★ 拡散接合
拡散接合は、原子の拡散を利用する接合法である。溶融はさせないので、単純に接するだけでは接合しないから、接合面が酸化しないように制御された雰囲気中で加熱・加圧して接合させるのである。一般には二枚の材料を接合させるのではなく、複雑な形状の多数の薄い金属を積層して、厚い形状の製品にするための接合法として用いられる。
拡散接合には、二種類ある。接合促進のため接合面に第三金属(インサート金属と言う)を挟んで行う接合と、インサート金属を用いない接合の二種類である。インサート金属を用いる場合は、インサート金属が溶融して接合するのであり、これを液相拡散接合と呼んでいる。これに対してインサート金属を用いない場合を固相拡散接合と呼ぶ(79)。
拡散接合に用いる装置は、真空ホットプレスとHIP(Hot Isostatic Pressing)がある。真空ホットプレスの一例をあげれば、最高温度一三五〇℃、加圧力一〇〇〇kN、真空度10-4Pa、接合体の最大質量六〇〇㎏である(80)。HIPは熱間等方加圧法と訳されるが、数一〇〇~二〇〇〇℃、数一〇~二〇〇MPaの等方的な圧力をかけることが出来る。圧力をかけるには、アルゴンガスなどが用いられる(81)。
イラスト上には、真空ホットプレス・HIPの模式図を、イラスト下にはHIPの構造概念図を示した。KOBELCOのホームページ掲載図を参考にさせて頂いた(81)。残念ながら拡散接合を行っている状況は、装置内で行われるので公開された情報はない。
(79) 大橋修「拡散接合 その1」まてりあ、第五七巻、第九号、四四三ページ、二〇一八年。
<https://www.jim.or.jp/journal/m/pdf3/57/09/443.pdf>
(80) IHI「真空ホットプレスを用いた拡散接合プロセスの開発」
<https://www.ihi.co.jp/ihi/technology/review_library/review/2022/contents/1198176_3500.html>
(81) KOBELCO「高温・高圧利用技術熱間等方圧加工法」
<https://www.kobelco.co.jp/products/ip/technology/hip.html>
