白いノートの花畑
「パパ、これなんていう花?」
小川の土手に小さな花が咲いています。
「うん? ニワゼキショウだよ」
「ふーん・・・・・・」
まいはしゃがんで見つめます。きりりとして、きれいな紫のグラデーション。
「お家に持って帰っていい?」
「そのままにしておいてあげようよ」
「どうして? こんなにいっぱい咲いてんだよ」
「花も自然がいいんじゃないかなあ」
自然がいいの? まいは花に尋ねます。花はやって来た風にふるふるっと揺れました。
まいは立ち上がります。
「じゃあね、ばいばい」
まいとパパはお家に帰りました。
「ただいま!」
玄関にはひと株の先ほどの花が鉢に植えられて置かれていました。
「きれいでしょ⁉ ニワゼキショウって言うのよ」
まいとパパは顔を見合わせます。
「お家に来る?ってきいたら、うん!って答えたの。ねえ?」
ママは花に顔を近づけながら訊きました。舞とパパは肩をすくめて苦笑い。
「自然の方が良かったんじゃないの?」
まいは訊きます。
「人に世話されたがっている花だってたくさんあるのよ。楽だもん」
「楽なの?」
「だって、水も栄養も与えられて子孫だって増やしてもらえるのよ」
「じゃあ、花は人のために咲くの?」
「そう、よりきれいにね」
「植物は賢いからなんでも利用するんだね」
「そうよ、地球は植物が支配する星だもの」
