08年の新種牡馬で、個人的に最も期待しているのがサクラプレジデントだ。現役時代はGIには手が届かなかったが、皐月賞、朝日杯フューチュリティSで2着、中山記念(GII)で1.44.9のレコード勝ちなど、間違いなくGI級の素質馬だった。


 父サンデーサイレンス、母の父マルゼンスキーという配合で、伯父にサクラチヨノオー(日本ダービー)、サクラホクトオー(朝日杯3歳S)などがいる血統。配合、牝系ともに最高級のものを持っており、サイアーラインを残して欲しい馬である。


 社台グループの生産馬がいないので、キングカメハメハやネオユニヴァースらに比べると牝馬の質はどうしても落ちるが、そんな中でも配合に妙味のある馬を探していきたい。


 この牝系といえば、マルゼンスキーとテスコボーイの血で数々の成功を残していることで知られる。マルゼンスキーはサクラプレジデントの母の父に持っているので、テスコボーイを持っている牝馬を優先的に挙げてみたい。

 一番の目玉になりそうなのは、母がエリザベス女王杯勝ち馬というサクラキャンドルの2006 。母がサクラユタカオー×ノーザンテーストという配合で、伯父にサクラチトセオー(天皇賞・秋)がいる血統。現在、テスコボーイの供給元として最適と言えるサクラユタカオーなど良質の血脈が集結し、牝系も文句ない。これまで母は大物を出していないが、当たり外れの大きいサクラローレル、カリズマティック、ダンスインザダークらが相手だったので、今回で本領発揮して欲しい。この牝系には、サクラキャンドルを祖母に持つサクラフィオーレの2006 もいる。こちらは母の父がサクラローレル。サポート血脈として名高いRainbow Quest~Blushing Groomのラインなので、大物感という意味ではこちらかも。サクラキャンドルの全姉を母に持つサクラヒーローの2006 もいちおうチェック。


 サクラフューチャーの2006 は、伯父にサクラローレルを持ち、母の父がサクラユタカオー。上記サクラフィオーレの2006と似た血統構成だが、ノーザンテーストがあるぶんサクラフィオーレの2006のほうが良さそう。


 サクラユタカオー系では、サクラバクシンオーやエアジハードも母の父に名を見せている。イーグルバクシンオの2006 は母の父がサクラバクシンオーで、祖母が新潟3歳S(GIII)を勝ったマリキータ。かなりスピードタイプの配合になった。


 エアジハードを母の父に持つのはマタハリトウショウの2006 。祖母の父はリズムだが、その奥がダンディルート、ヴェンチアと名種牡馬が並ぶ。3代母は名牝エイティトウショウで、トウショウボーイを出したソシアルバターフライ系に遡る名牝系だ。


 マチカネホホエミの2006 は、母の父コマンダーインチーフ、祖母の父トウショウボーイという累代配合。伯父にマチカネフクキタル(菊花賞)がいて、スペシャルウィークやシスタートウショウらと同じシラオキ系の出身。ダンシングブレーヴ×Roberto配合のコマンダーインチーフは、母の父として今後注目の血脈だ。


 エレガントウィナーの2006 は母の父がウイニングチケット。母系の5代目にテスコボーイを持っており、マルゼンスキー3×4のクロス。応援したい配合馬だが、ちょっと牝系が古くさいか。


 メジロシャイナーの2006 は、母の父がメジロライアンで、牝系はメジロドーベルが出たメジロボサツ。母自身、メジロドーベルに似た血統構成になっていて、祖母の父ホクトボーイからテスコボーイの血も得ている。カタカナ率も高く、走って欲しい馬。


 面白いクロスを持った馬としては、ファームカレッジの2006ライトフレグランスの2006 のシル(マルゼンスキーの母)クロス馬2頭。いずれもシルの直系子孫で、前者は母の父ロイヤルアカデミーIIでNijinskyクロスを併せ持つ。


 最後に、洋風(?)配合馬も少し。シルクオリンピアの2006 はアフリート×Caerleon×Robertoと良質の種牡馬がバランス良く並んでいる。タイキセニョリータの2006 はEl Gran Senor×Blushing Groomという本格派。その奥もDr.Fager、Bold Rulerと名血が並び、かなり遠いがSecretariatらとも同牝系。重すぎるのか繁殖成績はいまいちだが、いつか爆発してもおかしくない牝系だ。