ギャラリー銀座neo ★これまでの展覧会★

あかりと器 
新潟・二度の震災を越えて 生命力の表現~ 寺澤朋法作陶展

2008年6月17日(火)~6月22日(日)

1976年新潟県柏崎市生まれの若手陶芸家寺澤朋法(てらさわとものり)さんによる展覧会です。初の東京・銀座展。

2000年東北芸術工科大学芸術学部芸術学科 2002年同大学院芸術工学研究科(日本美術史中世絵画研究)宮城県の窯元にて2年間の厳しい修行ののち、2005年新潟県柏崎市本条(八石山の麓)に工房『遊行窯(ゆうぎょうがま)』を築く。『人の手を通して作る以上、焼き物にも人は表れます。良き焼き物を作るのは、良き人であると私は信じています。まずは、良き人となれるよう、精進する決意で窯の名前を遊行窯と、命名しました。』

彼からのギャラリー銀座neoへの最初のメールは次のようなものでした。
『今まで器や花器など実用的なものを中心に制作してきましたが、3年前の中越地震や昨年の中越沖地震に被災した経験を経て、次第にもっとメッセージ性の強い作品を作りたいと思うようになりました。』添付の画像には、透き通るような白色の生地に透明な釉をほどこした磁器ーー白磁が4点。

光の透過する白磁の内側・外側から~白からセピアのグラデーションをともなって静かに強く語りかけてくるオブジェ・・・滑らかさ、艶めかしさをもつ不思議な佇まいの球形がモチーフとおもわれるオブジェ、水盤のような円形の中に鋭利な波打つナイフ先のような形状のものが、中心に向かって2,30重の多層を成して何かを顕す。その下方からの光りのあるオブジェ・・・鮮烈な印象。

中越地震の時には制作の最中でこのまま、死んでしまうのかとおもった程の揺れを経験されたそうです。地震の後の無数の破片と見過ごすことのできない現実。静けさ。
1300度を超す高温で焼き保ち、萌木色、苔色ーー千変万化させた緑釉(織部釉)の作品や、器も。

『作品は鏡のような存在、自分に素直にものづくりを続ける、感情にずっと左右される芸術家になりたい。』次なるひとつの時代の幕開けかもしれません。どうぞご期待くださいませ。 陶芸教室 アトリエ『九禅』主宰。


[寺澤朋法(テラサワトモノリ)遊行窯]