『ハロウィンとギャラリー』
『ケルト(Celt)』は現代の歴史学上では、必ずしもケルト人、もしくはケルト民族を意味しません。
『ケルト』は単一の民族ではなく、紀元前600年くらいから中央ヨーロッパに存在した文化集団でした。
その文化圏は長い年月をかけて東は黒海周辺のドナウ河口付近から西はイベリア半島全域まで広がりました。
やがてゲルマン人、ローマ帝国によってその一大文化圏は滅びました。
しかし、ヨーロッパ各地にその痕跡は残り、とりわけ北西部のブリテン諸島に渡った『島のケルト』は現代までそれを継承しています。
『島のケルト』はイギリス南西部のウェールズ地方、北部のスコットランド、そして西部のアイルランドを中心としています。
ケルト文化に後発のローマ、アングロ=サクソン文化の影響を受け、さらに近辺のヴァイキングとの戦い、交流の結果、独自の文化、芸術が発展したものが、現在のケルト文化です。
ケルトでは10月末は秋の終わりを意味し、11月1日は冬と新年の始まりとして考えていました。
年末は死者の霊が家族を訪ね、同じく悪い精霊、魔女もやって来ると信じていました。
それらを追い払うために焚火を行い、カボチャやカブをくり抜いてランタン『ジャック オー ランタン』を作り、中に蝋燭を立てました。
これらがハロウィンの始まりです。
キリスト教はこの習慣を忌み嫌いながらも、その日を諸聖人の日に制定して取り込もうともしました。
ハロウィンにまつわる、仮装、精霊、魔女、伝説、神話、頭部信仰はヨーロッパ文化の楚となったケルト文化を現代に伝えています。
宗教、民族を超越して世界中に受け入れられるハロウィンは、変身願望、神話や伝説へのロマン、生と死への畏敬、子供への愛等の私達の根源的な欲求に訴えてきます。
当店ギャラリーでは今年も多くのハロウィンにふさわしいアイテムを揃えました。
バレリーナ、ボンテージ、グラムロック、ヒッピー、マジシャン、ディスコクィーン、道化師の衣装をモチーフにトップデザイナーが制作した作品群。
想像上の怪物で有る龍の財布、心霊写真の様なプリントのドレス、エイリアンの背骨そっくりなヒールのパンプス。
ケルト文化を研究し、それを表現し続けるブランドのヴィヴィアン ウェストウッド、アレキサンダー マックイーン、ジャンポール ゴルチェ。
スコットランドを発祥とするブランド、バランタイン。
それらは私達の日常の生活の中に、特別な『非日常』的なものをもたらします。
仮装をせずとも、少しの『非日常』を取り入れこむ事により、私達の感情に変化が起こります。
自己満足かもしれませんが、それは個人にとって変身、自己表現、崇拝、知的好奇心、意思表示の重要な一部です。
当店は価値観、美意識が多様化する中でその中心から辺境まで網羅し、御客様にそれとの出会いを提供する事に努めています。
是非この機会に、店頭に御立ち寄り下さい。