★ ダンプカー

 

 ダンプカーは通称で、正式名はダンプトラックである。トラックと違って荷台を傾ける機能があり、荷物である土砂などを後方から落とすことが出来るのだ。この傾ける機能で幾つかのタイプに分かれる。すなわち、キャブ側が持ち上がるのがリアタイプ、左右に傾けることが出来るのがサイドタイプ、リアとサイド双方を傾けられるのが3転タイプである。さらに、鉱山などで使われる荷重20t以上の重ダンプと、キャブ側荷台を持ち上げて斜めにするだけではなく、さらに後部が地面までスライドして伸びるロータスダンプがある。

 

 イラストはリアタイプダンプカーが、荷台を持ち上げた状況である。荷台の真ん中に設けられた油圧シリンダーが伸びて、荷台を持ち上げているのが分 ると思う。荷台を持ち上げる機構は、次の通りである。すなわち、スイッチを入れると、ドライブシャフトが回転し、ギアポンプ内のギアが回転する。この回転によって、オイルタンク内のオイルがギアポンプからシリンダーに送り込まれ、ピストンロッドが伸び、荷台を持ち上げるのである。ギアポンプとは、一対のギアが嚙み合ったものであり、中にオイルが充填されている。ギアが回転すると、隙間がないのでオイルは押し出されるのである。もちろん、ギアポンプは鋼製である。

 

 ダンプカーでは油圧装置が重要な役割を果たしているが、新明和工業では1949年最初のダンプカーを、アメリカのメーカーが製造した部品を使って販売した後、直ぐに独自にギアポンプを開発している。さらに、ピストンロッドと荷台とを繋ぐリンク方式として多く使われていたマレル式ホイストに代わって、独自の逆マレル式を開発している。

 

 シリンダー、リンクも鋼製である。シリンダーは、チューブ・フランジ・トラニオン3部品を製造し、それらを溶接で接合組み立てる。さらに、内径駆動部分をホーニング加工して作り上げる。

 

 ダンプカーボディは鋼製であり、アオリには高張力鋼板が用いられている。またフロアは、土砂などで擦られて摩耗するので、耐摩耗性鋼板が用いられている。耐摩耗性鋼板は、各鉄鋼メーカーで開発されている。例えば日鉄の*耐摩耗性鋼板は、軟鋼に比較して4~5倍の耐摩耗性がある。またスゥーデン鋼と言う耐摩耗性のある高張力鋼を用いている車体メーカーもある。

 

 以上は、公道を走行出来る普通ダンプカーを、イメージして述べてきた。普通ダンプカーは、積載重量が11tまでの規制がある。それに対して、公道を走ることが出来ない重ダンプカーがある。鉱山などの大規模な現場作業で使われるダンプカーであり、次項で記述したい。