スウッシュなど/2歳戦13週目

　今週は4頭にB評価を付けた。中でも興味深かったのはスウッシュ。フォーティナイナー系でハギノトップレディ牝系というのはマイネルセレクトと同じパターンで、母系の血はウォーニング×マルゼンスキーだからマイネルセレクトより上と言っても良い構成。しかも、ウォーニングと4代母イットーの父ヴェンチアの組み合わせで、母系に薄いMan o'Warクロスもある。この母は地味ながら本馬を含む3頭すべてがJRAで勝ち上がっており、なかなかポテンシャルの高い繁殖牝馬だ。コロナドズクエスト産駒の成長力についてはまだ疑問符が付くところだが、母系のクオリティの高さに期待し、芝ダート問わず、短距離戦線で息の長い活躍を見せて欲しい。

　ケイアイライジンはサクセスドマーニ(父Belong to Me)の半弟で、叔父にキングナムラがいる血統。父ケイムホームはパシフィッククラシック-米G1、サンタアニタダービー-米G1、ホープフルS-米G1を勝った活躍馬で、Gone Westを父に持つ期待の種牡馬だ。本馬は母系がA.P.Indy×Roberto×Nijinskyとか、主流血脈を漏れなく集めたような血統構成になっており、クオリティはかなり高い。荒削りながら大物感ある勝ち方を見せており、どんどん良くなっていきそうだ。Secretariat4×4のクロス。

　アラシヲヨブオトコはサンアディユの半弟。父がフレンチデピュティからマンハッタンカフェに替わり、姉とは全く違ったタイプになる。マンハッタンカフェの仔は、マンハッタンカフェがNorthern Dancerを持たないにも関わらず、活躍馬は母の父が非Northern Dancerというパターンが多い。本馬はそのパターンから外れるということになるが、Caerleonとの組み合わせは、マンハッタンカフェの近親であるビワハイジを思い起こさせる配合になっている。ビワハイジが繁殖牝馬としてアドマイヤジャパン(父サンデーサイレンス)、アドマイヤオーラ(父アグネスタキオン)といった活躍馬を出しているが、いずれもサンデーサイレンス系。アラシヲヨブオトコはそれら2頭とは非常に似た血統構成ということになる。サンデーサイレンス産駒の兄姉リゼルヴァ、ノンキは大成できなかったが、マンハッタンカフェでブレイクという可能性は十分だろう。サンデーサイレンス系でAck Ackを持つ馬にはサイレンススズカ、ハットトリック、スズカドリームなどがいることも合わせ、なかなか興味深い配合馬だ。

　リーチコンセンサスは叔母にフサイチエアデールがいるお馴染みの牝系。フレンチデピュティ×サンデーサイレンスだからライラプスとは同血、フサイチリシャールとは3/4同血となる。従姉のアステリオンが大きく期待を裏切ったこともあり、もう時代遅れの感もあるが、クラシック戦線でそこそこ走ってもおかしくない良血ではある。