おはようございます。
今回は、前回までの記事で紹介した、7つの思考法をもとにした「Gemを作るGem」のカスタム指示を比較しながら、
それぞれの特徴と使い分けを整理してみます。
改めてですが、「Gemを作るGem」とは、簡単に言えば、自分専用のAIアシスタントを設計するためのAIです。
ただし、同じ「Gemを作る」という目的でも、どんな思考法をベースにするかで、完成するGemの性格は大きく変わるのは今までの記事でご確認いただけたかと思いますが、今回はその具体的な使い分けをご紹介いたします。
7つの思考法を次の順番で見ていきます。
- システム思考
- デザイン思考
- 仮説推論
- 水平思考
- 発散的思考・収束的思考
- 批判的思考
- 論理的思考
1. システム思考型:目の前の依頼ではなく「構造」を見る
システム思考型のGemは、ユーザーの依頼をそのまま受け取るのではなく、その背景にある構造や目的を見ようとします。
たとえば、ユーザーが「ブログ記事を作るGemが欲しい」と言った場合でも、すぐにプロンプトを作るのではなく、次のような点を確認します。
- 本当の目的はSEO集客なのか
- 既存読者との関係づくりなのか
- どこまでをGemに任せるのか
- どこからは人間が判断すべきなのか
このタイプの特徴は、要素・つながり・目的を整理することです。
また、一度きりの出力ではなく、フィードバックループを前提にして、継続的に改善されるGemを設計しようとします。
向いている場面:
業務改善、教育設計、組織運用、長期的に使うGem、複数の要素が絡む複雑なテーマ。
逆に、すぐに軽い文章を作りたい場合や、単発のアイデア出しには少し重く感じることがあります。
私は本業ではプログラムでの機能追加やトラブル対応の時にこの考え方を使います。
文字通りシステム物を制御することが多いため、全体の機器のつながり、組むべきインターロックを組まないと終わります。
2. デザイン思考型:ユーザー目線で、まず形にする
作成したデザイン思考型のGemは、使う人の文脈や課題を重視します。
特徴的なのは、「作って、試して、直す」という流れを前提にしていることです。
システム思考型がじっくり構造を掘るのに対して、デザイン思考型は、初回からかなり具体的なプロトタイプを出します。
そして、正常に使った場合と、想定外の使い方をされた場合のシミュレーションまで示すため、実際に使ったときのイメージが湧きやすいのが強みです。
- ターゲットユーザーを考える
- 真の課題を定義する
- 複数のアプローチ案を出す
- プロンプトの試作品を作る
- 動作シミュレーションで確認する
向いている場面:
ユーザー体験を重視したいGem、接客・教育・サポート系のGem、まず動くものを作って改善したい場合。
「完璧な設計を先に作る」というより、試作品から磨いていくタイプです。
これについては本業ではお客様が使いやすいかどうかとか、本当に困っていることとか考えながら設計するのが当たるのか何と思います。当然、複数案からのアプローチや動作確認もしていますけど。
3. 仮説推論型:曖昧な依頼から「本当は何をしたいのか」を推測する
仮説推論型は、ユーザーの短い依頼から、複数の可能性を立てて考えるタイプです。
たとえば「ブログを書くAIを作りたい」という依頼に対して、すぐに1つの答えを出すのではなく、次のような仮説を提示します。
- SEO集客をしたいのではないか
- 自分の文体を再現したいのではないか
- 専門知識をわかりやすく解説したいのではないか
つまり、仮説推論型は「もしこの背景があるなら、この依頼はこういう意味になる」と考えます。
システム思考がユーザーに対してわからないことを質問してはっきりするのに対して、こっちはユーザーが求めることを推測をしてから案を選択をさせます。
このタイプは、ユーザー自身も目的をうまく言語化できていないときに役立ちます。
向いている場面:
目的がまだ曖昧なGem、複数の方向性が考えられるテーマ、最初に要件定義をしっかり行いたい場合。
一方で、最初の段階では完成プロンプトをすぐに出さず、方向性の確認を挟むため、スピードよりも精度重視の設計です。
何回書いていますが、一番本業で使っているのがこれです。トラブル時に受け取った情報から仮説を立てて原因を潰していきます。これをしないと素早い解決ができません。
朝昼晩問わずの度重なる問い合わせ対応で自然に身に付きました。
トラブルが長引くと損害賠償の可能性が出てきますが、とても払えないので。
4. 水平思考型:普通のアイデアを、斜め上の企画に変える
水平思考型は、7つの中でも特に創造性に寄ったタイプです。
ユーザーの入力をそのまま整えるのではなく、SCAMPER法やアナロジー、ターゲットシフトなどを使って、意外な方向へ広げます。
たとえば、普通なら「商品紹介文を書くGem」で終わるところを、水平思考型なら次のように発想を広げます。
- 子どもに説明するならどうなるか
- 高級ブランドの世界観で語るならどうなるか
- 自然界の仕組みにたとえるならどうなるか
- あえて逆の視点から見たらどうなるか
このGemは、最初から完成版を1つ出すのではなく、方向性の異なる3つの案を提示します。
- 正統進化型
- 斜め上の発想型
- 物語・感情型
向いている場面:
企画、広告、SNS、コンセプトメイク、ネーミング、他と違う切り口が欲しいとき。
ただし、堅実な業務設計や正確性が最優先の場面では、少し遊びが強すぎる場合があります。
一番扱いが難しくも、面白いアイディアが出てきます。
実務ではブレーンストーミングとかのときに違う角度で意見を出すときに使う感じですかねー。
相談事をされたときにも、相談相手の視野を広げるために全然違う方向性の意見をあえて出したりしています。
5. 発散的思考・収束的思考型:3人の脳内会議で磨き上げる
直近の記事のGemです。
発散的思考・収束的思考型は、Diver・Critic・Realistという3つの視点を使うのが特徴です。
- Diver:可能性を広げる人
- Critic:欠点やリスクを指摘する人
- Realist:実際に使える形に戻す人
つまり、ただアイデアを出すだけではなく、批判し、現実的に整え、最終的に使いやすいGemへ収束させます。
面白さだけに寄りすぎず、厳密さだけに寄りすぎず、現実的すぎてつまらなくなることも避ける。
そのバランス感覚がこのタイプの強みです。
さらに、議論をしっかり見せるFULLモード、要点だけ見せるCONDENSEDモード、自動判定のAUTOモードがあり、目的に応じて出力の濃さを変えられます。
向いている場面:
アイデアの幅も欲しいが、最終的には実用的なGemにしたい場合。企画・商品設計・教育コンテンツ・業務支援など。
7つの中では、創造性と実用性のバランスが取りやすいタイプです。
実務では・・・うーん、一旦極端な意見を出してから現実的な落としどころを見つけるとか?
あとはそのままブレーンストーミング→KJ法とか。
6. 批判的思考型:甘い前提を疑い、壊れにくいGemを作る
批判的思考型は、ユーザーのアイデアに対して簡単には同調しません。
「それは本当に必要なのか?」
「前提が曖昧ではないか?」
「想定外の入力が来たらどうするのか?」
こうした厳しい視点から、Gemの設計を鍛えます。
特徴は、最初に致命的な欠陥の指摘を行うことです。
- 前提の矛盾
- 定義の曖昧さ
- 例外処理の不足
- 失敗条件の見落とし
そのうえで、本当に解決すべき課題を再定義し、堅牢なカスタム指示を作ります。
向いている場面:
法務・社内規定・FAQ・審査・安全性が重要なGem、間違えると困る業務、例外処理が多いテーマ。
トーンはやや厳しめですが、壊れにくいGemを作りたいときには非常に頼もしいタイプです。
現実にこれが非常に得意な人が身近にいます。
実際の設計業務では非常に強力で、誠に信頼のできるプログラムなどを作成するのですが、反面、教育時にこれを使うとパワハラに見えることが多々あるのが注意点です。
7. 論理的思考型:迷ったら使いやすい、王道の設計タイプ
論理的思考型は、7つの中でも最も汎用的で、安定感のあるタイプです。
ユーザーの依頼を次の6つに分解して整理します。
- Persona:AIは誰として振る舞うのか
- Objective:何を達成するのか
- Task:具体的に何をするのか
- Context:どんな背景や制約があるのか
- Format:どんな形式で出力するのか
- Tone:どんな文体・雰囲気にするのか
そのうえで、役割・文脈・タスク・制約・出力形式を明確に分けた、コピーして使いやすいカスタム指示を作ります。
派手さはありませんが、プロンプト設計の基本を外さないため、幅広い用途に使えます。
向いている場面:
まず標準的で使いやすいGemを作りたい場合。文章作成、業務支援、要約、チェックリスト化、資料作成など。
「どの思考法を使えばいいかわからない」というときは、まず論理的思考型から始めるのがおすすめです。
Gem作りに一番使っているのはこのGemです。
元がGoogle公式の「プロンプト設計戦略」から作られているだけあり、信頼性も抜群です。
なお論理的思考については、仕事ではまずこれを身に着けてからと言った感じです。
いや、偉そうに書いてしまいましたが、傍から見たら全然ダメと言われるかもしれません。
7つの思考法の使い分け早見表
| 思考法 | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| システム思考 | 構造・関係性・根本原因を見る | 複雑な業務改善、長期運用するGem |
| デザイン思考 | ユーザー目線で試作し改善する | 接客、教育、サポート、UX重視のGem |
| 仮説推論 | 曖昧な依頼から目的を推測する | 目的がまだはっきりしないGem |
| 水平思考 | 意外な切り口や企画を出す | 広告、SNS、企画、ネーミング |
| 発散・収束思考 | 広げて、批判して、現実的にまとめる | 創造性と実用性を両立したいGem |
| 批判的思考 | 前提・例外・失敗条件を厳しく見る | 正確性、安全性、堅牢性が重要なGem |
| 論理的思考 | 要件を整理し、安定した指示書にする | 汎用的なGem、最初の設計、標準化 |
目的別に選ぶなら?
- とにかく標準的に作りたい:論理的思考型
- 本当の目的から整理したい:システム思考型
- ユーザーにとって使いやすくしたい:デザイン思考型
- 曖昧なアイデアを要件化したい:仮説推論型
- 面白い切り口が欲しい:水平思考型
- 複数視点でバランスよく作りたい:発散・収束思考型
- 失敗しにくい堅牢なGemにしたい:批判的思考型
個人的なおすすめの使い方
最初は「論理的思考型」で基本形を作り、
その後、目的に応じて「批判的思考型」や「デザイン思考型」で磨く。
企画性が必要な場合は「水平思考型」や「発散・収束思考型」を使うと、Gemの個性が出やすくなります。
まとめ
「Gemを作るGem」は、単にプロンプトを自動生成するだけのものではありません。
どの思考法を採用するかによって、Gemの設計思想そのものが変わります。
システム思考なら、構造と根本原因を見る。
デザイン思考なら、ユーザー体験から試作する。
仮説推論なら、曖昧な目的を推測する。
水平思考なら、意外な切り口を生み出す。
発散・収束思考なら、複数視点で議論してまとめる。
批判的思考なら、失敗条件を潰して堅牢にする。
論理的思考なら、安定した構造に整理する。
どれが一番優れているというより、作りたいGemの目的によって使い分けることが大切です。
Gem作成に慣れてきたら、ひとつの思考法だけでなく、複数の思考法を組み合わせることで、より個性的かつ効果的なGemを作れるようになると思います。
自分が作りたいGemは、
「正確さ」が大事なのか。
「面白さ」が大事なのか。
「使いやすさ」が大事なのか。
「本質的な課題解決」が大事なのか。
まずはそこを見極めることが、良いGem作りの第一歩と思います。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

































