アディアフォーンなど/2歳戦17週目

　今年3頭目のA評価はアディアフォーン。ダンスインザダーク産駒で母がGI・3勝のファレノプシスという文句なしの良血馬だ。“母がJRA・GI馬”の2歳馬が勝ったのは今年初となる。ファレノプシスは初仔以来6年続けて牝馬を出産中。1歳上の全姉フィーユは中京・ダート1700mで勝ち上がり、現在2戦1勝だ。ダンスインザダーク×Robertoには大物がおらず、この牝系のサンデーサイレンス系との相性もイマイチだが、ナリタブライアン、ビワハヤヒデが出た牝系でもあり、いつ爆発してもおかしくない血統だ。ファレノプシスの子孫がどう言った広がりを見せていくのかも興味深い。

【ファレノプシス繁殖成績】
2002 スパンゴールド(牝、サンデーサイレンス)
2003 ティンクルハート(牝、サンデーサイレンス)
2004 ルアシェイア(牝、フジキセキ)
2005 フィーユ(牝、ダンスインザダーク)
2006 アディアフォーン(牝、ダンスインザダーク)
2007 (牝、スペシャルウィーク)
2008 不受胎(アグネスタキオン)

　ドリームゲイルはアグネスデジタル×トニービンだからエイムアットビップと同じ配合。イットー～ミスマルミチという牝系も同じだが、こちらはダイイチルビー～ハギノトップレディを経ているぶん質は上だ。トウショウボーイの血が入るのも大きい。マイルGIを沸かせる馬になって欲しいものだ。

　スズカルネッサンスは東京・芝1400mで勝ち上がり。シンボリクリスエス産駒の2歳馬はこれまで13頭が勝ち上がっているが、ダートを含め8頭が1800m以上の勝利だから、同馬の産駒にしてはスピードがある馬と言える。芝で勝ち上がったが、母系にはDeputy Minister、Mr.Prospector、Easy Goerといった米血が多く入り、ダートの適性のほうが高そうだ。牝系はスキャターザゴールド、Sky Classic、Smart Strikeが出た名門。Seattle Slew4×4のクロスも面白い。

　シーダーはベンチャーナインの半弟。この母グラッドハンドはエイシンサンディ、ミラクルアドマイヤという父で立て続けに走る馬を送り出しており、なかなか優秀な繁殖牝馬といえる。これは、最近母の父として目立った活躍を見せているコマンダーインチーフに依るところが大きいのだろう。現1歳はマイネルセレクトの牝馬と、これまた地味な種牡馬になるが走ってくるのだろうか。

　スーニはダート1200mで7馬身差の圧勝。父Soto というのは初めて見る種牡馬だったが、調べてみると父デヒア、母の父Crafty Prospectorという血統で、現役時代はケンタッキージョッキークラブS(米G2・ダート8.5f)、ウェストヴァージニアダービー(米G3・ダート9f)の重賞2勝、通算6戦5勝という成績だった。近親に大物はおらず、底を見せないまま引退したいわば“未完の大器”だ。そんな父に、母の父はPleasant Colony産駒でこれまたマイナーなRoanoke(カリフォルニアンS-米G1)というかなり珍しい配合。この血統構成ならやはりダートが活躍の場となるだろう。