思い出のマーニー 感想(ネタバレ注) | ガンバ大阪サポーターによるサッカー&WCCF

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今回はWCCFは全く関係なく、先日見に行った思い出のマーニーの見た人用の感想です

主人公は都会で暮らす絵を描くのが好きな12歳の少女・杏奈。幼い頃に両親を亡くし、養父母と一緒に暮らしているが、ある出来事がきっかけで心を閉ざしてしまい、学校でもいつもひとりぼっち。そんな杏奈が悪化するぜんそく療養のため、養母・頼子の親戚が暮らす北海道の小さな海辺の村でひと夏を過ごすことになるところから物語は展開。やがて、ミステリアスな少女マーニーと出会い、杏奈が成長していくというお話です
見所としてら所々に伏線をはっておき二人の交流のなかで徐々に二人の秘密が浮かび上がってくるという展開、背景の美しさ、杏奈の変化を表情や笑うタイミング、友達の有無で表現するといった部分でしょうか



・不器用でせっかくの好意に対して優しくできなかったり友達ができない、そんな自分が嫌いといういかにも思春期の子供という子が主人公で、女の子ではありますが若干ボーイッシュな顔をしてますし男女ともに感情移入しやすいキャラを主人公をしてるのが今までの1番の違いなのかなと思いながら見てましたが

最初→ほぼ無表情
引越し直後→驚き顔などはあった
マーニーに出会った直後→でも自分からは笑わない
その後→自分から笑えるようになった

といったことで杏奈の内面の変化を表現してました。小説でも「表現で暗示的に説明する」とすることでただナレーション的に説明するより、気づかせることによって読者が深く入っていけるようにしてますが(例えば、夜、私は疲れ切っていたがその日は珍しく電車が空いていたため座ることができた、と書くことで私が会社帰りでいつもその電車に乗ってることを説明するということ)それがこの思い出のマーニーでは非常に秀逸だったと思います
またマーニーを通じて久子やさやかといった友達ができたという変化を見せつつも、ふとっちょデブと言った委員長とはまだ壁がある感じも見せて、まだ変化の途中であることを暗示させたのは面白かったですね。まあきっと来年の夏には委員長とも仲良くできるようになってるんでしょうね

杏奈は両親がいない+養母が自分の養育費を国からもらってることによる引け目(?)
マーニーは両親が自分にかまってくれない+お手伝いさん達が自分をいじめる
といった境遇にいて2人とも「私があなたならよかったのに」といかにも思春期の子がいいそうなセリフを言ったことも印象的でした。ないのもねだり、隣の芝は青い的なことだと思いますが、どちらの両親(養母)も自分を愛してくれてることには変わりないということは明らかであり、これは監督からのメッセージでしょう



・湿っ地屋敷にはお化けがでるというセリフや夢などからどう考えてもマーニーは現実の存在とは最初から思えず、「幽霊?妄想?」などと考えながら見ると思いますが、各地に正体に関する伏線が散らばっていて、久子さんの話を聞いたところで気づける構成になってます
杏奈の目の色や回想でマーニーと同じ歌を歌ってる女性の存在から、血縁者であるという伏線もありましたが、どう見てもマーニーそっくりの人形を回想の中で杏奈が持ってたので、マーニー=人形説に支配され、最後まで気づけないように工夫されてます。結局あの人形がなんなのかは言及されてませんが、製作者の意図としては偽伏線、設定的にはおばあちゃんが自分そっくりの人形を買ってあげたということにでもなるんでしょうね


・セリフのニュアンスというかなぜそう言うのかという部分もかなり作り込まれていて
マーニー「今まで出会った女の子の中であなたが1番好き」
→かずひこの存在ゆえこういう言い方になった
杏奈「今まで出会った人の中であなたが1番好き」
→友達少ないから
が個人的には1番印象に残ってる場面ですかね



・そして何よりこの映画は作画が非常に素晴らしく、単純な背景から表情の細やかな描写までがどれも繊細かつ動きがあるため物語に引きずりこまれてしまいます。ホント映画の印象を何段階も上げてくれました。特にトマトはホントに美味しそうでしたよ

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・不満としては、杏奈がサイロのことでマーニーを裏切り者といったこと
一応私というものがありながらマーニーがかずひこと帰ってしまったことでそうなったのだと思いますが、なぜ裏切り者になるのかちょっと説明不足で?な人も多かったと思うでそこくらいですね。
声優に不満がある人も多いみたいですがそれに関しては私はジブリ派の考え方なのでむしろよかったです



・主題歌の「Fine On The Outside」の歌詞が杏奈の境遇に、歌の雰囲気がこの映画の雰囲気にとてもmatchしていていいです!


I never had that many friends growing up
So I learned to be
Ok with
Just me, just me, just me, just me
And I’ll be fine on the outside

I like to eat in school by myself
Anyway
So I’ll just stay
Right here, right here, right here, right here
And I’ll be fine on the outside

So I just sit in my room after hours with the moon
And think of who knows my name
Would you cry if I died
Would you remember my face?

So I left home, I packed up and l moved
Far away
From my past one day
And I laugh, I laugh, I laugh, I laugh
And I sound fine on the outside

Ha ha ha…

Sometimes I feel lost, sometimes I’m confused
Sometimes I find
That I am not alright
And I cry, and I cry, and I cry….

Ha ha ha…

So I just sit in my room after hours with the moon
And think of who knows my name
Would you cry if I died
Would you remember my face?




とまとまりの文章になってしまいましたが要は
・絵が上手い
・内面の表現が巧み
・音楽もぴったし
・謎が後半に向かうにつれ解けていく
ということです
個人的なオススメ度をつけるなら満点、つまりはすごくオススメということです。あまり夏であることには意味はないように思われますが、夏的な描写もたくさんあるので今見たほうがより楽しめるのかなと思います
ああ、あと一回見て全てを理解するのは難しい映画で「わからない」という部分もでで来るので何回でも見れる良作で単純な駄作とは深みが違います


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