非SS系ではエース級の期待がかかるジャングルポケット。トールポピーによりGIサイアーの仲間入りを果たし、今後はさらなる飛躍が見込めるだろう。


 12月16日現在、5頭がJRA重賞勝ち馬となったが、うち3頭が母の父サンデーサイレンス、4頭がサンデーサイレンス系。4頭が社台グループ生産と、偏った傾向が残っている。4頭が母系にNorthern Dancerの血を持っているのも付け加えておこう。Mr.Prospectorを持つ重賞勝ち馬はおらず、ここもふまえて好配合馬を探してみよう。


 まずは王道の“母の父SS”から。セシルカットの2006 は4勝したピアチェヴォーレ(父オペラハウス)の半妹で、エアグルーヴらと同じお馴染みの牝系。母の父SSに加え、祖母の父ノーザンテーストはトニービンとも相性が良く、好感の持てる配合だ。ダイナカール系のジャングルポケット産駒は初のようで、エアグルーヴ(父トニービン)と近い配合になるし、牝馬が走る牝系でもあり、大物の予感。ここまでは申し分ないが、厩舎は美浦・宗像義忠厩舎のようだ…。


 ノンストップラブの2006 も母がサンデーサイレンス×ノーザンテーストの配合で、こちらは3代母が日本ダービー馬タヤスツヨシという血統。3代母の父がCaroで、この位置にCaroが入るのはトールポピーと同じだ。この牝系はUnbridledも出た名門だけに、そろそろタヤスツヨシに続く馬が出ても良いと思う。


 母の父SSの中で、筆者が最も気になるのはトーセンフィーネの2006 。祖母がNashwan×Conquistador Cielo、Northern Dancerという配合で、牝系はラムタラやヘクタープロテクターと同じ名門だ。Nashwanはわりと好きなので、祖母ケイパビリティーには以前から注目しているのだが、なかなか活躍馬が出ない。ただ、1つ上のトーセンビスタ(牝、父アグネスデジタル)が新馬戦で1番人気に推されていた(結果は6着だが)ように、素質馬を出す気配は見せ始めている。覚えておきたい1頭だ。


 また、“母の父SS系”まで広げてみても、なかなかの血統馬が揃っている。ガトーショコラの2006 (母の父フジキセキ)はルルパンブルーの全妹。タックスシェルターの2006 (母の父フジキセキ)は叔父叔母にヒシアトラス、ルミナスハーバーがいて、美浦・畠山吉宏厩舎、グリーンファーム。ホワッツニューの2006 (母の父スペシャルウィーク)はベガなどが出たアンティックヴァリュー系で、セレクトセールで近藤利一氏が落札。アドマイヤベリーの2006 (母の父ダンスインザダーク)はおじにカンパニー、レニングラード。サトルスマイルの2006 (母の父バブルガムフェロー)は伯父にマンハッタンカフェ。社台RHで栗東・大久保龍志厩舎。スターアミュレットの2006 (母の父バブルガムフェロー)はドリームパスポート、ステイゴールドらと同牝系。この中では近親がトニービン系で結果を出しているアドマイヤベリーの2006が良さそうだ。馬主も近藤英子氏濃厚なだけに、音無秀孝厩舎に入れば相当期待できそう。


 その他注目良血馬としては、ダークメッセージの半弟で、セレクトセールにて(株)ジェイ・エイチ・エスに1億7000万円で落札されたエヴリウィスパーの2006 、カンパニーの半弟ブリリアントベリーの2006 、母がフェアリーS勝ちのレディステラの2006 、メイショウラムセスの半妹メイショウヤエガキの2006 、母がチューリップ賞2着馬で、セレクトセールにて大川徹氏が2100万円で落札したロッチラヴウインクの2006 など。先ほどのアドマイヤベリーに続き、エヴリウィスパー、ブリリアントベリーと、クラフティワイフ系の多さが目についた。


 こうして見て来たが、好配合馬は多いものの、筆者好みという点では一押し足りず、指名無しとなりそうな気がする。