジプト・アレクサンドリア大の研究グループが7日までにまとめた。
渡辺さんは「エジプトではH5N1ウイルスの人への感染が多くなっており、その原因の可能性がある。人に感染が容易に広がるとはまだ考えられないが、注意深くウイルスを監視する必要がある」と話している。徳島市で開催中の日本ウイルス学会で8日発表する。
鳥のインフルエンザウイルスが感染する相手は通常、ウイルス表面にあるタンパク質が結合できる「鳥型の受容体」を持つ細胞に限られる。人の上部気道には人型の受容体はあるが鳥型の受容体がないため、鳥のウイルスは人に感染しにくい。
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インフルワクチン、副作用で死亡疑い…80代女性 読売新聞 11/9
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=33003
厚生労働省は8日、インフルエンザワクチンの副作用が疑われる今季初の死亡例の報告があったと発表した。
心臓病や気管支ぜんそくを治療中の山形県内の80歳代女性が、接種後に抗生物質を服用し、アレルギー性のショックを起こして死亡した。女性は10年前から毎年ワクチンを接種し、同種の抗生物質もときどき服用していたが、ショックを起こしたのは初めてという。
今季のワクチンは新型と季節性のA香港型、B型の3種混合で、すでに約2500万人分を出荷。これまでの副作用報告は162人で、このうち重い副作用は今回を含め20人出ている。
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さて本日のメインニュースに移ります。
私自身、この数年ほどは寝込むほどの風邪をひいたことがありませんし、病院勤めなもので、薬局で市販品を購入することは全くと言って良いほどありません。元々虚弱体質でしたが(--;、病院勤めをしているうちに病気に対しても人に対しても、色々なものに対して抵抗力が身についたのではないかと思います。ま、そんな話はともかく、私の場合、風邪薬と言えばPL顆粒で、必ず眠気を誘うものだと思いこんでいましたが、そんなこともないのですね。いやぁ、色々とあるものです。いやぁ、勉強になりました。
以上、神戸市営地下鉄車中からお送りしました。本日は京阪電車が列車故障のため、かなり遅れてしまいました。病院にはギリギリ何とか間に合うでしょうね。・・・間に合いました・・・
【毎日新聞社医療ナビ 2010/11/07】
風邪薬の選び方 市販品は1000億円市場。「症状別」「大人専用」など…
http://mainichi.jp/select/science/news/20101107ddm013100024000c.html
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◇常備用には総合感冒薬
◇引き始めの服用、効果的 成分少ない薬に利点も
「眠くならない」「1日2回」「のどの痛みに」--。東京都千代田区のドラッグストア「セイジョー神田神保町店」の風邪薬コーナーには数え切れないほどの商品が並び、さまざまな宣伝文句が目を引く。大崎達弘店長は「年配の方は飲み慣れた製品を選び、若い世代は薬剤師などに症状を訴え、相談する人が多い」と話す。
市販の風邪薬市場は1000億円規模で、一つのブランド名から何種類もの製品が出ていることも珍しくない。症状や生活状況に合わせて選ぶことが大切だ。
風邪は医学的には「風邪症候群」と呼ばれ、鼻やのど、気管支などに急性の炎症が起こる病気だ。8~9割はウイルス感染が原因で、鼻風邪を起こすライノウイルス、のどの痛みを伴うアデノウイルスなどがある。たいてい1週間ぐらいで自然に治るが、肺炎や熱性けいれんを引き起こすこともあり、油断はできない。
風邪薬は原因ウイルスに働くのではなく、さまざまな症状を和らげるものだ。熱や痛みには解熱鎮痛成分のアセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリンが代表的。くしゃみ、鼻水や鼻づまりに有効なのは、花粉症の治療にも使われる抗ヒスタミン成分。せきやたんにはジヒドロコデインリン酸塩やメチルエフェドリンなどの成分が使われる。
第一三共ヘルスケア経営企画部の森上智行さんによると、総合感冒薬と呼ばれるものにはこうした成分がまんべんなく含まれ、のどの痛みやせきなど11の症状に効果がある。「幅広い症状に対応し、家庭の常備薬に向いている」という。
最近はこうした常備薬タイプだけでなく、特定の症状への効果を強調する「症状別」や「大人専用」(15歳以上)の市販薬も増えている。今秋はライオンが風邪薬市場に参入、特に熱やのどの痛みへの効果を訴える大人用製品を発売した。
ただし、症状別でも、幅広い症状に対応できるように配合されている薬が多い。のど、鼻、発熱の三つの症状別タイプを先駆けて発売した武田薬品工業は「鼻水から始まってのどが痛くなる場合もあるため、症状別タイプにもいろいろな成分が必要」(広報担当)と説明する。つまりこうした症状別タイプもある意味では総合感冒薬だが、特定の症状により一層効果を示すのだという。
改正薬事法で、風邪薬の多くは副作用などで注意を要する「第2類医薬品」に分類されている。例えば、睡眠改善薬の成分としても使われる抗ヒスタミンは眠気を起こすことがあり、「高齢者では尿が出にくくなったり、口が渇くなどの副作用が表れやすい」と大正製薬セルフメディケーション開発研究所の木島春子・主任研究員。同社ではドライバーや高齢者の使いやすさを考慮し、抗ヒスタミン成分を配合しない製品も販売している。
眠くなると困る人には、葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬もある。ただし「葛根湯は体の防御機能を高めて症状を改善させるため、風邪の引き始めに飲むことが大切」(森上さん)という。
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ご来訪有難うございます
寒暖の差が激しく風邪をひきやすい時期です。くれぐれもご自愛くださいませ
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