あるNPO法人が取材編集した貴重な資料が入手できた。
そこには12人のギャンブラーのリアルな記録が載っている。
とても丁寧にヒアリングされ、その内容が脚色なしに、詳細に、上手にまとめられている。
ギャンブラーは100人100色ではあるし、この資料でも男性、女性、各年代の様々なケースが取り上げられている。
その中から、「ギャンブラーが回復する」ということへのキーポイントを探り出してみた。
私の印象で抽出したものは三つ。
①、自分との深い向き合い
②、自助会への参加継続
③、早期発見、早期治療
ここで②、③は説明するまでもないそのままのこと。
大事なことは①、やはりこれが多くの事例を観察しても浮き上がってくる。
①がないと、どれだけ自助会や治療、回復機関のお世話になっても再発する印象だ。
そして、②、③のキーポイントもそれにリンクして結果的にスポイルされる感覚だ。
「自分との深い向き合い」、まさにそれこそが「地獄の門の扉を開ける」意味なのだ。
そのポイントに至ることこそが、依存症からの回復に向かう最大の重要通過点となるのだ。
「自分は問題がある。このままではダメなんだ。ここから回復しよう。」という強い主観・直観がギャンブラーの心の中に形成されることが地獄の門の扉。
そのよりどころになるのはギャンブラー自身の「心の叫び」。
その心の叫びをギャンブラーのいつもの嘘から選別し、軌跡として受け止め、やがて地獄の門までナビゲーション(手助け)し、ギャンブラーを愛する近親者の役割。
そして得られるのはギャンブラーの固い心を溶かす何らかのきっかけ、状態、空気、言葉、行動。
それこそが「底つき」という言葉の本質でもあるのだと思う。
決して容易なことではない。しかしその到達点(地獄の門)こそが、回復の本物の道筋に繋がる。
その後の回復の道筋は多くの回復者たちから示されている。
「心を開く。歪んだ自分を認識する。その歴史を振り返る。」
「苦しかった地獄の正体がわかってくる。地獄を声にして吐き出す。自分を受け止めてもらう。」
「自分で自分が受け入れられてくる。自分の周りが見えてくる。感謝と共感の気持ちが持てる。」
「自尊心を取り戻し、ありのままの自分の足で立っていける心境が形成されていく。」