リーチザクラウンなど/2歳戦22週目

　今週は、来年のクラシックで主役を張りそうな馬2頭が勝ち上がった。アンライバルドが勝った新馬戦で2、3着に敗れたリーチザクラウン、ブエナビスタで、いずれもスペシャルウィーク産駒だ。

　リーチザクラウンは、母系がSeattle Slew×Mr.Prospector×Secretariatという米血配合で、祖母クラシッククラウンはフリゼットS(米G1)、ガゼルH(米G1)勝ち馬。Chief's Crown、タップダンスシチー、Winning Colorsらが出た米国を代表する名門牝系だ。これだけ米血が固められた配合は、これまでのスペシャルウィーク産駒の活躍馬には無いパターンだが、これだけの牝系と血脈が揃っていれば文句の付けようはない。オウケンブルースリのような母系の馬が菊花賞を勝ってしまう現状を考えると、菊花賞まで勝ち負けできるクラシック候補と言えるだろう。

　ブエナビスタは母ビワハイジが阪神3歳牝馬S(GI)の勝ち馬で、半兄にアドマイヤジャパン(父サンデーサイレンス)、アドマイヤオーラ(父アグネスタキオン)がいる超良血。既にSS系で結果が出ている母だけに、この馬のような素質馬が出たのも頷けるが、スペシャルウィーク産駒のNijinskyクロスにはこれまで活躍馬が出ていなかった。その辺りがマイナスにならないのが、ビワハイジの優秀なところなのだろう。

　リーチザクラウン、ブエナビスタともにこれまでのスペシャルウィークの常識を打ち破った配合馬。シーザリオ、インティライミが3歳だった05年の種付だけに、質のいい牝馬が揃ったこともあるだろうが、現2歳のスペシャルウィーク産駒は大ブレイクの可能性十分だ。ガンズオブナバロンも忘れてはいけない。

　メイショウユリシスはタイキシャトル産駒で、Kris S.×フォーティナイナー×Never Bendという累代配合。牝系はヤマニンパラダイスやノーリーズンが出たCourtly Dee系だ。母の父Kris S.はあまり好みではないが、血統レベルは高く、覚えておきたい。

　グラヴィテーションは祖母がリンデンリリーで、叔母にヤマカツリリーがいる血統。ダンシングブレーヴ×ミルジョージ×キタノカチドキ×ガーサントというクラシック血脈が並んでおり、こういった母から活躍馬が出てこないと、輸入牝馬に押され、日本の名血はどんどん消えていってしまうだろう。これまでの兄姉の父はロドリゴデトリアーノ、クロコルージュ、キャプテンスティーヴ、アラムシャーと残念な馬ばかりだったが、初のSS系でいきなり新馬勝ちする馬を出した。今後もこの母には良い馬を付けていって欲しい。SS系の廉価種牡馬(ロイヤルタッチ、ニューイングランドなど)で十分だ。