先日、大王製紙前会長 井川意高さんの、再び熔けるを購入して読みましたが、そこで、ソウルのウォーカーヒル（中国人のお客さんが多く、騒がしいところですね）だったと思いますが、バカラで勝っている客はいるかと店の人に聞いたところ、（常連の中ででしょうけど）2人いる。一人はいつも１０００万くらい持ってきて100万勝って帰る客と、もう一人はバンカーばかり賭けて勝っている客の2人だとのことでした。
井川さんのように長くしていると、勝ち続けたり、負け続けたり、10連勝や１０連敗なんかも良く起こります。（バカラでは正確ではないですが、おおまかに1/2の１０乗で１０２４分の１で１０連勝や１０連敗も起こります）自分は、高校や大学では麻雀を長くしていて、地和（7万分の１）の後、四暗刻（2000分の１）が連続で出たことがありますが、麻雀を延べ数ヶ月くらいはしていたので、1日30半荘ｘ半荘1回１０局（として）ｘ200日＝6万局していれば、才能に関係なくそれ位は起き得ると思います。
直感で長期間多額に賭ければ、長期的にはズブズブ行くのが数学的に明らかです。井川さんが、ゴールドコーストだったか、最初のバカラゲームで100万を2000万に増やしたのを自分の才能であると確信したのではと思います。しかし、100万が０にならずに運よく２０倍になるという事象はどれくらいの確率で起こるか、考える必要があります。
バカラで元手が０にならずに倍になる確率は、プレイヤー1発勝負なら４９％弱です。そこからもう1回全掛けすれば、4倍になりますが、確率は２４％程度、更に8倍になる確率は１２％弱、16倍になる確率は６％弱、おおまかな計算ですが２０倍までいく可能性は４％台だと思います。つまり25人に一人位は偶然でも起こりうることです。全掛け5連勝で32倍（プレイヤーなら）です。
私の聞いた話ですが、大学生がラスベガスに休暇に来て数字合わせのＬＯＴＴＯのようなくじで１０万ドル当てて、そのまま大学を中退してラスベガスでギャンブルを続け、２－３年でお金を使い果たし、その後長年にわたり掃除夫をしながらカジノに毎日通っていたという男性の話がありました。ビギナーズラックから、自分に才能があると勘違いして、ギャンブルは数学（確率）であり、長くすればするほど確率通りに収束していく事実を認められないのだと思います。
（井川さんは生まれた環境とか経歴とかから自分がスペシャルな人間だと思って生きてきたのは当然かもしれませんが）、最初の体験が影響してはまったんでしょうね。どうせ勝負するなら、米国株とかにしとけば良かったのに。
バカラはカウントしないとバンカーの期待値はマイナス１．０６％で、プレイヤーの期待値はマイナス１．２４％、カウントして、稀にしか出現しない大きな偏りが出現しても期待値がプレイヤーがマイナス０．８％台、バンカーがマイナス０．７％前後くらいしかいかない不利なゲームので、自分はコンプとかの条件やブラックジャックのテーブルが空いていない（一人でやるとカウントが悪い時に抜けられないのでやらない）などで稀に小数回プレイするだけですが、果たしてバカラ勝ち逃げは可能でしょうか？
井川さんの話に出てくる前者は、沢山元金を持っていき、チビチビ賭けて、勝てばそのまま帰り、負ければレートを上げていくという方法でしょう。期待値の低いバカラで、そのようにして勝つには、ついてなくても切れずにコツコツ長時間やって、コンプ（ポイントバックや交通費、宿泊費のサービス）なども貰い、大負けしない、大賭けしないで引き際能力が高ければ可能かもしれませんが、超長期では、難しいと思います。
後者のバンカー賭けで勝つ方法についてですが、バカラは、オイチョカブに似てますが、どちらかが1の位が８，９になり2枚ずつで終わる場合（ナチュラル）と3枚まで引く場合があり、3枚目を引く条件の違いから、ルール上バンカーの方が有利ですがバンカーのみ５％を控除されます。5%控除されても、バンカーの期待値はマイナス１．０６％で、プレイヤーの期待値はマイナス１．２４％なのでわずかにバンカーが有利です。このマイナス１．０６％というのは、マカオ（ランニングシャッフルマシーンですが）とかでの、ブラックジャックのベーシックストラテジー（カウンティングなし）の期待値より厳しいです。１－４のローカードがシューに多く残っているとプレイヤー有利、５－８が残っているとバンカー有利となりますので、バンカーに賭け続けて勝つには、定額のベットでなく、多分１－４が先に沢山出てバンカー有利の時や、バンカーが運よく連勝しているときに掛け金を増やして、その他はかけ金を減らしたり、見（かけずに様子見）なども使うのではと予想します。それでも、毎回勝つのは難しそうですね。
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