どろどろの中に、綺麗な愛があるはずと期待して、この作品、ムリして観に行きました。


トラザさんのトゥーランドットが大好きだったので、きっと濃い〜愛を見せてくれると思ってたんだけど、やればやるほど、瞳が暗くなっていくようで心配した。


気のせいかもしれないけど。


この役、向いてないんじゃないかなと思った。


たとえば、サンジャクさんとかだったら、楽しんで、キュートにできそうだし、受付に座ってらして、漢だけのストリップに乱入した桃太郎さんなら、オトナの男の色気とか淋しさで魅せてくれそう。


一方のトラザさんは、日に日によれよれになっていくようで。


もしかして、トラザさんの価値観では、許せないことをしていたからなのかもと思った。役へのアプローチの仕方にもよるのかもしれないけど。


役として演じるのではなく、役に気持ちを乗せていくこと。


だから、自分の価値観と合わないと、時に損ない、我が身をすり減らす。


そういうタイプに惹かれるし、心揺り動かされるけど、我と我が身の羽根で折る舞台だから、ぼろぼろになるよね。


終演後のトラとラヂオで、1番、心に残ったのは、「明美という人」という呼び方。「明美」じゃなくて。


遠い〜。

許してないのかなと思った。


明美のことも、シゲさんのことも。


それでも、究極の愛を、ぼろぼろになりながら生きる。


なんか、何もかもシゲさんみたいで、不器用な男がジタバタ、自分の価値観を犠牲にしても愛に生きるとこがよかったのかもしれない。


すんなりできたら、いやだったかも。


え?奥さんいるの?

死別?とか思ってたくらいだから。


どうやったって不誠実なんだけど、妻も子も明美も、シゲさんなりに誠意を尽くしてもらった気がして、しょうがないなぁってなるし、ちょっと嬉しかったりもするんじゃないかなぁ。


なので、この不器用なシゲさんは、トラザさんでよかったし、今しかできないシゲさんかもしれない。


いつか、この作品が糧となって、オトナの男を演じられるようになったら、それはそれで、ドキドキするかもしれないけど、この剥き出しでジタバタしたシゲさんを観られて幸せでした。


あと、少しー。

頑張って書き留めとこう。