白いノートの花畑
ビワは、昔話みたいな果物です。皮をペロンと剥きジューシーな果肉を頬張ると、いつも爽やかで懐かしい日本の味がします。もし、梅のように垂れ下がって実を付けていたとしたら、琵琶雨と書いて梅雨と呼びたいような水滴の形の果実です。
春や初夏に花を咲かせ、夏の太陽をいっぱい受けて大きく育つ果物たちと違い、琵琶は冬が来る前に花を咲かせ、夏が来る前の梅雨時にかわいい実を付けます。梅やさくらんぼのように、夏を前に収穫する果実たちはかわいらしいものが多いのでしょうか? ビワは冬を越した分だけ、それらよりもちょっぴり大き目。
暗く、大きくてごつごつした葉を持つビワには華やかさはなく、じめじめとした陰のイメージがあります。しかし、それがかえってビワをなんともいえず魅力的に見せているのではないでしょうか?
花が枯れた後、長い冬がやって来ます。わずかばかりのひかりと冬の寒さをその実にギュッと閉じ込めて、ゆっくり、ゆっくりビワは育っていきます。

