☆樋口清吉(ひぐち せいきち)画伯といえば、東京交通会館の最上階の回転レストランでの打ち合わせが思い出されます。樋口画伯の大親友の、穴原錦七画伯が、どんどん元気よく威勢よく話を進められて、銀座で個展をしよう!そうだ、個展しよう!と二時間。 樋口画伯は、その間、ほとんど話されず、静かに相槌をうたれていました。そのうち、知己の大学教授の叔父上が、偶然にも、樋口画伯ご本人であったことが、わかり、トントン拍子に1997年6月に個展開催となりました。
☆1997年当時は、新幹線も開通する前でしたが、実に多くの方が、新潟から銀座に来てくださいました。交通が麻痺する悪天候の日もあったのですが、車に乗り換えて来られたり『樋口先生の個展には、必ず行こうと思っていました。』と来廊者が、ひとときも絶えませんでした。
☆大正生まれの画伯の画風は、穏やかでオーソドックスなスタイル・・・モチーフも、卓上の果物など静物画や、薔薇の花、風景画などの親しみやすいものが中心。でも、私は、誠実で真面目な(決して生真面目でない)画風の作品の根底に、配置の妙や、テーブルクロスなどの布帛の表現、薔薇の枝の質感、サイン、絵の中に隠れた人物?など、お茶目な遊び心と、なみなみならぬ、こだわりがあったことを知っています。樋口画伯の作品をお持ちの方は、もう一度、油絵をじっくり、見てみてくださいね。
☆戦前からの歴史ある、公募団体 第一美術協会会員。美術年鑑などにも掲載のある画家の方です。
(文責 旧ギャラリー銀座運営者 岩井)
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