結構な勢いで話を聞いて欲しいとやってきたのは戸波という女子生徒だ。
気は強い方だが比較的いろんな生徒とうまくやっているようには普段は見えていた。
「先生、聞いてや!」とかなりご立腹
「準備一緒にやろうなって言ってたのに、先に作り始めててさ。
こっちは必要なものとか買いに行ってたのにあるものでさっさと作って
途中まで作ってどっかいって投げ出されてん、どう思う?」
とかなり馴れ馴れしいというか怒りのこもった言い方だった。
いつも一緒にいる4人グループでのちょっとした行き違いのようだ。
どうやら、教室の外側、廊下側の飾りつけや装飾を一緒にやる約束をしたらしい、4人で。
で、色々と買い出しが必要となって、戸波ともう一人が一緒に買い出しに行った。
その間に、適当に作りかけて帰ってしまったことに腹を立てていたようだ。
帰ってしまった2人は、とてもそんな風なことをしていい加減にするような生徒ではなかったので
「何か事情があったかもしれしれへんで、とりあえず明日にでも聞いたら?」
と戸波に話すと、どうしたことか、かなり怒りを露わにして
「なんでなん!こっちはわざわざ買い出しいって走り回ってたのに、なんでむこうの肩をもつん!?
おかしいやん、どう見たって。約束したのにさっさと帰ってる方が絶対悪いやん!」
火に油を注いだのかさらに、
「おかしいんちゃうん、何言うてんるん?は?って感じ、もうええわ!」
と暴言にも近い感じで言われてしまった。
僕は、こいつら!と思いながらムカつきまくっていたが
「言い過ぎやろ!どっちが悪いかはどっちからも聞かんと別れへんやろ!」と
ついつい強い口調で言ってしまった。
そしたら、戸波は目に涙を浮かべ怒りを抑えられないのと
「何で分かってくれへんの?」という感じで僕をにらみ、プイっと後ろを向いた。
一緒にいた生徒と「なんなん、光月!ムカつくわ」とぶちぶち言って去っていった。
その向こうに庭田先生がこちらを見ていたのか、生徒が去る様子を見て通り過ぎて行っているのが見えた。
もう、何が何だかわからない怒りが僕の中に沸き上がった。
「あそこまで言われなあかんか!」と。
今後のあの子らの関係を気遣って
うまくいくように相手のことを察してほしいと伝え、関係改善の糸口を作ろうとしたし
教育的にも悪い指導ではなかたっと思うけどなぁーーーーとむしゃくしゃしながら帰路についた。