★ 中華鍋
中華鍋は黒々としていて、いかにも鉄で作られた物という感じである。その通りで、鋳造で作られる鋳鉄製の物、鋼板から打ち出して作る物、鋼板からプレスで作る物の3種がある。
形状に2種類ある。2種類とも丸底であるが、片手の持ち手が付いていて、比較的アールが小さく底が深い物と、両手の持ち手が付いていて、比較的アールが大きく底が浅い物がある。前者は北京鍋、後者は広東鍋と言う。北京鍋は手で持って、鍋を揺り動かして使うが、広東鍋は火にかけっぱなしにしておいて使う。
鋳鉄製の中華鍋は重いので、広東鍋だけが作られている。高級品として評価されているのは、打ち出し中華鍋である。打ち出しの北京鍋は、厚さ1・2か1・6㎜の鋼板を、中華鍋を広げた形状(取っ手の部分も含む)に切り出して、その平板を鍛造して底を打ち出していく。へりをプレスで起こして、さらに鍛造し、最後に取手の部分を形作る。打ち出し中華鍋は、表面に微小凹凸があるので、油が浸み込み易く焦げ付きにくいという利点があると言う。この表面の微小凹凸は、鋳鉄製中華鍋も同様であり、同じような効果があると言われている。
中華料理は高温で熱する料理が多いが、鉄の中華鍋は急激な温度変化に耐えられることが、よく使われる理由である。鉄は油と馴染みやすい剥がれにくいことも、油を欠かせない中華料理には適している理由である。しかし、最初に使うときは、鍋ならしと言って、よく空焼きし鍋を熱くしておいて、油をたっぷりそそぎ、鍋表面に油膜をしっかり付けることが必要である。使った後も洗剤で洗わずに油膜を残しておくのが、長持ちさせる秘訣のようである。
