★  ミサイル護衛艦 

 

 ミサイル護衛艦「まや型」は、最新のイージス艦である。イージスについては後述するが、レーダーで目標を捉えて垂直ミサイル発射機でミサイルを発射、迎撃するのがミサイル護衛艦である。「まや型」は、排水量8200t、全長170m、幅21mであり、主機はガスタービン・推進電動機それぞれ2基である。武装は、62口径55㏌砲1基、高性能20㎜機関砲2基、垂直ミサイル発射機1基、4連装ミサイル発射筒2基、3連装魚雷発射管2基である。さらに後部には飛行甲板と格納庫が設けられており、哨戒ヘリコプター1機を搭載している(13)。

 

 艦からのミサイル発射は、かつて爆風防止のため広い面積が必要だったが、ミサイル誘導技術が進歩し、甲板下から垂直に発射するようになった。燃焼ガスは、発射機底部のダクトを通し、甲板上の穴から噴き出すので、甲板に爆風が広がることはなくなったのである。

 

 イージスについて述べる。イージスは、イージス武器システムAWS(AEGIS Weapon System)のことである。アメリカが開発したシステムで、同盟国のみに使用が認められている。主要要素はパッシブ・フェーズドアレイ・アンテナを用いるレーダーと、解析するコンピュータである。得られた情報は艦内のみならず、艦隊全体で情報を共有することが出来るシステムである。つまり、仲間の艦艇や航空機がネットワークで繋がり、素早い行動に移せるのだ。さらに、空自の早期警戒機や戦闘機などもシステムに組み込まれる計画になっている。

 

 従来のレーダーアンテナは、常時回転させて対象物を追っていたが、「まや型」のフェーズドアレ・イアンテナは固定されている。発信するレーダー電波の位相を変化させることで、自由に発信方向を変えることが出来るからである。このレーダーを、艦橋に4面設置している。これによって、同時に200以上の目標を追尾することが出来、その内の10以上の目標を同時攻撃することが出来る。

 

 イラストは、海上自衛隊ホームページ掲載写真を参考にして描かせて頂いた(31)。このイラストで、艦橋下部に見える8角形のところが、対空レーダーが収まっているところである。

 

 海上自衛隊のイージス艦配備は、「まや型」護衛艦配備によって8隻体制になった。さらに、昨年新たに2027年末予定で、巨大なイージス艦を建造する計画が定まった。これは、地上配備型迎撃ミサイルイージス・アショアを配備する計画が、頓挫したからである。設置個所の地元の了解が得られず、代替策として新たなイージス艦を建造することになったのである。詳細計画は明らかにされていないが、排水量2万t程度になるものと推定されている。

 

(13) 菊池雅之『最新陸・海・空 自衛隊装備図鑑』コスミック出版、2022年。

(31) 海上自衛隊 <https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddg/maya/>