★  原子爆弾・水素爆弾

 

 この項は何とも書きにくい。原子爆弾・水素爆弾すなわち核兵器である。核兵器使用は過去の話ではなく、今起きているロシア・ウクライナ戦争で、ロシアのプーチンが「使うぞ」と脅している。唯一の原子爆弾被爆国だからと言うまでもなく、絶対使ってはいけない兵器である。

 

 わが国は第2次世界戦争で、1945年夏に広島と長崎が被爆した。数10万人が被害を被った悲惨な被爆だった。その際に落とされた原子爆弾は、広島がリトルボーイと呼ばれるウラン(U)235を使った物であり、長崎はファットマンと呼ばれるプルトニウム(Pu)239を使った物だった。いずれも火薬を起爆にして、中性子を発生させ、ウラン・プルトニウムを核分裂させて大エネルギーを放出するタイプである。

 

 核兵器のもう1つ水素爆弾は、核分裂ではなく、核融合を起こして大エネルギーを放出するタイプである。火薬爆発を起爆剤として先ず原子爆弾を爆発させ、それによって重水素化リチウムの重水素(D)と3重水素(T)とを核融合させるのである(50)。

 

 原子爆弾は、第2次世界大戦中にアメリカでマンハッタン計画として、大勢の科学者が集められて開発された。その後旧ソ連との冷戦中に大量生産が進み、保有国も8ケ国になった。近年北朝鮮が核保有国になり、9ケ国になった。現在全世界で、何と1万2720個も保有されている。全世界を何度も破壊出来る量だろう。恐ろしいことである。

 

 広島型原子爆弾は、円筒弾殻の中にウラン235が2分割されて収められている。後方のウラン235を火薬で起爆して、前方のウラン235と合体させ、臨界量を超え爆発させる構造である。中のターゲットスリーブ・ブロックには鋼材が用いられたようであるが、外殻が鋼板だったかどうかは不明である。長崎型原子爆弾は、中央にダンパーに入れられたプルトニウム239があり、その周りに火薬が詰められている。火薬を爆発させてダンパー毎圧縮し、超臨界にして核分裂させる。外殻は鋼板だったと言われる(51)。

 

 現在の原子爆弾構造・使用材料についての公開情報は極めて少ない。唯一の情報としてアメリカのICBMに積まれている核弾頭は、水素爆弾型であり、原子爆弾を起爆して重水素化リチウムで核融合を起こすタイプになっている。外殻等に鋼板が使われているかどうかは不明である(52)。

 

 アメリカ国立公文書記録管理局が保存していた広島・長崎に落とされた原子爆弾写真が、2014年に公開された。驚きの詳細な写真である。ウェブニュースサイトに掲載されていたのを、参考にイラストにした(53)。

 

 広島原子爆弾は、0・7m径・長さ3m、重さ4tであり、長崎原子爆弾は、1・52m径・長さ3・25m・重さ4・5tである。

 

(50) ながさきの平和 <https://nagasakipeace.jp/search/about_abm/tokucho/>

(51) Gigazine「プルトニウム型原子爆弾の構造を解説する」

     <https://gigazine.net/news/20141210-visible-atomic-bomb/>

 (52) 長崎大学核兵器廃絶研究センター

     <https://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/recna/fms/nuclear_commentary>

 (53) Gigazine「日本に投下された二つの原子爆弾が製造&運搬される様子を収めた当時の貴重な写真集」

           <https://gigazine.net/news/20141006-atomic-bombs/>

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