★ 鏃(やじり)
鏃は矢尻とも書くが、弓矢の矢の先端に付けられている物である。鉄が武器として最初に使われたのが、鏃と短剣だろうと思われる。したがって、古代から使われて来ている。
日本の矢は、本体部分と先端に鏃、手元に羽根が付けられた構造をしている。矢は練習用の的矢と戦闘用の征矢がある。的矢は現在でも弓道に使われているが、竹などの矢本体先端に被せる方式の鏃がある。征矢は、太さ10㎜ほどであるが、鏃は先端部の竹の中にはめ込まれている。
わが国で中世以降に作られて来た鏃の形は、非常に種類が多い。戸などを割るための矢には、斧形鏃(長さ25、幅9、厚さ10㎜)が使われている。実用的な鏃には、両側が刃になっている平根鏃(長さ65、幅10、厚さ6㎜)、断面菱形鏃(長さ66、幅8、厚み7㎜)、大型鏃(長さ70、幅10、厚さ9㎜)がある。他にも透かし鏃・蕪矢などがある(2)。
古代の鉄鏃は、多くの古墳から出土している。おおむね平根鏃や尖頭鏃であり、鋳造で造られたと言われている。イラスト左側は、東京国立博物館ホームページ掲載の写真を参考に描かせて頂いたものである。群馬県内で発掘された古墳時代後期六世紀の物である(3)。イラスト右側は、現在市販されている弓道用鏃である。カーボンファイバー製矢に被せて用いる鉄製鏃である。近的用であり、先端が2段になっているが、遠的用鏃は1段で鋭い先端形状になっている。翠山弓具店ホームページ掲載写真を参考にさせて頂いた(4)。
(2) 須川薫雄「日本の武器・兵器」 <http://www.xn--u9j370humdba539qcybpym.jp/part1/archives/229>
(3) 東京国立博物館 <https://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/E0040571>
(4) 弓具店・suizan <https://suizanmiyabi.com/SHOP/20601-1.html>
