Big Brown


 ケンタッキーダービーの重要な前哨戦の一つ、フロリダダービーはビッグブラウン Big Brown (牡3、米・R.デュトロウJr.厩舎)が勝利。逃げ切りでぶっちぎるという圧巻の内容だった。

 この馬、これで3戦3勝となるのだが、前2走ともに強い内容で、久しぶりに“化け物かも”と感じさせてくれる馬。勝負どころで軽く仕掛けられるだけで素晴らしい伸びを見せ、楽な手応えのまま他馬を引き離す。ケンタッキーダービー戦線が楽しみだ。


 ただ、気になるのが父Boundaryという血統。日本ではサーガノヴェル(クリスタルC-GIII)などが有名で、産駒にもスプリンターやマイラーが多い。配合を見ても母系はNureyev×Lear Fan×Damascus×Round Tableと、字面だけ見れば一流どころが並び、悪くはないように見えるが、“スタミナ”を考えると足りない印象だ。牝系にも近親に活躍馬はいない地味なもの。Northern Dancer3×3、Damascus3×4、Round Table4×5のクロスあり、父母が類似配合になっているのが特徴的なくらいだろう。


 もっとも、血統云々は筆者の理想論(母系にはRibotやHerbagerやSecretariatなどの血があるのが好みなだけ)に依ることが多いので、父にやや不安はあるが、致命的なものではなく、杞憂に終わる可能性が高そうだ。どちらにせよ、Smarty Jones以来久しぶりに“ワクワクさせてくれる馬”に会った気がするので、この馬には大きく注目していきたい。


フロリダダービー動画

アローワンス(2戦目)動画

メイドン(1戦目)動画