★ 航空母艦
航空母艦は、空母と略称される。多数の航空機を搭載し、海上での航空基地の役割を果たす軍艦である。したがって最大の特徴は、飛行甲板と呼ばれる広い滑走路が設けられていることである。しかし、地上空港のように数㎞もの滑走路を設けることは出来ないので、短い距離で航空機が発艦出来るための設備が設けられている。カタパルトと言う。様々な方式が開発されてきたが、現在ではリニアモーター電磁式である。さらに着艦も、高速で降りて来る航空機を短い距離で止めるために、アレスティング・ワイヤーと呼ぶ鋼索を甲板上に張っておいて、そこへ航空機のフックを引っ掛けて止める設備が設けられている。
航空機の発艦と着艦とが交錯しないように、現在の航空母艦は着艦用滑走路が角度を付けて設けられている。
飛行甲板設備の他にも、航空機を収納しておく格納庫が飛行甲板下に設けられており、そこへ航空機を移動させるためのエレベーターが設けられている。その他にもジェット燃料容器なども必要である。
航空母艦の動力は、通常動力から原子力機関を用いる方向に代わってきた。原子炉で発熱し、タービンにより発電した電力を用いる方式である。数10年間動かし続けることが出来るのが、大きな利点である。
航空母艦を有する国は少ない。何しろ建造に巨額を要することと、維持費も莫大であるからである。最も多く保有しているのはアメリカである。ニミッツ級10隻・ジュラルド・R・フォード級1隻を有している。他にはイギリスなど7ケ国であり、中国が最近4隻目を竣工させている。
イラストに、アメリカの原子力空母ジュラルド・R・フォード級を示した。これは、ブログに掲載されていた写真を参考に描かせて頂いた(29)。本空母は2017年に竣工後動力部にトラブルが見つかったが、2年後修復復帰した際の光景である。
ジュラルド・R・フォード級は最新の空母であり、排水量10万1600t・全長337m・幅78mである。航空機75機を搭載し、対空ミサイル2基・近接防空ミサイル2基・機関砲3基を備えている。乗員は4500人であり、建造費は1兆4000億円と言われている。
本空母は、11層の甲板で構成されており、前後に10以上の横隔壁が設けられている。用いられている鋼板は、低合金高張力鋼HSLA(Low Alloy High Strength Steel)-65・HSLA-115が用いられ、軽量化が図られている。(30)。
航空母艦そのものから離れるが、空母搭載機は空母と同じくらい費用がかかると言われている。艦載機は、「制御された墜落」と言われる着艦の過酷さのためと、カタパルト発射のために機体構造を強くする必要があることと、翼も折りたためるようにしなくてはいけないこと、エンジンを複数備えなければいけないことなどが理由である(23)。
(23) 江畑謙介『兵器の常識・非常識 陸軍・海軍兵器篇』並木書房、1998年。
(29) 航空万能論
<https://grandfleet.info/us-related/if-it-goes-well-the-aircraft-carrier-gerald-r-ford-will-be-strengthened-
around-2023/>
(30) ピクシブ百科事典 <https://dic.pixiv.net/a/ジェラルド・R・フォード級#2_6>
