白いノートの花畑

 

 

 もこもことしたお茶畑がきちんと整列して、新しく伸びた頭を丸刈りされるのを待っています。秋の穏やかな午後のひと時。

 お茶の木に咲く鈴のような丸くて小さな花は、あちらこちらでひかりのベルを打ち鳴らします。クスクス笑っています。賑やかです。

清楚な白い花なのに無邪気なのは、濃くて渋い茶葉に囲まれているから。その姿は、おじいちゃんおばあちゃんが見守る庭で、はしゃぎ回る小さな子供たちみたいです。

 お茶の香りが立ち込めます。花は、かわいらしい真っ白なティーカップに変わります。花は、内に黄色い剣山を抱いた白い磁器。でも、お花は自分自身です。とびっきりおいしそうな練りきりの和菓子になった花は、私の目を楽しませます。花がお膳立てをしてくれた、自然の中のお茶席の出来上がり。

 難しいしきたりはいりません。もちろん正座もいりません。茶畑の広がる小道で、鼻から胸いっぱいに風を含んだ爽やかなお茶を戴きます。わび・さびには程遠いけど、くつろぎと癒しなら負けていません。

 グリーンティーなのに茶色。紅茶、ほうじ茶、ウーロン茶・・・・お茶はその昔、茶系の色をした飲み物だったそうです。茶葉で染めた布は茶色。長いこと宙ぶらりんだった疑問が、すとんと腑に落ちました。

 秋のひと時を戴きます。風と光のグリーンティーを飲み干して、体の隅々にまで行き渡らせます。身体に良いと評判のお茶のこと、きっと体と心の毒を取り除いてくれるはず。

 こうして、私はお茶畑の小道を歩きながらアフタヌーンティー。とても安上がりです。