トレノパズルなど/2歳戦23週目

　今週の筆者イチオシはトレノパズル。筆者プロフィールで“好きな繁殖牝馬”にも挙げているマルスフラウの仔だ。このマルスフラウは筆者好みのマルゼンスキー×Alleged×Wild Riskという累代配合で、3代母Runaway BrideはBlushing Groomの母という名牝系の出身馬。毎年注目しているのだが、JRA3勝のネヴァートルネードが代表産駒で、なかなか大物は出せないでいる。とはいえ、マルスフラウの全姉マルゼンミケーラはパレスエース(父シャンハイ)、パレスショットガン(父マヤノトップガン)といった活躍馬を出しており、大物を出せるポテンシャルを持っているはずだ。もう少し良い種牡馬を付け、環境に恵まれれば重賞級を出せるはずだ。マルゼンミケーラといいマルスフラウといい、どうもこの姉妹は種牡馬に恵まれていない。サンデーサイレンス系でもマーベラスサンデーでは…。参照

　リリアーレはキングカメハメハ産駒で、Kingmamboと相性の良いSeattle SlewをCapote経由で注入。Groovy(米チャンピオンスプリンター)、ボストンハーバー(BCジュヴェナイル-米G1)などがいるクオリティの高い牝系出身だ。繁殖としても計算できそう。

　キクノアポロはロジータ牝系でアジュディケーティング×スマコバクリークという配合。南関東で走るべき血統というイメージで、福島ダート1700mという、“らしい”条件で勝ち上がった。JRAで頭打ちになったら早めに南関東に移籍してほしい。

　キューバンエイトはスピードワールド×サニーブライアン×ヘクタープロテクターという配合で、Woodman2×4のクロスが発生。馬主のスピードファームは父も祖母スピードクリスタルも所有しており、かなり思い入れの深い血統馬ということになるだろう。馬名の由来は「曲技飛行レース(エアーレース)の技のひとつ」とのこと。冠名をやめたのは好感が持てる。

　ラターシュは3代母がサクラローレルの母ローラローラという血統。母はCozzene×Fabulous Dancer×Saint Cyrienというなかなか渋い配合で、自身も5勝と活躍した。マーベラスサンデーは高く評価していないのでC評価としたが、1歳のスペシャルウィーク産駒ならBになるだろう。

　ヤマニンウイスカーはオークスにも駒を進めたヤマニンファビュル(父エアジハード)の半弟。マンハッタンカフェ産駒で母がSadler's Wells×Blushing Groom×Luthierだからかなり重い印象だが、初戦10着から一変して2歳戦で勝ち上がったのは評価できる。牝系はローズバドなどがいるいわゆる“薔薇一族”と同じ。勝ち時計2分01秒9、上がり3F34.7秒の数字もなかなかで、侮れない存在になりそうだ。菊花賞で人気がなかったら思わず狙ってしまいそうな馬。