本で言う所の初版本にあたるOriginal盤。CDが普及し始めた後は、この判別は割合簡単です。というのも、まず最初にCDと一緒にvinyl盤も出して、それで終わりだからです。つまりrepressが無いというのが大きい。なので大抵は5年後10年後にreissue盤が出ているのであればそれを注意すればよいだけだからです。もちろん、bootlegの偽物も存在する場合もありますが。

何よりもまずしなければならないのは、対象のvinylに対し、どの様な種類の盤が出ているかを知る事です。なので、record版wikiのDiscogsで対象のvinylを調べます。次に、注意して見る所としては、labelです。どこの会社から出た物なのかをみます。例えば、最初creationから出されたのに、10年後にEMIがreissueをしたとしたら一発で判断出来ます。また、Oasisの後期を例にとれば、UKだとBig Brotherだが、USだとそれにepicが足されていたりします。これはUSにおける販売をepicがやっているという事で、UK-Originalでは無い事がわかります。次に、同一labelからreissueが出ていたりするので、規格番号(Cat#)、Barcode、あればLabel codeを見ていきます。さらに、creditの所にreissueの年が追記されていたりする事もあるのでここも見ます。


上の2枚がRadioheadの"Hail To The Thief"のedition違いです。まず、Discogsで調べると、LPはまず最初2003年にParlophoneからUK&EUで発売があり、2008年に同じParlophoneからUK盤、CapitolからUS盤でそれぞれreissueが有る事がわかります。それを踏まえて下を見るとCapitolの文字があります。この時点で下のはCapitolから出た2008年のreissueと判断出来ます。Barcode回りも少し記載違ってます。本当は、Barcodeの下のcreditの辺りに2008と有ればもっとわかりやすいですね。ちなみに、上側ですが、Barcodeの下にprinted in EUとあり、その横にUK:584 5431とあります。Radioheadに関しては、このUKの所にcodeがあるのがUK盤の証で、EU盤ではここがblankになってます。今回のHail~はUKとEUが区別無い様なのですが、これがKID Aだと貴重な判断材料です。


もし、上記でわからなければ次はLabel(record会社ではなく盤中央の印刷ある部分です)とMatrixを見たりします。まず色味が違うのがわかります。さらによく見ると左のLabel名が違います。そして上のにはLC0299とあります。これがLabel codeと言われるものです。その下にmade in EUとあります。1番下が実は規格番号で実は上下で一致してます。ここだけ見ると判断出来ませんね。ちなみに、規格番号とBarcodeが一致してたりする場合があります。UK&EUの方の規格番号は正確にはもう少し長いです。規格番号は通常、背表紙かBarcodeやcreditの辺りにあります。このLabelと合わせてMatrixも見ます。このMatrixでどのeditionか判断付く事が多々あります。Joy Division等のCD以前の人達だとrepressというものが加わります。この判断には特にMatrixを調べねばならず、はっきり言ってよくわかんない事が多いです。


ついでに、sleeve表のsealですが、白枠の太さも違ってます。上がUK&EU盤です。

さて、これで下がUSのReissueだとわかりました。Hail~はここからが実は難しく、写真上のUK&EU盤がOriginalかReissueか判断がつかないのです。全く同じsleeveで出されている様で、最初、sealの有無、OK Computerの様に盤の重さの違い等でわからないかと思ったのですが、どうもそれではわからないようです。通常こんな事は有り得ないのですが...Originalの実物を見ていないとこれ以上はわかりません。が、どちらであっても僕の持っている物はとんでもなくよい音なので満足出来ています。

改めてまとめると、Discogsでチェック→Label名、Cat#、Barcode、creditを見る→Label(盤中央の方)とMatrixを見るという流れになります。Originalをこだわり出すと、"90のartistでも時としてこんなに苦労します。恐るべき世界ですが、わからない事を頭の中に飼っておくというのは人生でとても大切なspiceだと思っています。しかしBeatlesやStones等は考えただけでも頭が痛くなりそうです。