★ 魚雷
魚雷は、艦艇を破壊するために航空機・艦艇・潜水艦から発射され水中を自走する爆弾である。弾頭・エンジン・推進機で構成された円筒状である。
魚雷は長距離を走って目標に激突させる必要があるため、誘導方式が重要である。
魚雷の誘導方式は、音や磁気を探知して行われるが、パッシブ方式とアクティブ方式がある。パッシブ方式には自分で目標の音を探して行く方式と、潜水艦などから誘導する方式がある。パッシブ方式は、有線誘導魚雷と言って、発射後に魚雷に収められている非常に細い1本の銅線を引き出しながら進んで行き、この銅線を通して電気信号で誘導するのである。
アクティブ方式は、目標の近くまで行ったら自分で音を出し、目標を正確に捉える方式である(13)。
自衛隊が装備している魚雷は、短魚雷と長魚雷がある。短魚雷は、1997年からの97式魚雷から2012年からの12式魚雷へと置き換わりつつある。97式魚雷は、リチウムと6フッ化硫黄の反応熱を利用する蒸気タービン機関を動力とするポンプジェット式推進であり、成形炸薬弾頭である。12式魚雷は、重さ320㎏、長さ2・8㎝、直径32㎝である。センサー部は、サイドスキャンソナーと磁気センサーである。
長魚雷は、1989年の89式魚雷から2018年の18式魚雷へ変換することになっている。89式魚雷は、重さ1760㎏、長さ6・3m、直径53㎝である。18式魚雷情報は少なく、詳細が分からないが、音響画像センサー、アクティブ磁気センサー、近接起爆装置が備えられているようだ(34)。
イラストは12式魚雷メーカーである三菱重工のホームページ掲載写真から描かせて頂いた。12式魚雷の発射光景である(35)。
現在の魚雷に用いられている鋼材情報は得られていない。そこで旧日本海軍が装備していた93式魚雷(長さ9m・直径61㎝)に使われていた鋼材情報を参考までに記しておきたい。この魚雷は酸素を用いる酸素機雷だったので、高圧酸素を納める気室は*ニッケルクロムモリブデン鋼をくり抜いて造られ、厚さは12㎜だった。機関室外殻は、厚さ3・2㎜鋼板である。
(13) 菊池雅之『最新陸・海・空 自衛隊装備図鑑』コスミック出版、2022年。
(34) 金子博文「艦載装備品開発の歩み」 <https://www.mod.go.jp/atla/research/dts2012/R2-3p.pdf>
(35) 三菱重工 <https://www.mhi.com/jp/products/defense/type12_lightweight_torpedo.html>
