ブエナビスタ が圧倒的な人気を集めるこの桜花賞で、2戦2勝と“未知の魅力”で注目されているのがレッドディザイア だ。


 この2頭は偶然にも母の父Caerleon、父の父サンデーサイレンスという血統構成まで似ている。おまけに、レッドディザイアの父マンハッタンカフェはブエナビスタと同牝系。2頭とも、3代前にSanta Luciana の血を持っており、トータルで言うと、60%以上の血脈が共通しているのだ。


 さらに、騎手を見ても興味深い。ブエナビスタの主戦・安藤勝己騎手は、2年前の桜花賞をダイワスカーレットで制覇。その時、断然人気のウオッカで2着に敗れたのが、レッドディザイアに騎乗する四位洋文騎手なのだ。


 今回は逆の立場で臨む2人の騎手。四位としては“2年前の雪辱を”という気持ちだろうが、ブエナビスタも、96年に15着に敗れた母ビワハイジの雪辱を晴らしたい。現在リーディングを走る、レッドディザイアの父マンハッタンカフェにとっても、産駒の初GIが掛かっている。


 また、勝てば桜花賞3勝目となる安藤勝己に対し、意外にも牝馬クラシックは初となる四位洋文。なお、レッドディザイアを管理する松永幹夫調教師は、このレース2勝で“牝馬のミッキー”と呼ばれた男。対するブエナビスタの松田博資調教師は、93年にベガでこのレースを制覇。ともに桜花賞に縁がある。


 様々な因縁、見どころが詰まったこのレース。特にこの2頭にスポットを当てて見ると、さらに楽しめるのではないだろうか。