★ 戦車
戦車が初めて登場したのは、第1次世界大戦(1916年)のフランス・ソンム会戦だった。連合軍のイギリスが、ドイツ軍に対して使ったのだ(9)。戦車は、装甲による防御力、大砲による攻撃力、それにキャタピラーで走る衝撃行動力との3つの要素を持つ兵器である(23)。
戦車は正に鉄の塊であるが、やはり1番は防御力を高める装甲である。装甲は最初ボイラー用高張力鋼板が使われたが、その後均質圧延防弾鋼板に進化した。さらに空隙を設ける空隙装甲、複合装甲へと発展した。複合装甲は、装甲板と耐熱セラミック・チタン合金・ナイロンメッシュなどを複合化した物である。また、装甲と砲弾が斜めに衝突すると力が弱まるので、車体を丸く設計することなども考えられて来た。極端なのが、米軍で造られた鋳造で車体を丸く造った戦車である(23)。16式機動戦闘車には新しく開発された防弾鋼板が使われたことは既に述べた。
イラストには、自衛隊の10式戦車を示した。これは、自衛隊の広報動画を参考にさせて頂いたものである(24)。10式戦車は4代目戦車であり、完全国産車である。完全オートマ化されており、時速70㎞の速度が出る。大きさは、全長9・4m、幅3・2m、高さ2・3m、重量44tである。主砲は、口径120㎜、他に重機関砲と機関砲を備えている。さらに、ハイテク戦車であり、コンピュータシステムで完全ネットワーク化されている(13)。
10式戦車は、圧延防弾鋼板の全溶接構造である。車体前面・側面・砲塔前には新開発の外装式モジュール装甲が張られている。これは、2層構造で、外側は空間装甲、内側は防弾鋼板製箱の中にチタン合金の外殻で包まれたセラミック板がハニカム構造で何層も収められている。さらに、サイドスカートが設けられている。上部は薄い防弾鋼板で下部がラバー薄板で出来た物である。
10式戦車は、2010年から配備していったが、その後防衛省は戦車部隊の削減と本州戦車部隊の廃止を決めたので、配備数は大幅削減されることになった。
(9) 小林源文『武器と爆薬』大日本絵画、2007年。
(13) 菊池雅之『最新陸・海・空 自衛隊装備図鑑』コスミック出版、2022年。
(23) 江畑謙介『兵器の常識・非常識 陸軍・海軍兵器篇』並木書房、1998年。
